ゲームマスター ~ MASTER & Co./ プエブロレザー21mmガチャベルト

春は色の季節。

2月に入ったあたりから昼の光は少しずつ強さを増してきて、風の冷たさに反して心がふわふわと次の段階へと誘われてしまいます。

そんな気分を今からすぐに反映できることといえば小物使いでしょう。
一つの選択肢として、当店初登場のブランドから届いたこんなベルトがお薦めです。

MASTER&co.(マスターアンドコー)は定番と呼ばれるアイテムに今の時代を反映したほんの少しのアレンジを加えたものづくりを得意としています。

もちろんその魅力は普遍性の高いデザインのみならず、輸入業者としての本業を活かし世界から効率的に取り寄せた良質な素材を、日本国内のハイレベルな工場にて生産することで実現した高い品質も言及しないわけにはいきません。

このベルトに用いられている彩り豊かな革にもその精神が発揮されています。

イタリアはフィレンツェにて革づくりを営み世界中の好事家たちを垂涎三尺たらしむる、バダラッシ・カルロ。

バケッタと呼ばれる脂分の強いタンニン鞣しの革を得意とするこのタンナー(鞣し加工業者)の名を知らした名作のひとつが”プエブロ”です。

時間をかけて牛脂をたっぷりと浸透させた革の表面を起毛させており、新品の状態ではすこしざらっとして見えます。

しかし使い込めばこの脂分がその本性を現し、魔性とも呼ぶべき肉感的な艶を湛える…そんな化け具合こそがこの革の真価というわけです。

おそらくホワイトだけはそれほど変化しないかと思いますが、他の色がどんな熟れ方をするのかが楽しみですね。

そんな通好みの革ですが、敢えてポップな色で細身のロングベルトを、しかも若さに満ちたローラーバックルを用いて作ってしまう、この絶妙なバランスに唸らされます。

いわゆる”ガチャベルト”です。
中学生のころ使ってたよという方も多いのではないでしょうか。

120cmとたっぷり長さがとられていますので、余った部分を垂らして使うのもよいでしょう。

なお、ベルトの先には補強の金具とオリジナルのリベットが配されています。

レッド、イエロー、オリーブ、ネイビー、そしてブラックとホワイトの計6色をご用意しました。
男女問わずお使いいただけます。
各1本のみとなっておりますので、気になる方はどうぞお早めに。

オンラインストアはこちらです→ プエブロレザー21mmガチャベルト


インディゴ地平線 ~ h.s. Equipment/ インディゴチェックプルオーバーシャツ

少し前にシャツを紹介したHAVERSACKには、複数の派生ラインが存在します。

その内のひとつがh.s.Equipmentです。

ハバーサックよりさらに同時代性を薄め、19世紀後半から1930年代あたりまでのヨーロッパ古着のものづくりを踏襲しながら独自のデザインで再構築した、趣味性の強い服を提案しています。

男女問わないユニセックス展開なのも特徴のひとつです。

今季はこのブランドからも一種素敵なシャツを選びました。

インディゴ染料を使用したチェック柄が目を惹く中厚手の生地はインナーや羽織りものを工夫することで今の時期含め長く着用可能です。

プルオーバー式で、前立ての重なりから連なるように下半分がプリーツ状に重なっています。
デザイン上の面白さだけでなく、これにより運動性も加味されました。

丸襟はまつり縫いで台襟と留められているユニークな仕様です。

袖の剣ボロも見逃せません。
袖口のみボタン留めとなっていること自体は珍しくありませんが、三角ガセットがここに設けられているのはなかなか見ないデザインです。

これほどまでに語りどころを盛り込みながら可愛さを内包し、すっきりとまとまった印象を見せるのは服作りの実力の高さの現れと言えます。
先日ご紹介のblancのパンツはじめ、他ブランドのアイテムと合わせやすいのも嬉しいですね。

サイズは女性向けの0、小柄な男性向けの1をご用意しました。

春の装いの選択肢の一つとして、どうぞご検討ください。

オンラインストアはこちらです→ インディゴチェックプルオーバーシャツ


王の帰還 ~ blanc/ west-point(wide)

