夏の夜の夢 ~ Olde H & Daughter/ SUVIN PLAIN STITCH CREW NECK SHORT SLEEVE

ItheのTシャツを日常使いのファイナルアンサーとするならば、Olde H&Daughter(OH&D)のそれは、概念としての到達点と称してよいかも知れません。

これ以上は不要と言えるほど極限まで高められたクオリティは、10000円を超える価格設定であるにも拘わらず、熱狂的な中毒者を増やし続けています。

先日入荷した長袖に引き続き、これからの季節にうれしい半袖が補充されました。

定番のオフホワイトにくわえ、

新色のインクブラックが登場、あたたかな色調の多いこのブランドに新しい風を吹かせています。

繊維の毛羽立ちが出にくいよう撚られた糸を用いて編み立てられた生地は、着用を重ねてもしっとりとした肌触りや上品な光沢はそのまま。
デリケートなようで、意外とタフな素材です。

この本体と同じ生地を用いたバインダーネックは、すっきりとした風合いと伸びづらさを実現しています。
脱着時に求められる伸縮性は、縫製の糸をストレッチ性のあるものにすることでクリアしました。

一般的なTシャツと異なり、生地の真ん中に穴を開け、真ん中で折った構造です。

ゆえに肩幅と身幅がほぼ等しく、

肩に縫い目が存在しません。

このつるりとした肩の構造は、そのまま着心地にもつながります。

肌着としての着用も想定されているため、背面がやや長く設計され、腰やお尻の冷えを防ぎます。
年齢を重ねていくと、こうした工夫が有難くなってくるものです…(店主の実感として)。

値札は襟裏のタグに縫い留められていますので、着用前に糸を切って外してください。

早いものでもう5月も終わり間近、夏の気配が色濃くなるのも時間の問題でしょう。

上質なTシャツは何枚あっても重宝するものです、是非この夏の御伴としてご検討を。

オンラインストアはこちらです→ オフホワイト/ インクブラック


物理学的には今の私 三角関係の一点なの ~ Jens COMPOSITION/ ドレープジャージープルオーバー

たとえばItheやOlde H&DaughterのTシャツは男性のみならず女性もご購入されることが珍しくありませんが、それはそれで、当店ではちゃんと女性用のカットソーも仕入れています。

先日ご紹介したSONの洗練にも唸らされましたが、Jens COMPOSITIONならではの透徹な鋭さは、「Tシャツ」とひとことで片づけてしまってよいのかどうか憚られてしまうほどです。

