かつて当店でパンツといえば、その筆頭はblancのwest-pointでした。
いつしか「ブランパンツ」と愛称で呼ばれるほどに、何年にもわたり多くのお客様から支持されてきた名品です。
しかし、国内の生産背景の縮小の波には抗えず、やがて実質的に廃番のような状態に。
それでもいまもなお復活を望む声は絶えず、同じくブランパンツの熱烈なファンである当店店主は、blanc側にその要望をしつこくしつこく伝え続けてきました。
「同じものとなると、いまはできなくて…。でもその代わり、新しい提案がありましてね」
そう言ってblancの吉田さんが見せてくれたのは、かつての絶対王者の後継となり得る、新たな傑作でした。
その名もone tuck trousers(でもきっと「ブランパンツ2」と呼ばれるようになる気もしますね)。
ブランパンツを彷彿させるリラックスしたシルエットで、そこに仄かなテーパードを利かせています。
生地は、コールドマーセライズ加工されたウェストポイントから、程よい厚みのコットンモールスキンへと変更されました。
ウェストポイント同様に上品な艶があり、そしてしなやかな柔らかさと高い耐久性を備えています。
薄すぎず厚すぎない肉感ゆえ、年中通してフル稼働してくれそうです。
今回は紐が内側に配されたイージーパンツ仕様になっていて、よりリラックスした穿き心地であるだけでなく、幅広い体型の方にお愉しみいただけるようになりました。
ちなみに2サイズ展開で、0が女性用、1が男性用となっています。
縫い割りした生地の端はパイピングが施されていますので、ロールアップしても「裏面」っぽさが出ません。
ボタンは生地にあわせ、”煤(深いチャコールグレー)”とネイビーにはホーンが、”ブラス(渋みの強い濃いカーキ)”には木製のものが採用されました。
と、細部に亘り、ブランドの「次」を生み出そうという気持ちが込められています。
一本一本blancのアトリエでデザイナーたち自身の手によって作られていますので、それほど数多くはご用意できませんが、是非これから段階的にでも多くの方に知っていただきたい、そんなパンツです。