アテンション・プリーズ ~ beta post/ air pillow flight jacket

MA-1をはじめとして、すでにファッションアイテムの定番として多くの人に愛されているフライトジャケット。

しかし言うまでもなくそのデザインの元来の目的は戦闘や爆撃です。

人類の歴史は戦争の歴史でもあり、戦争が文明や科学技術を進化させているという一面はたしかにあるものの、それを手放しで礼讃するのはそれはそれで無邪気に過ぎる気はします。

況や、ガザを例に出すまでもなく、世界規模で対立が激化し、戦争屋が勢力を増してきている昨今ならば。

而して、このミリタリーウェアに対しbeta postが向き合い、導き出したアウトプットは如何なるものでしょう。


それは、戦闘機や爆撃機のパイロットのためでなく、旅客機の乗客のために設計されたフライトジャケットでした。

Super100’sのウールをベースに、若干補強のためナイロンを入れた、上等なライトメルトンで仕立てられています。

アクリルの軽く暖かいボアの襟、

左袖のユーティリティポケットなどに

どことなく、いわゆるフライトジャケットらしさが見て取れるものの、全体の柔和な印象がキナ臭さを完全に消しています。

袖口はリブではなく、スナップボタンで段階的に調節可能。
中に着こむものの厚さに合わせられるのがうれしいところです。

裏地は鮮やかなオレンジ色の微起毛素材で、着心地、防風性、保温性を高めてくれています。

さて、ここまでだけなら何が「旅客機の乗客のため」なのかそこまでピンとは来ませんよね。

そのヒントは、この付属の謎ポンプにあります。

実は先述のボアの襟には、取り外し可能なエアピローが内蔵されていまして、

このポンプでエアピローを膨らませることによって、襟自体が枕と化し、快適な空の旅をお愉しみいただけます。

ユーモアに満ちたアイディアを単なるネタで終わらせることなく、しっかりとファッションとして成立させ、そのうえで見る人着る人に、戦争とは、ミリタリーウェアとは、との思索を促す、これぞまさにbeta post。

服の持つ可能性にはまだまだ終わりがないと、少し希望が持てるような一着です。

オンラインストアはこちらです


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