不思議色ハピネス ~ ZDA/ Marathon 2300FSL

2016年春夏のブランド復活以来、当店ではLUNGE、YOAKとともにスニーカーの三本柱の一角として不動の地位を確立しているZDA。

「いい匂いのするB級感」とでも言うべきその独特のヘンテコさが他2ブランドにはない特徴として、多くの好事家のお客様に愛されています。

そんなZDAのラインナップのなかでも、過去トップクラスの危うい魅力を放つのがこの2300FSLです。

どこからどう説明していいのか、仕入れた本人ですら悩みます。

アイスと名づけられた冷たい乳白色のナイロンと水色のスウェードの組み合わせに、まさかのオレンジとピンクを掛け合わせた、いかにも1980年代なロボットアニメ配色がまず目を惹きますが、

補強の意図でしょうか、サッカーシューズを彷彿させるトウの刺繍、

三つも鳩目を打ち付けていながら、穴が貫通してないため一切ベンチレーションの役割を果たしていない謎ディテール、

2800FSLでも登場した、お世辞にも上手ですねとは言い難いランニングマンのイラスト、

どこをとっても珍奇の極みです。

それなのにどうしたことでしょう、この自然な一体感は。

ZDAのマラソンシリーズではお馴染みのマラソンソールに肉厚な積層EVAミッドソールが織りなすふわっとした履き心地も想像以上に快適で、

ただの前衛的なスニーカーと侮って履くときっと驚かれることと思われます。

なお、この靴は戦後期チェコスロバキア靴製造の歴史を研究しているЮрай Шушка氏のすばらしい資料(あまりにも情報の少ないZDAを調べるにあたって欠かせません)によると、1980年代にSPORTVYROBAブランドで製造されていたランニングシューズと近似しているようです。

ソールの仕様やランニングマンイラストの有無など異なる箇所はあるものの、基本的に同じデザインであることから、ZDAの工場で作られたものであるのはほぼ間違いありませんが、それ以上の相関性については不明のまま。

多くの疑問を残しっぱなしで放り出すのは心苦しくもあり、しかしそんな神秘性もまたZDAならではと言えます。

週末に入荷するや否や瞬く間に当店のお客様方の心を掴み、あっという間にサイズ欠けも起きてしまいました。

その現象が一体何ゆえなのか、気になる方は是非一度店頭にてお試しください。
こんな駄文でクドクド伝えずとも「こういうことか…」とご理解いただけるはずです。

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