ここ数年ですっかり市民権を得たと云われるクラッチバッグ、
恵比寿青山界隈なぞでは紳士淑女が小脇に抱え颯爽と街を闊歩する姿は珍しくありません。
持ち運ぶのは財布、スマホ、タブレット、鍵程度という
スマートなライフスタイルには必要にして十分であるわけです。
翻って仲町台では一度も使用者を見たことがないタイプのバッグでもあります。
先に申し上げればこれは勿論地方都市横浜と大都会東京を比較して嘆いているわけではなく、
土地柄として何がリアルなのか、ということです。
男性にしても女性にしても、クラッチバッグに限らず、
華奢な靴を履いている方やお洒落のためのお洒落をした装いの方はほぼ見かけない町です。
何せ歩いていて気持ちの好いところで、
お子さん連れの方が多いこともあり、必然的にリュックなどを背負って
スニーカーやブーツという実用性重視のスタイルに行き着きます。
事実この近隣在住の当店のお客様、皆さんとても垢抜けています。
知識の面でも、マルジェラなどの話ができる方は少なくありません。
その出で立ちはあくまでここで生活するにあたり便利かどうかに基づいており、
それはとても正しい姿だと思います。
当店にしても町の洋品店を標榜している以上、東京の真似をしても仕方ありませんし、
そもそも店主、”東京”に対して特別な想いを持ち合わせていませんので
トレンドだからと何でも持ち込むつもりもありません。
いつだって基準はこの町です。
とはいえ、徹底的にリアル路線で突き進むのもそれはそれで寂しい気がします。
クラッチバッグ、仲町台らしくはないからこそ、
大々的にでなくとも一寸提案してみるのは面白いかな、と思いました。
そんなわけで今季はTAGEとknitchyから、それぞれウール素材の品をご用意しました。
TAGEのものは今季のコート等(予算の都合上当店では仕入れていません)にも使用している
ウール地に2種類の糸で刺繍を施したシックな生地をカウレザーと組み合わせています。
レディースブランドのTAGEとはいえ、男女問わず使用できる
ニュートラルなデザインが魅力的です。
一方knitchyは、ネップの入ったざっくりとしたリブ編みのニットを使用し、
TAGEよりも素材感が前面に出ています。
裏地としてナイロンオックスフォードを張っていますので、
耐久性が高まって過剰にふにゃふにゃしたりはせず、機能的にも使いやすくなっています。
こちらも男女関係なく使えますね。
仲町台で使うとしたら、やはり食事やお茶に出かける時でしょう。
ほかには結婚式二次会や同窓会のシチュエーションにもよさそうです。
こういうとき、特に男性にはちょうどいい鞄ってなかなかないんですよね。
ともあれいつでも何でも実用実用では心が渇いてしまいます。
たまには身軽に、洒脱な気分でこんなバッグを携えるのもいいのではないでしょうか。
たとえその行き先が地元であっても。
オンラインストアはこちら→
TAGE オフホワイト/ ネイビー
knitchy グレー/ ネイビー/ ブラウン