雨ニモ負ケズ ~ alk phenix/ ame coat EPIC

phenixというメーカーを皆さんもご存じかと思います。
スキーウェアのイメージが強い会社ですが、近年デザイン性の高いアウトドアウェアの開発等でも高い評価を得ています。

そのphenixが「歩くための機能服」を標榜し、統括ディレクターにTEATRAの上出大輔氏を、ヴィジュアルディレクターにスタイリスト岡部文彦氏を迎えて立ち上げた新ブランド(*)、それがalk phenixです。

都市生活のシチュエーションを「雨をしのぐ/動く/暖をとる/静けさを纏う/収納する/快適を得る/陽をよける」の7つに分類し、それぞれのテーマに従ったプロダクトを展開しています。

当店ではその中から「雨をしのぐ」コート1型と「収納する」パンツ2型を選びました。

今回ご紹介のame coatは、その「雨をしのぐ」コートとなりますが、語りどころの多い品です…

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まずはシックな色使いのなか文字通り光るリフレクターが配されていますが、全方位からの光を再帰反射する塗料が用いられています。

生地もただ水に強いだけではありません。
布に防水コーティングを施すのではなく、繊維の内部に防水処理を施すことにより、撥水する生地が織りあがりました。
そのためレインウェアでありがちな経年による内部の剥離も起こらず、防風性と通気性を両立することが可能となります。
また、充分なすすぎを伴う洗濯および低温での乾燥機で乾燥させることにより撥水性能を回復することができます。
さらに高いストレッチ性による抜群の着心地と、静電気中和まで兼ね備える、恐るべき性能です。

まだ終わりません。
付属の巾着袋に小さく収納可能なのですが、この袋にも消臭機能をもつ糸が使用されており、濡れた雨具特有の雑巾臭さを抑制します。

これだけの機能を兼ね備えつつあくまで都市生活を前提とした洗練されたデザインとなっているため、過度のスポーツ感はなく、何より着ていただくと柔和な表情のシルエットに驚嘆すること間違いなしです。

今季はファーストシーズンのためか、東京を除く関東地方では当店だけの展開となるようです。
是非実物をご覧いただき、店主の駄文では表現しきれないその価値をご確認ください。

オンラインストアはこちら→ ame coat

(*)2019/9/6追記:上出氏と岡部氏はブランド発足後数シーズンののち、退任されました。現在はデザインチームによるディレクションが行われています


守ってあげたい ~ BACH/ SHIELD22 & 35

店主個人的には、プロダクトとしてのバックパックの黄金期は’90年代であると考えています。
特にかつてのDANA DESIGNやOSPREY、Overland等の美しさたるや、今なお色褪せぬどころかより強く輝いているように思えて仕方ありません。

そんな往時の名品と同じ匂いのする現行品が、ようやく入荷してきました。
アイルランドのブランド、BACH(バッハ)です。

BACH自体はより登山向けのハイスペックなモデルも生産している会社なのですが、そこまでの性能は仲町台での生活には不要と考え、日々の中で愛用できそうなモデルを中心に揃えました。

郷愁を誘うコーデュラナイロンのごわついた素材感、(ここがまさに往時を思い出すのですが)大ぶりのファスナー使い、シンプル且つあくまで機能に基づいたデザイン…ありそうで探すとなかなか見つからない匙加減です。

複数型が入ってきていますが、今回はその中から「SHIELD」をご紹介します。
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このモデルの特徴は、盾の名の如く独自の形状をした収納構造にあります。
通常のバックパックと同じく上からの収納がメインとなりますが、別気室が下から使用可能で、雨具等他の荷物と一緒にしたくないものなどを効率的に分けることができ、さらに内仕切りをファスナーで開けることで1気室にすることも可能です。

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なお、BACH他モデルとの共通事項ですが、最下部にレインカバーが入っており、大雨の時に重宝します。
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背面のメッシュ構造や人間工学的ショルダーベルトは最新型の仕様ですので、背負い心地も頗る良好です。
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日常使いに便利な22リットル(黒とスティールブルー)、

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日帰り登山にも対応可能な35リットル(葡萄色)を用意しました。

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このSHIELDに限らず、ギミックが楽しいバッグブランドですので、是非店頭にて色々とお試しいただければと思います。

オンラインストアはこちら→ SHIELD22/ SHIELD35

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Suits me very fine ~ EEL/ カーディガンズ

まさかのカーディガン連投となりました。
今度はEELから「カーディガンズ」の登場となります。

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当店、ニットに関しては基本knitchy推しですが、EELのニットもまた高い完成度を誇ります。

滑らかな肌触り、経年変化が楽しみな革ボタンなど着目すべき点は多々ありますが、なんといってもこの発色、鮮烈且つ清廉の極みです(過去Qシャツに対して も似た表現をしていますが、本当にEELは色が特徴的です!)。形状に癖がないだけに、こうした素の良しあしは如実に表れます。