きりりとしたマリンブルーに

澄んだ蘭色(オーキッド)、

透き通るような曇り空の色(クラウディ)と、

どれも息を飲むほどの美しさ。

綿をベースに複数素材をブレンドしたジャージー素材だからこそ、この発色とドレープの陰影が生まれます。

襟、アームホールは縫い目を出さず、袖口と裾を天地引きで縫うことでステッチの存在感を抑え込んでいます。

こうした縫製の選び方ひとつで服の表情ががらりと変わるという、好例ですね。

無地ながら存在感のあるプルオーバーですので、お手持ちの服とあわせて単品でさらりとお召しいただければ、それだけで完成します。

悩ましい点があるとすれば、どの色も素敵ですのでなかなか選びきれないというところでしょうか…

発色の素晴らしさやこのモッチリとした肉感などはなかなか画像ではお伝えしきれません。
可能であれば是非一度、実物をご覧ください。

オンラインストアはこちらです→ マリン/ オーキッド/ クラウディ


夢色の小さなスプーン ~ tilt The authentics/ Round Pocket Open Collar Linen Shirt

ぽかぽか陽気に促され、店内の商品を一部入れ替えました。
バックヤードで出番を待っていた半袖シャツが、ぞろぞろと表に出てきています。

実はかなり前に(まだ中綿入りの防寒着が欠かせない時期でした)入荷していたこのシャツも、ついに日の目を見ることができました。



さらさらとした肌触りにふんわりとした質感を備えた、リネンポプリンで仕立てられています。

反物の状態で洗い、タンブラー乾燥を施すことで、生地自体をほぐし、新品のリネン特有のパリっとした硬さを除き、さらに柔らかさを加えました。

製品洗いではないため、この風合いにしてシャツ自体の形が崩れていないというのも見逃せません。

たとえば、ステッチのあたりがポコポコしていないのがお判りになりますでしょうか。

シャツそのものに目を向けますと、横幅にゆとりをもたせたリラックスしたサイズ感で、寸胴のボキシーシルエットです。

しかし胸ポケットに円みをもたせ、さらにちょっとだけ傾けたり、

裾を流れるようなラインにすることで、

服全体の角を削ぎ落とし、多くの開襟シャツの特徴でもあるスクエアな印象を抑えています。

この細やかな匙加減こそが、tilt The authenticsならでは。

素晴らしい生地使いや緻密な縫製、立体的なパターンなど、このブランドの強みはいくつもありますが、敢えてひとつだけ特徴を挙げるとするならば、この匙加減でしょう。

なぜシーズンを重ねるごとにtiltの服の人気が高まり、そしてリピーターが増え続けているのか、その理由がよく解るシャツです。

オンラインストアはこちらです→ グレー/ ブラック


一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで ~ TRIOP/ SLIPPER ZENI

夏が近づくにつれ、先日ご紹介したBRUSCHETTA SHOESなど、サンダルをご覧になる方が増えてきています。

当店でサンダルといえばチェコのTRIOPを忘れるわけにはいきません、当然今年も入荷致しました。

昨年大好評を博したZENIの再登場です。



こんな不思議な形でちゃんと足を固定してくれるのかしらと見る人を不安にさせるアッパーデザイン。

しかし足を通せば、その抜群の足入れ感覚、歩きやすさに息を飲みます。

足馴染のよいやわらかなシンセティックスウェードの鼻緒が親指から足首にかけて寄り添うようにフィットし、ベルクロでしっかりと固定。

足裏に直接触れる面は、黒のみシンセティックスウェード、

その他の色は本革のスウェードを使用しています。

前者はさらさらした触感が心地好く、後者はしっかりとした摩擦によってフィット感を増します。
この特性の違いは甲乙つけ難く、お好み次第です。

もともとクライミングシューズで有名なブランドゆえ、自社開発のソールの品質は高く(ソールの品質が文字通り生命に直結しますからね)、しっかりしたグリップ性能、そして高い耐摩耗性を備えています。

なお、今季入荷分は前回ロットから仕様が若干変わっておりまして、ムスク(グレイッシュブラウン)は色目が明るくなり、そしてステッチがライトグレーからライトブルーへと変更され、

そしてジェリーフィッシュ(ライトブルー)は、はっきりとした強い色調となりました。

当店に関しましては、昨年入荷分はどちらも完売していましたので、個体による違いはございません。
今季の在庫はすべて上記の配色となります。

閑話休題、店主も昨年から愛用していますが、もともと履きやすいモデルの多いTRIOPのなかでも、屈指の快適さを誇るモデルです。
ちょっと変わったサンダルが欲しい、でも歩きやすさは犠牲にしたくない、そんな方は是非一度ご検討ください。

オンラインストアはこちらです→ ムスク/ タバコ/ ジェリーフィッシュ/ ブラック


きっと銀の針のような雨が この街に夏をつれてくるように ~ K.ITO/ 超長綿度詰め天竺ポロシャツ

公的な認定はともかくとして実質的に横浜には梅雨が到来したようで、この少しひんやりとした日々がダラダラと続くのか、それともいつもより早い夏の訪れを意味しているのか、それはまだ知る由もありませんが、いずれにせよもうそんな時期なんですね。

そろそろ衣替えのタイミングでもあってか、実際の気温を別にして、半袖の服をお探しの方はだいぶ多くなってきています。

とくにここ最近、店頭で活発な動きを見せているのが、このポロシャツです。





ポロシャツの素材として一般的な鹿の子ではなく、超長綿の糸を高密度に編み立てた天竺を採用しています。

通常、こうしたなめらかな素材をポロシャツに使用すると、コシが足りず体のラインが強調され、ともすればやや貧相になりかねません。
が、密度と厚みによってもっちりとした豊かな肉感の生地にすることでその欠点を消し去り、艶やかな光沢と滑るような肌触り、そして高い耐久性を実現しました。

前立ては比翼仕立てで、すっきりとした印象。

ボタンは3段配置されていますので、開け具合はお好みで。

裾はリブではなく敢えて共生地とすることで、生地や服全体のもつクリーンな表情をそのまま残しています。

着たときの、ふんわりとした円みもこのポロシャツの特徴。
この独特のシルエットにK.ITOらしさを感じる方もいらっしゃるかも知れませんね。

それにしても、見れば見るほど細部まで考え込まれたシャツです。
「シンプル」がすなわち「普通」「ありきたり」「デザインされていない」を意味しているのではないということを、改めて教えてくれます。

このブランド全体に言えることですが、厳しい目を持つ服好きの方からの評価がきわめて高く、ご紹介を前にサイズ3は完売。
在庫を多めに仕入れたサイズ2が、辛うじて残っている状態です。

梅雨冷えに油断せず、どうぞ今のうちに一度お試しください。

オンランストアはこちらです→ ネイビー/ カーキ/ ブラック/ ホワイト


ボクはここにいる 君のポケットに ~ HAVERSACK/ コットンリネンウェザークロスシャツ

あまりにグダグダな我が国の疫病対策に天の神も呆れ果てたのか、自然の力で人の動きを抑制せんとするかの如く、あまりにも急で、そして早すぎる梅雨の気配におののきます。

空が重く、暗く、そしてじめっとしていて、初夏の陽気はいったいどこへ行ってしまったのやら。
肌寒いとまではいかずとも、お昼でも気温は落ち着いていて、清涼な服の登板はしばらくお預けになりそうです。

