Tボーン・ブルース ~ Post Production/ T-Dress

昨年の夏に初登場するや否や、若い方を中心に予想を遥かに超える反響を賜ったPost Production。

今年も、素敵な新作が届いています。

女性的な印象の強いTストラップのデザインに男性的なアレンジを加えた、Post Productionらしい編集能力が冴える一足です。

アッパーはバッファローレザーを使用。

表革と裏革をコンビであしらい、敢えて粗野な印象を付与しています。

そこにこのどっしりとした真鍮の金具。

こうした素材の妙で、力強い安定感が生まれました。

一方で靴自体は重くないというそのバランス感もお見事。

中底から本底を縫い付けるマッケイ製法により接合されたレザーソールはしなやかで返りが良く、硬さを感じさせにくくなっています。

レザーソールはその面構え、そして足音に魅力がある反面、歩きにくさを聯想する方もいらっしゃるかも知れません。

そこでこの靴では最初から滑り止めとクッション性、そして修理のしやすさを考慮しハーフラバーが貼られています。

こういうところはファッション性より実用性をとるのもまたこのブランドらしさと言えます。

とはいえ、地面に向かいテーパードシルエットを描く少し高めのヒールの色気は、Post Productionが実用性だけを重視しているわけではないことを雄弁に語ります。

ところでTストラップのデザインは甲をしっかりと押さえつつも足の見える面積が確保されているため、素足や靴下など、どう覗くかで印象が変わるのが面白いところです。
この特性は、小雨などで足がやや濡れやすいということでもあるのですが、それを防ぐべくフリンジのパーツが付属しています。

これをストラップに通すことで、水や泥などの侵入を軽減することができるだけでなく、靴自体の印象もがらりと変わり、装いの幅が広がるのもうれしいところですね。

と、決して馴染み深いデザインではないものの、実はとても使い勝手に優れた一足です。

間もなく立春を迎えます。
これから陽射しもだんだんと強まり、気温はともかくとして春らしさは濃さを増していきます。

すぐに全身春物とはいきませんが、だからこそ足元から軽妙な季節感を取り入れるのもなかなか乙なものではないでしょうか。

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