聞けばこのニット、生産はEELのデザイナー自身が生まれ育った新潟の町で行われているとか。

「やっぱり日本製は高品質!」「国産を応援しよう!」と浅い発言をするつもりはありませんが、この表現力、技術力にはムムと納得せざるを得ません。そして産地の維持には魅力的な商品企画と価値を毀損しない販売提案が欠かせないことも改めて考えさせられます。

ちなみにですが、店主はThe Cardigansでは1stの「emmerdale」が一番好みです(次点は2nd)。まったくもってどうでもいい話ですが、世代的に反応せずにはいられませんでした…

オンラインストアはこちら→ イエロー/ ブルー


横縞な企み ~ knitchy/ ホールガーメントストライプシリーズ

なんとも芸の細かいニットたちがknitchyより入ってきました。

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ぱっと見はただストライプ柄であることしか認識されないかと思われますが、細部を確認すると発見の連続に眩暈がしそうです。

まず最初に気づくのは身頃と袖の関係でしょうか。
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ただ着る分には身頃が縦縞、袖が横縞のようですが、広げてみると身頃と袖が一体化しており、柄がそのまま続いていることがお分かりになると思われます。

さらによく見ると、編みの方向が横向きです。
通常ニットは横方向に伸縮するよう編まれ、仕立られていますが、これは90度寝かせられています。つまり、生地だけを見ればボーダー柄というわけです。
ということは、身頃から袖が延長しているというよりも、袖が拡がってそのまま身頃になっている構造だとも言えそうですね。

knitchy全般に云えることですが、デザインを技術で表現するというよりも、技術をデザインで表現している感さえ受けます。
それがモードの域まで昇華されるのではなく、日常生活の中で気軽に着られるものに落とし込まれているというのは、却って贅沢なことではないでしょうか。

縞のピッチやディテールは異なりますが、同じシリーズでカーディガンと7分袖のプルオーバーが揃っています。
店頭にて、広げて、よく見て、そして着てその細緻さをお確かめください。

オンラインストアはこちら→ プルオーバー ホワイト/ インデイゴ カーディガン グレー/ ホワイト/ インデイゴ


BORN IN THE USA ~ SERO/ オックスフォードBDシャツ

店主が10代のころまでは、それこそ町のジーパン屋さん等でアメリカ製の服や靴が中学生でも気軽に買えたものでした。
アメリカ製品が憧れでなく、日常だった時代です。

いつしかその当たり前が当たり前でなくなり、靴流通センターで3000円で売られていたコンバースが今や東京のヴィンテージショップで2万円出さないと手に入れられないような時代となってしまいました。

本来アメリカ製衣料は大量生産品が基本であり、ナポリの手縫いシャツのような工芸品ではありません。気軽に使えて然るべきです。
日常的にガシガシ使う、それができる耐久性があり、その結果が一番美しくなる、そういうものだと考えています。

SEROのボタンダウンシャツは、まさにそんな付き合い方のできるMADE IN USAです。

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やや小さめの襟、ホームベース型の胸ポケット、背中のロッカーループや日本人向けのサイズ感などと特徴もないわけではありませんが、きわめて普通なシャツです。寧ろその普通さが最大の特徴といえるかも知れません。

ところでアイビー系ブランドに詳しい方は、少し前のくだりで「あれ?」と思ったかもしれません。「SEROって、数年前に復活してからカナダ製じゃん」と。
実はSEROは今季から工場が変わり、アメリカ生産になりました。そのため少し価格は上がってしまったのですが、それでも某Iシャツに比べればずっと安価です。

復活当初から比べれば遙かに生地の品質も縫製レベルも上がっており、進化を止めないブランドと言えますが、ざっくりした日常感はそのまま。難しいことを考える必要はありません。

まだオックスフォード地しか届いていませんが、これから春らしいチェックやストライプの入荷を予定しています。
「普通」をお探しの方に、是非お勧めしたいシャツです。

オンラインストアはこちら→ ホワイト


オレゴンから愛 ~ TANNER GOODS

革製品の中でもベルトは革の長さが必要とされるため、割高になりがちです。ラグジュアリーブランドのレザーベルトが尋常でない価格なのは、ただでさえ上等な革で傷や血管痕等を避けつつも長さを確保しなくてはならず、生産上ロスが大きいという理由もあります。

適正価格でありながら大人がカジュアルで使える普通のベルト、この条件で上質なものは意外となかなか見つからないものです。

それでもイングランド製やスコットランド製などを筆頭に、そうした要求に応えられる名品はちらほら見られます。いずれも頑強な一枚革を使用し、素材の多少の傷などは前提として問題にせず、使い込んだ後の革や金具の表情が渋みのあるいい顔になっていくものです。
前置きが冗長になりましたが、本日アメリカはオレゴン州から、そんな味わい方のできる素敵な良品が届きました。

