冬枯れの 森の朽葉の 霜の上に 落ちたる月の 影の寒けさ ~ ASEEDONCLOUD/ Forest arctic coat

モグラはわたしの地下室に巣をつくり、ジャガイモを三つに一つの割でかじり、壁塗りの際にのこった毛と鳶色とびいろの紙とでそこに寝ごこちのよさそうな寝床をつくりさえした。
最も野生的な動物だって人間とおなじように居ごこちのよさとあたたかさを愛するものなので、それをうるために十分気をつかうからこそ冬がしのげるのである。

ヘンリー・デイヴィッド・ソーロー『森の生活―ウォールデン』(神吉三郎訳)

いつもより遅い訪れとはいえ、それでも冬の足音がいよいよはっきりと聞こえてきそうなきょうこのごろ、思い出すのは、クマの代わりに、冬のあいだ動物たちのリーダーを務めることになった少女たちのこと。

たとえ動物のことばを話すことができたとしても、しょせんは人間の身です。
凍てつく森のなかで生活を送るとなると、それはそう容易いことではありません。

彼女たちにまず必要なのは安全な寝床と、暖かい外套でしょう。
そしてその外套は、保温性だけでなく森の生活に順応する運動性も求められます。


Forest arctic coatは、トレンチコートを原型にしながらも、長すぎては作業の邪魔になりかねない袖や裾を短くすることで、それを実現した一着です。

英国産の羊毛(ウエルシュマウンテン種、ヒルラドナー種)とニュージーランド産の羊毛をブレンドし、ションヘル機でゆっくりと柔らかく織り上げた生地を使用しています。

このウェルシュマウンテン種の毛は敢えてケンピを採用していますが、ケンピというのは繊維が枯死した、いわば不良羊毛。
染色性に劣り、毛の一本一本が硬く太く、手触りがごわごわしている一方で、耐久性に優れ保温性が高いという特性も備えており、英国のホームスパンツイードなど野趣味溢れる生地に使われたりします。

このケンピの茶色と無染色ウールの暖かい乳白色によって、目が細かく格子柄をつくりだしました。
目にも温かみを感じさせる、とても魅力的な生地です。

丈夫で暖かいというのはまさに冬の森の生活にぴったりで、コートの前立てをしっかりと閉めることでさらなる保温効果が期待できます。

さてコートを見ていきますと、先述の通り、袖は短めに設定されています。

Kigansai knit blouseを重ねてみますと、

およそ8.5分丈といったところでしょうか。

身頃にはものを入れるための大きなパッチポケットと、手を暖めるハンドウォーマーポケットが左右にそれぞれついており、

ハンドウォーマーでなくこのパッチポケットに手を入れたときにも袖口が干渉せず綺麗に収まるよう設計されています。

もちろん動物たちと暮らす冬の森だけでなく、市街地での生活にも馴染んでくれるデザインです。
何といっても着用時がもっとも美しいコートですので、まずは店頭にてお試しを。

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