日常使いに於けるファイナルアンサーを作るべく、当店とItheが共同企画し2019年に世に出したNo.28-HTO。
お陰様で4年目を迎える今年になってもその人気は衰えず、この夏は限定色である杢グレーも登場しました。
このTシャツの魅力をひとことで言い表すなら、ずば抜けた「ちょうどよさ」。
正直に申し上げれば、もっと高額で、ハイグレードな素材を使って、凝ったつくりのものは、世の中に多く存在しているはずです。
しかし、このTシャツはあくまで日常を想定して設計されています。
トレンドに寄らず飽きのこない絶妙なサイズバランス、上品な風合いと驚くほどの耐久性を備えた生地、たいていのものに合わせられてしまう汎用性の高さ、そして買い替え・買い足しを前提とした価格設定…すべてが「ちょうどいい」塩梅であり、この全方位的な「ちょうどよさ」が、結果としてこのTシャツを比類なきマスターピースに押し上げました。
過去に存在し、世間的に価値が高いとされていない古着をトレースし現代の服に再構築するのが、Itheのデザインの基本です。
しかしそれが決して「デザインできないから」「アイディアがないから」ではないというのが、はっきりと証明されたわけです。
いつしか多くの方から「イザT」とまで呼ばれるようになったこのモデル。
そこに続く第二の「イザ~」となるべく、新たな逸品が生まれました。
それが、「イザシャツ」。
過去販売されていたNo.13-RSを下敷きにしながらも、元ネタの再現には拘らず、徹底的に中庸であることを念頭にデザインされたシャツです。
生地は近江晒し加工が施されたコットンタイプライター。
とはいえ、一般的なタイプライターに較べ、薄さもあってかだいぶ柔らかい質感です。
生地自体もとからだいぶ洗われているものの、シャツの仕立てが綺麗なのと、襟や袖口の芯が比較的硬いため、崩れた印象にはなっていません。
ちなみに、一度洗濯すると全体的にさらなる柔らかさと奥行きのある美しさが生まれます(下の画像のシャツは店主私物です)。
形状はややゆったりしたボックスシルエットで、老若男女もスタイルも問わず、年中通してさまざまな装いに対応してくれます。
サイズ1で現在一般的なメンズのS~M、2でM~Lくらいの大きさですが、女性が袖を捲ってばさっと着用してもなかなか可愛いと思います。
こうしたプレーンなシャツは、世の中にあまりにも選択肢が多く、そして意外とこれといったものが見つからないものです。
だからこそ、ぴったりと嵌る型があって、それが定番として作り続けられてくれたなら、お気に入りのノートやボールペンと同じように日々の生活を豊かにしてくれます。
定番って作ろうと思って作れるものではなく、あくまで結果ではあります。
が、それを真剣に目指し、試行錯誤を重ねて生み出したこのシャツは、きっとそうなるであろう、そしてそうなるべきだと、はっきりと感じさせてくれます。
オンラインストアはこちらです→
No.13-53-ISO ホワイト
No.28-HTO ホワイト/ グレー