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ポートランドの若き職人集団が手掛けるTANNER GOODSは、厳選された素材をデザインに応じて適正に使用し、つくりそのものは質実剛健そのもの。それでもどこかとぼけたような柔和な表情があり、堅苦しさがないのが特徴です。
かといってアメリカの革製品でありがちな度の過ぎた粗野さはなく、寧ろある種のモード感すら漂うほど都会的なデザインとなっています。

決してラグジュアリーではありませんが、使えば使うほど深みを増す素材を使っているため、新品の状態では5割程度の完成度とお考えください。1~2年使い続けてからが本番です。

なお、金具も革同様味の出るものがあしらわれていますが、モデルによっては金具の交換も可能ですので、長い経過の中では気分でここを変えてみても面白いかも知れません。

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当店では女性用の極細幅モデルと男性用の細幅モデルをご用意しました。元革モノ屋の店主が選んだ品です。是非店頭にてその佳さをご確認ください。


ほんの半ヒネリ ~ EEL/ Fancy Shirts

今季の展示会で特に個人的に気になっていたシャツが入荷しました。

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Fancy Shirtsと名付けられたこのモデルは、少し離れると何の変哲もないプレーンなシャツにしか見えませんが、身頃とほかの部分のパーツの生地が異なり(ホ ワイトはドビーストライプ、サックスブルーはヘリンボーンです)、またボタンもくるみボタンになっています。

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デザインシャツというにはプレーンでありながらもベーシックなシャツですとも言い切れない、この匙加減が実にEEL的です。

同じEELでも以前ご紹介した陶器釦などに比べると地味な存在ですが、そのデザインの抑制具合がかえってこのシャツの特異性ではないかと思います。

オンラインストアはこちら→ ホワイト/ サックス


清楚の具現化 ~ Waltz for rolca/ 丸襟ブラウス

ご好評のWaltz for rolcaからブラウスが入荷しています。

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光沢と肌触りに定評のあるエジプト綿”ギザ88″を使用しており、洗いがかかっていても凛とした佇まいの生地の上質さは実物を見ていただければお解りになることでしょう。

当店はレディースサイズであってもメンズ仕立てのものが多いのですが、これは台襟を省いた丸襟、背中のギャザー、折伏せでないふわりとした袖付けと、れっきとした女性用ブラウスとなっています。

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ディテールに凝りすぎず清楚なデザインですので、かしこまりすぎずにきちんと感を出したい場面にご活用いただけるのではと思います。

オンラインストアはこちら→ホワイト/ ブルーギンガム


りんごの森の子猫たち ~ D-BROS/ KUDAMEMO

D-BROSのデザイン雑貨のお取扱いを開始致しました。

種類はまだそんなに多くは入っていませんが、
いずれも春らしい色彩に満ちた美しいものばかりです。

その中でまずはこのメモブロックをご紹介します。

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単に果物を模したというにはあまりにも瑞々しい、その名も「KUDAMEMO」。
スライスされた果実を一枚ずつ剥がして使用します。

木からもいだ名残のように本物の枝がついており、
また梱包に至ってもネットに入れられ、八百屋さんやデパートのフルーツ売り場等で見覚えのある”あの形”の段ボール箱に入って納品されています。

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表面的にフルーツ型にしただけのファンシーグッズとは一線を画す徹底的なデザインです。

リンゴと洋梨の2種がありますが、ともに実物をご覧になれば、店主の下手な写真では表現できないほどのジューシー感(紙なのに!)を認めていただけることでしょう。

癒されるというのもまた陳腐な言い回しですが、少なくともこれがデスクにぽんと置いてある状態で殺伐とした気持ちになるのもなかなか難しいのではないでしょうか。
実用性という面でもっとすぐれたメモブロックは数多あれど、デザインの力がそれとは違う側面での価値を生み出すという好例だと考えています。


腰回りの秘め事 ~ rolca on the notes/ 9分丈チノパンツ

少なからずご要望のあったレディースのパンツが入荷しています。

以前ご紹介したWaltz for rolcaのカジュアルライン、もといメインラインであるrolca on the notesの9分丈チノパンツです。

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背面腰部分にはゴムが配されており、フロントのプリーツや素材に混紡されているストレッチも相まってゆったりとした着用感となりますが、正面から見ると比 較的クラシックな顔つきであり、テーパードも綺麗にかかっていますので、シャツやベルト等でゴム部分さえ隠せばそのリラックス感を悟られることはありませ ん。

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色もオーソドックスなベージュとブルーですので、応用範囲は非常に広いと思われます。

きょうも強烈な寒さですが、陽射しは確実に春に近づいてきています。
まだまだ防寒着は手放せないものの、こうしたシーズン性の薄い素材のアイテムから少しずつ春服に切り替えていくのもいいのではないでしょうか。