登場以来入荷の度に姿を消し、店主が店頭で穿いているとお客様からそれが欲しいとご要望をいただく、そんなパンツがあります。

それが一昨年のblanc初登場時にもご紹介した、ウェストポイント素材のワイドパンツです。

多くの方の渇望の中、生産背景の事情により一時期供給がストップしていましたが、この度待望の復活と相成りました。

それでは久しぶりに、改めてこのパンツの素晴らしさを見ていきましょう。

まず目を惹くのがこの生地の光沢。
一般的なチノクロスよりも目の細かいウェストポイント、これにアルカリ加工を施して繊維を滑らかに膨潤させることで生まれた艶です。
表面にコーティング等したような処理ではないため、洗濯を繰り返してもそれほどこの質感が損なわれることはありません。

いい服は裏返すとその仕事の丁寧さが判るものですが、このパンツも例外ではなく、ご覧の通りすべての箇所が生地の端が出ないように処理されています。

白眉なのはこの脚のサイドシーム。
通常はロックミシンで処理したり、丁寧なものではパイピングを施したりするところ、袋縫いのような縫い目の出ない始末となっています。

このため、ロールアップしても裏が裏としてそれほど主張せず、自然にすっきりした見た目にまとまります。
デザイナーの気配りの細やかさがひしひしと伝わる部分です。

なお、前回入荷分よりも前立ての重なりが深めに修正され、よりファスナーテープが覗きにくくなりました。
細かい点ですがこうしたアップグレードも見逃せません。

ちなみにこのパンツ、メンズのS~M相当のサイズ感なのですが、なんとレディースのフリーサイズです。
本来はダボッと穿いてロールアップで裾を調整することを想定しています。

それもあってウェストは調節可能な仕様となっています。

とはいえ実際このパンツを買われるお客様のほとんどが男性です。
特に女性に特化したパターンでもありませんので、男女問わず合う方であれば気にせず穿いていただければと思います。

ゴールドがかったベージュに暗いネイビーをご用意しています。
店主は両方愛用していますが、どちらも最高に使いやすく、とても甲乙はつけられません。

未体験の方は是非この名品を一度お試しください。

多めに入荷したはずですが、早々にネイビーは店頭から巣立ちラスト1本になってしまいましたので、比較されたい方はお早めにどうぞ!
(2/3補足:有難いことに入荷当日に完売してしまったため、メーカーに残っていた全在庫を緊急入荷することとなりました)

オンラインストアはこちらです→ ベージュ/ ネイビー


エリーの… ~ EEL/ アトリエシャツ

昨年ご好評いただいたEELのバンドカラーシャツ”アトリエシャツ”が、素材を変えて今季も登場しました。

ホワイト、インディゴのシャンブレー、そして同じくインディゴのマドラスチェックです。


比較的ゆったりしてはいますが基本的には癖のないシルエット、デザイン(アメリカントラッド系ボタンダウンシャツに近いディテールです)ですので、バンドカラー初体験の方にも入門編としてお薦めしやすい品となっています。

ホワイトには肉厚のオックスフォードを採用、型崩れにしくくまた長いシーズン着用することができます。

インディゴシャンブレーもやや厚手のもの。
製品洗いは抑えられており濃色の状態のため、これから着用を繰り返し色褪せていく様がとても楽しみですね。

マドラスチェックもインディゴ染めのため、情緒ある風合いが魅力的です。
生地にはリップル加工が施され、ポコポコした質感となっています。
これには表情の面白さだけでなく、肌に触れる面積が減ることで涼しくなるというメリットもあります。

