ここ数年はパタゴニアのレトロXをはじめとしたいわゆるフリースジャケットが新品・古着ともに人気なようです。
20数年前もユニクロのフリースが大ブームとなりましたが、特有の風合いをもち、軽く暖かく取扱いが楽なこの素材は、時代ときどきの流行りはあれど、そこに完全に流されるのことのない普遍的な魅力を備えています。
このフリース、語義としては「羊一頭分の羊毛」を意味しますが、一般的にはポリエステル(PET)製です。
もとはウールのセーターに対する不満から生まれたと云われており、化学繊維ならではの長所をもって世を席巻しました。
しかしそれから40年近くの時が流れ、化繊は必ずしもメリットばかりの側面を語られるものではなくなり、アウトドアのシーンでもウールの機能性が見直されてきています。
天然素材にしても化学繊維にしても、素材の進化は日進月歩です。
ですから現代に生きる我々は、どちらがいいという視点ではなく、目的(それは単なる機能の話に留まらず)に対して望ましい素材は何ぞやと改めて考えていくべきでしょう。
このジップブルゾンは、moncaoからのフリースジャケットに対する回答と言えそうです。
アウトドアを聯想させる要素は削ぎ落した、都市生活を営む大人のための一着となっています。
毎年秋にごく少量のみ入荷、かつつねに完売しているため当店のお客様のなかでも依然として認知度の低いブランドですが、その実力は大したもの。
ウール、ポリエステル、そしてシルクをブレンドして編みたてられたフリースは、化繊のみで作られたそれにくらべ、はるかにしっとりとした官能的な肌触りです。
着丈がやや長く、比較的ゆったりとしたシルエットですが、野暮ったいもたつきは微塵も感じさせません。
こうした目立たないバランス取りにとても優れたブランドでもあります。
本体の生地のみならず、ファスナーの引き手の選定にまで丁寧な仕事が見て取れます。
フルオープンジップですので、気温やほかの服との合わせ、気分などによってお好みのまま調節してください。
色や形に派手さはないものの、店頭でも「おっ?」とご反応いただくことが多いジャケットです。
気になる方は、どうぞいまのうちにお試しを。
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