ポルトガルの気鋭moncao。
当店では毎年秋冬に一型のみとごく限定的な仕入れ方であるにもかかわらず、いつも気がつけば完売している、隠れ人気ブランドです。
その特徴は、あたたかさと冷たさの同居したデザイン感覚、控えめながら美しいパターンワーク、そして抜群の品質の生地。
インパクト勝負というより、着て、使っていくと「うん、うん」と納得が深まるような、なんとも奥ゆかしい服作りを得意とします。
今季当店は、このブランドらしくないようで、実はmoncaoの特色が遺憾なく発揮されている、そんなブルゾンを選びました。
単品で見ただけだと、なんだか野暮ったいジャンパーだなアと思うかも知れません。
何しろ昔からあるゴルフ用ジャケットの型+赤黒のバッファローチェックの組み合わせですから、それも宜なる哉ではあります。
しかし、ドッグイヤー型の襟など、デザインのベースとなった英国の某ブランドの歴史的名品を踏襲しながらも、
服の形状そのものから、さり気なく「男らしさ」的な要素が削り込まれています。
このアレンジはかなり効果的で、さすがミラノの某メゾンブランド出身のデザイナーが手掛けているだけあるなと唸るばかりです。
バッファローチェックも一味違います。
画像では少々わかりづらいのですが、アメリカの狩猟服(もとは森林でハンター同士の誤射を防ぐために考案された柄と云われています)のそれに較べ、赤が暗く、やや青みがかかっています。
また、狩猟服のような頑強なウールナイロンではなく、ウールをベースにアルパカや化繊をブレンドし、軽量でやわらかな生地に仕上げています。
この素材の再解釈が、服の立ち位置にさらなる大きな変化をもたらしました。
袖を通してみると、事前によぎったような「男の定番」「ハンティング」「ヘビーデューティー」といったラギッドな強さを伴う言葉は、たちまち霧散してしまうことでしょう。
きっとこの服の似合う場所は、ゴルフ場でも鹿狩りに臨む森でもなく、都会です。
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