わが日の本は島國よ 朝日輝ふ海に
連り峙つ島々なれば あらゆる國より舟こそ通へ
されば港の数多かれど 此横濱に優るあらめや
むかし思へば苫屋の烟 ちらりほらりと立てりし處
今は百舟百千舟 泊る處ぞ見よや
果なく榮えて行くらん御代を 飾る寶も入り來る港
市立の小中学校、あるいは高校を出たなら当然だれでも諳んじることができる
いわば横浜市民にとっての国歌、横浜市歌です。
この歌を例に出すまでもなく、横浜が港湾の街であることは周知のとおり。
何ハマっ子面して言ってんだ、仲町台は海から結構遠いし寧ろ山じゃないか、
そういうご批判が出るかもしれませんが、まあそれはそれで。
さて今回ご紹介のドンキーコートは、
横浜ではなく英国の港湾労働者たちに愛された一着となります。
イングランド東部ノーフォーク州の海岸沿いに位置する港町
Great Yarmouth(グレートヤーマス)。
何百年もの間ニシン漁業に依存している漁港で、
北海で油田、ガス田が発見されてからは掘削装置の基地にもなっているようです。
この町で100年以上の歴史を持つワークウェア会社Yarmouth Storesが
1970年代から展開する自社ブランド、それがYarmo(ヤーモ)です。
現地ではいわゆる肉体労働者用の作業着のみならず、
病院、美容関係など多岐にわたって”ワークウェア”を製造しています。
この時代でもなお未だにここグレートヤーマスの自社工場で
大半のアイテムを製造している稀有な企業です。
このコートも然りグレートヤーマス工場製ですが、
勿論その点に価値の重きを置かれるべきではありません。
その服としての本質的な魅力を追っていきましょう。
まず特徴として挙げられるのが、
ボタンでボディに留められた大きなリブ襟です。
この襟は見た目のためのデザインではなく、首までしっかり暖め
凍てつく風に抗います。
丈は短く、コートというよりも寧ろジャケット、ブルゾンに近いかも知れません。
ただし裏にはキルティングが施され、先述の機能も含めて
コートとして高い防寒性能を持っています。
また、特筆すべきはその軽さ、柔らかさです。
おそらくは日本の市街地での使用を想定したアレンジがなされており、
たいへん着やすくなっています。
本気の港湾労働者の作業着を求める方には肩透かしですが、
現代の都市生活に過度の頑強さ、重さ、硬さはそれほど必要ありません。
品質そのものを落としているわけでもなく、これは最適化ととらえていいと思います。
実際形状も印象以上にスリムで、特にアームホールが狭めのつくりです。
がっちりした体型の方よりも細めの方にお勧めします。
なお、ネイビーとダークホリー(Holly=西洋柊、その葉の色を暗くしたような色です)を
ご用意しましたが、ネイビーについては女性サイズのご用意もあります。
そんなドンキーコート、まさに横浜によく合う一着と云えそうです。
ドカジャンとしてでなく、ちょっと武骨な街着として羽織っていただけたらと考えています。
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