全国の熱狂的ファンの皆様、お待たせしました。
KIMURAのこの春夏の新作の第一便が、ようやく到着しました。
このたび届いたのは、narrowing cardiganのシリーズ。
目移し(針にかかっているループを他の針に移すこと)によって編み目を減らし、生地の編み幅を部分的に狭くすることでパーツの形に編み立てる、ニットに用いる技法である「ヘラシ」(narrowing)をシャツの構造にて独自解釈、すなわち裁断、パーツの縫合でなく極力成形によって服を構成する部位を形作る、そんなKIMURA独自の技が光る、同ブランドの誇る名作にして当店の絶対的な定番です。
まずは、ハリの強いタイプライターを用いた新色、無地のネイビーのカーキ(オリーブ)。
何年も展開していて無地のネイビーが新色というのも凄い話ですが、そこはKIMURA。
デザイナーである木村さんの思考は我々の想像の範疇などに収まりません。
しかし、ここに来て発表されたこの2色は、その穏やかな使いやすさゆえに、今までのKIMURAとは一味違う新鮮さすら感じさせます。
使用されているタイプライターは、やわらかな生地使いを得意とするKIMURAではたまにしか出てこない素材ですが、これはこれで伸縮性をもつパイピングが生み出す服の円みを見事に引き立ててくれます。
ジャンル不明の服ながら軸はシャツということなのでしょう、前立ての裾はクラシックなドレスシャツを踏襲し、山型のステッチで折り返しています。
以前はタグを四角く縁取るようにミシンで縫われていたところ、角4点を手縫いで留めるという、文字通り手のかかる方式となっています(ちなみに、ブランドとしては今回が初ではなく、もとは5needles/split raglan sleeveと20needles/ set-in sleeveには採用されていたつけ方です)。
木村さんのマゾヒスティックな美意識が窺えるところです。
お次は、narrowing cardiganシリーズと言えばのストライプ。
美麗な配色のストライプ柄にうっとりするような肌触り。
昨年から一部モデルに採用されているイタリアTESSITURA MONTI社の生地は、シャツの格を一段階引き上げてくれます。
そして最後に、こちらは新色でなく新作となります。
narrowing cardiganの基本的なディテールをそのまま引き継ぎ、裾丈を伸ばした、ロングカーディガンの登場です。
なめらかなとろみを持つこの生地を贅沢にふんだんに用いることで、narrowing cardiganの新しい魅力が発見されました。
カーディガンとしてはもちろん、羽織ものとしての要素が強まりましたから、初夏から夏にかけて、コートの代わりとしてさらりと纏ってもみたいものです。
シーズンを重ねるたびに、マンネリに陥るどころか切れ味を増す一方のKIMURA、この春夏も目の肥えたファンの方々を唸らせることは間違いないでしょう。
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narrowing cardigan ネイビー/ カーキ/ イエロー×ブルー ストライプ(MONTI)
narrowing long cardigan ブラック