と、中庸な形だからこそ三者三様な素材の特徴がより引き立っています。

どれも甲乙つけ難く、お好みでお選びいただくしかないようです。
今の時期でもニットなどの下で使えますので、是非在庫のあるうちにご検討ください。

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ インディゴ/ ネイビーマドラス


スタジアムの歓声 夢の中で繰り返す ~ WYATT/ Stadium Crew Neck Long Sleeve

一年で最も寒い時期真っ只中ながら、冬の終わりは着実に近づいてきています。

次の季節の準備を始めるお客様が増えてきていることからもそれを実感できます。

それを見越したかのようにこのところ各ブランドからも続々と新商品が入ってきており、店頭も少しずつ春めいてきました。

本日紹介のWYATT(ワイアット)の裏毛スウェットシャツも、ポップすぎないトーンのマスタードカラーとテラコッタカラーで先立つ気分を盛り立ててくれます。

素材はコットン100%でなく、表面にレーヨンも用いられました。
綿に較べ色が綺麗に出るだけでなく染色堅牢度が高く、また手触りもしなやかになるという特長を備えています。
また、この服はややゆったりした着用感なのですが、この素材の特徴が活きてしなやかなドレープが出るというメリットも見逃せません。

襟はスタジアムジャンパーの要素を取り入れた変形クルーネックです。

脇の縫い目は垂直でなく前に向かって斜めに落ちることで、スリットを前にずらしたデザインとなりました。

また、この縫い目に沿ってハンドポケットが設けられています。

と、シンプルながら捻りの効いた一枚です。

普通のスウェットはもう持っている、けれどあまりにデザインの強すぎるものは抵抗がある、そんな方の春先の相棒として強くお薦め致します。

オンラインストアはこちらです→ マスタード/ テラコッタ


旧品番セールのお報せ

お陰様で無事二周年も迎えられたということで、1/28~2/10にかけて、店頭にて2015年のモデルを中心とした期間限定の旧品番セールを行います。

さすがにすべてのモデルをとはいかないものの、秋冬物から春物を中心としてかなりお買い得なプライス設定となっております。

対象商品は敢えてここでは公開致しませんが、オンラインストアではセール対象外の商品などもございますので、是非この機会に掘り出し物を探しにお越しください。

ご来店お待ちしております!


いよいよ三年目に突入します

いよいよ明日、Euphonicaは開店二周年を迎えます。

一年目以上のスピードでこの日になってしまったような気がします。

常連様はじめご愛顧いただいているすべてのお客様、お取引様、STYLERの皆様、同志の方々、そして当店に関わっていただいたあらゆる方々のお陰で何とか迎えられた二周年です。

心より御礼申し上げます。

この一年も相変わらず各方面から多大なご心配をおかけしっぱなしで、まったく頭が上がりません。

三年目はあいつを信じてよかったなと思っていただけるよう、今まで以上に精進して参ります。

そして引き続き家族にもだいぶ無理を強いてしまい、完全に支えられっぱなしでした。
この場を借りて有難う。

また来年もその先もこの日を迎えられるよう、より店としてクオリティを高め続けて参ります。
皆様、改めまして今後とも宜しくお願い申し上げます。

Euphonica
井本 征志


イベント開催のお報せ ~ delightful toolセミオーダー会

横浜のお隣り大和市にアトリエを構えるdelightful toolさん。

昨年秋にデビューしたばかりなのですが、とてもそうは思えない見事な靴づくりを行う新進気鋭のシューズブランドです。

ディレクションを行う寺田さんとは2ヶ月ほど前に知り合ったばかり、しかし世代だけでなく服や靴に対しての考え方がひじょうに近く、すぐに意気投合しました。

そのスタイルはありそうで他にない絶妙なもので、ドレスシューズの製法や素材使いでありながらクラシックではなく、柔和な表情はさまざまな装いに対応しつつも、正統派のつくりに裏打ちされた精悍さゆえカジュアルに寄りすぎてはいません。
全体として、歩きやすさを重視した丸みのあるシルエットが形状的特徴となります。

履き込んだ姿がまた美しく、鑑賞のための工芸品でなくあくまで道具として使われることを想定した靴であることが窺えます。

ラグジュアリーではない上質、日常生活にすっと馴染む気軽さをモットーとする当店とかなり近いスタンスと言えるでしょう。

さて、このブランドでは既成のモデルもありますが、基本的にはアトリエショップにて寺田さんが足を計測し、セミオーダーにて受注生産を行っています。
しかし大和市は必ずしも当店のお客様の行動範囲には入らない、ちょっと距離のある場所なのが難点。

