先日ご紹介したベルトの不思議な魅力が「あれば何だ」とさっそく一部のお客様をザワつかせているbeta post。
革小物のみならず、服もひと目ではそうと気づかない、しかしただならぬデザインに快い敗北感を覚えます。
一見しただけではごくシンプルなジャケット。
高密度に織られた薄手のウェザークロスは、軽さ、すっきりした剛性、滑らかで艶のある質感が、快適さと適度な緊張感を齎します。
この素材でシングルブレストのジャケット、となるとともすれば格好良すぎてしまいかねないところ、ボキシーなシルエットに程よく落ちた肩が洒脱なリラックス感を生み出してくれます。
…と、ここまでなら使い勝手の良いジャケットの話で終わりますが、もちろんそんなはずがありません。
工業製品然とした面構えのアルミを削り出したボタンが、寡黙にして雄弁にその存在を示してきます。
エアパッキン??
さすがに本物のプチプチではなく、それを模したオリジナルの生地が背裏などに用いられています。
見た目上の面白さだけでなく、さらりとして滑りがよく、脱着のしやすさや着心地を高めてくれる優れものです。
なお、このジャケットと対になるパンツもご用意しています。
とはいえ、生地とボタンが同素材であり、セットアップとして好相性なバランスであっても、こちらはこちらで独自の設計思想に基づいた一本です。
パンツ自体のシルエットは、膝に膨らみを持たせた、樽のような形状です。
barrel pantsの名はそこに由来します。
気温と湿度が高まり、生地と肌の接触がべたつきがちな季節でも、快適にご着用いただけます。
ベルトループにsusupention beltを通すのも乙なものですが、腰にはゴムが仕込まれ、かつ両脇にアジャスタが設けられていますので、ベルトレスでもある程度調整可能となっています。
まさに荷造り用のPP紐、しかしこれおそらくダイニーマ製と思われます。
ダイニーマは登山用品にしばしば用いられる、極薄かつ引き裂き強度に優れたナイロン素材です。
通常生地を折り返して縫うところ、ピンキングの裁ち切りに。
これによって、裾に厚みが出ず、すっきりとした軽快な印象が生まれます。
服を評価するにあたり、いわゆるルックス、使いやすさや機能性といった実用面、そうした要素はもちろん軽んじるべきではありませんが、意表を突く面白さも忘れずに大事にしてきたいものですね。
オンラインストアはこちらです→ air tailored jacket/ barrel pants