今季のASEEDONCLOUDのテーマ”最眩組(moguragumi)”は、1人の少女と4人の老翁たちの物語です。
詳しくは以前のブログをご参照いただくとして、一部を下記に抜粋しましょう。
***************************************************************************************
ある日のことです、亡くなった仲間を埋葬するため坑夫たちがお墓を掘っていたその時を同じくして、町にひとりの女の子が誕生しました。
彼ら-4人の坑夫たち-はその子を仲間の生まれ変わりとして大切に育て、自分たちの仕事場に日々連れ出すようになります。
月日が流れ女の子は成長。
いつものように老坑夫たちとともに採掘作業中に勤しんでいると、たまたま古いお墓に当たり、ボロボロになった遺品を掘り返してしまいます。
女の子はそれを見て大変悲しみましたが、その様子を見た坑夫たちが遺品を綺麗に戻すと、とても喜び彼らを褒め讃えました。
それからというもの、彼らは地下で遺品を元に戻す作業に没頭するようになります。
***************************************************************************************
この少女-その名をElves(アルヴ)といいます-は、遺品を扱うにあたり、彼女なりの正装としてワンピースの上にジャケットを羽織っているようです。
それがこのElves Jacket。
クラシカルというよりアンティークの芳香すら漂う古式ゆかしいデザインですが、それもそのはず、産業革命以前に多くのイギリス人が着ていたジャケットを下敷きにしたとのこと。
おそらくはヴィクトリア朝時代の労働者階級の服かと思われます。
そこにASEEDONCLOUDならではのアレンジが施され、柔和な、とてもやさしいジャケットとなりました。
まずご覧いただきたいのが英国MOON社製の生地。
グレーがかった”モス”にはエメラルドグリーン、ブラウン、そしてベージュ、
“ブラウン”にはブラウン、レッドブラウン、カーキ、ネイビーブルーが混ぜ合わさり、奥行きのある豊かな表情が生まれています。
前立ては4つボタン仕様で詰まった胸元が特徴的です。
さらに上部、ラペル裏のボタンを留め、スタンドカラーとして着ることも可能となっています。
円みを帯びたパッチ型の内ポケットがなんとも愛らしいですね。
なお、袖裏にはすべりがよく吸湿性にすぐれたキュプラが用いられています。
全体としてボキシーなシルエットで、アウグスト・ザンダーの写真にうつる市井の人々が着ているような佇まいです。
肩肘の張らない秋冬の上着として、大活躍してくれることは間違いないでしょう。
なお、アルヴの名は北欧神話から現代のライトファンタジーまで愛され続けている妖精の一種エルフ(Elf, Elves)に由来しています。
発音としては古ノルド語を取り入れているのでしょうか。
国や時代によって概念が異なるためエルフそのものを定義づけることは難しいのですが、概ね人間と似た、そして特別な力のある存在として扱われます。
この物語のアルヴにも、どこかそんなイメージが投影されているようです。
今後ご紹介するであろう老翁および彼らの服についても、どうぞお楽しみに。
オンラインストアはこちらです→ モス/ ブラウン