そこで来たる下記2日間、当店にて寺田さんをお招きして受注会を行います。

2/11(土)~2/12(日) 12:00~20:00

気になる価格ですが、基本は3パターン。
このレベルでのセミオーダーとしては決して割高ではありません。

・既製品(黒のプレーントウのみ) 税込¥59,400
・パターンオーダー(マッケイ製法) 税込¥70,200
・パターンオーダー(9分仕立て) 税込¥97,200

パターンオーダーのベースとなるデザインは
・プレーントウ

・ウィングチップ

・ストレートチップ/ パンチドキャップトウ

・チャッカブーツ

で、価格はすべて同じです。

アッパーの革やソールなども豊富なオプションからなんと無料で選ぶことができます。

なお、チャッカブーツ以外は¥5.400(税込)を追加することでブーツにも変更可能となっています。

その他のオプションなど詳細はこちらをご参照ください。
→ delightful toolのオーダーシューズ

また、当日は試し歩き用のサンプルを各サイズご用意いただけるとのことで、店頭で計測した上でこれを履いてせきれいのみちなど近隣を歩き、気になる部分を確認して修正を行うことでより高いフィット感を実現することができます。

靴のオーダーというと小難しい玄人の世界のようですが、寺田さんはとても温和な方ですので、初めての方でも靴の知識のない方でもお気軽にチャレンジしていただけます。

それにしても書いているそばからワクワクが止まりません。

当日は勿論Euphonicaとして通常営業を行っておりますので、是非とも春物冬物を探しがてら革靴の奥深い世界をお楽しみいただければ幸いです。

保存

保存

保存

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ダンシング・セブンティーン ~ EEL/ 陶器釦のシャツ17′

定番品番の比較的多いEELの中でも、シャツと言えばまず真っ先に思い浮かぶのは陶器釦を用いたものではないでしょうか。

手練りの半磁器製のボタンはその不揃いさゆえに温もりを感じさせ、プラスティックには決して出せない奥行きのある艶めきを湛えています。

そんなボタンをあしらいながらもそれだけに依存しない絶妙なバランスのデザインが施されたそのシャツは、何年にも亘り愛されてきました。
サクラコートのように不変のモデルとして作り続けても何の不思議もありません。

しかし進化を続けるEELは敢えてこの定番モデルに手を付け、”陶器釦のシャツ17′”として生まれ変わらせました。

最大の変化は生地とボタンの色合わせ。
従来のモデルは陶器釦をより引き立たせるため、白地などに蒼いボタンをを配したものでした。

ところが今回は奥ゆかしくも生地と同色のボタンを使い、ぐっと主張が抑えられています。

ここまで控えめにするならばプラボタンでも変わらないのでは、というのは大間違いです。
その質感、光沢は殊更アピールせずともふとした間にどっしりとした存在感を放ちます。

シャツ自体のデザインにも大幅な変更が施され…、というよりまったく違うものへと新生しました。

一見するとプルオーバーシャツのようですが、前立ての下半分は比翼仕立てになっています。
比翼の下は陶器でなく本体と共生地のくるみボタンです。

袖口は従来と同様くるみと陶器を両方使っています。

また、比較的小ぶりであった前モデルより横に広いサイズ感となりました。
今様のオーバーサイズとまではいかずとも、ややゆったりとした着用感です。
肩が入らず陶器釦を諦めていたお客様には嬉しい変更ではないでしょうか。

白と紺のオックスフォードをそれぞれXS~Lまで全サイズ取り揃えました。

大寒真っ盛りでシャツ一枚ではとても表には出られませんが、なんの暖かいニットや外套を羽織れば今すぐ楽しめるものです。
春が訪れたころには歯の折れた櫛の如くサイズ欠けが発生していることも大いに考えられます。

在庫が潤沢な今のうちに、是非ご検討ください。

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ ネイビー