こんな曖昧な季節には、曖昧な服こそが便利ではないでしょうか。



HAVERSACKのこのシャツは、シャツにして羽織ものでもある、あやふやな立ち位置が逆に強みとなる一枚です。

素材は、コットンとリネンを用いて高密度に織られたウェザークロス。

乾いた肌触りのうえ、水を通しづらいという特性をもち、この靉靆とした季節に最適です。

前立て、袖口と、ボタンはすべてスナップ式を採用しています。

両胸に設けられたポケットは、通常のパッチポケットと異なり上部が塞がっており

左胸は右側、右胸は左側に開口しているナポレオン式となっています。

左ポケットは右手で、左ポケットは左手で出し入れしやすく、軍物やアウトドアウェアで多用される機能的な形状です。

前述の通りシャツとしても羽織ものとしても使えるデザインですから、気候や気分に応じて、さまざまな使い方を愉しめます。

ワードローブを前にして困ったときはこれ、とついつい手が伸びてしまいそうですね。

オンラインストアはこちらです→ ブラック/ ネイビー


ひと夏のスキャンダル ~ comm. arch./ Cotton Gauze Trousers

最低気温は日に日に上昇し、いよいよ涼しいパンツが本領を発揮する季節となりました。

今季もいろいろと手を変え品を変え提案していきますが、そのなかでも見逃せないひとつが、comm. arch.のガーゼ素材パンツです。




コムアーチ?ガーゼ?

ニットブランドとしてのコムアーチの印象の強い方は、少し不思議に思われるかもしれませんね。

たしかにもともとニット専業ブランドとして発足したコムアーチですが、実はここ数年布帛のアイテムも強化しています。
当店はもともと布帛の商品が多く、逆にニットが手薄だったため、予算をニットに全振りしていただけでして。

このパンツに用いられている生地は、関西の工業地帯のなか独りで旧織機を用いた生地の研究・開発を行っている職人さん(コムアーチのデザイナーである高橋さんの言葉を借りれば”アーティスト”)によるもの。

乾いた質感を備えたインド綿のコーマ糸(綿花を紡ぐ最終工程で短い未熟部分などを約15%〜20%取り除き、長い繊維だけを平行に揃えることで強度を高め、毛羽立ちを減らしやわらかい質感を出した糸です)を用いて、表面を綾織のツイル組織、裏面を平織のガーゼ組織に織り上げています。

織り上げたのちに特殊な洗い加工を施し、その後精錬と染色を繰り返すことで、この奥行きのある深いシボを創り出しました。

パンツ自体はややゆったりとした、癖の少ないシルエットで、生地自体の涼しさにくわえ、ほどよいゆとりが快適な風通しを生みます。

腰の背面側にはゴムが仕込まれ、穿き心地はのびやかのんびりとした、お気楽な具合です。
さらに、両脇に調整用のアジャスタが設けられた親切設計となっています。

ご紹介を前に店頭で動きを見せているため、すでに色によってはサイズ欠けも発生してしまいました。

梅雨が近づき、これからますます蒸し暑い日が増えていきます。
清涼なパンツをお探しの方は、どうぞお早めに。

オンラインストアはこちらです→ スキンズ(ベージュ)/ ディープフォレスト(モスグリーン)/ ブラックアウト


一番身近な 僕の best friend ~ K.ITO/ ミニ裏毛スウェットベスト

5月になって、だんだんと半袖やショートパンツ、サンダルなどを紹介することも増えてきました。

しかし、まだまだ油断すると肌寒くなったりする時期ですから、たまの陽気に流されて気分を真夏に切り替えてしまうのは時期尚早でしょう。

たとえばTシャツ一枚で過ごすにはまだ早く、やっぱりもう一枚何か重ねたいところ。
上着を重ねるにしても、脱いだ時の体裁はもう少し春~初夏でありたいものです。

となると重宝するのが、ベスト。
おなかと背中の冷えを防ぎながら、軽快な調子を出してくれます。

たとえばK.ITOから届いたこの一枚であったり。


以前ご紹介したカーディガンと同じく薄手のミニ裏毛スウェットで仕立てられ、適度な剛性と厚みを備えたベストです。

どこか和服を彷彿させる(これに限らずK.ITOの服は、和風趣味ではないのに着物を想起するものが多いですね)Vネックの重なり、

円くカーブを描いた裾など、

虚飾を排しながらも一匙気の利いたデザインを加え、絶妙なバランスに仕上げています。

見出し画像の如く、たとえばItheのTシャツといった、クリーンなカットソーとの相性は抜群。
清潔で、けれど過剰な緊張感も嫌味もない、くだけた雰囲気が生まれます。

それほど厚みもないため、暑がりな方でなければ真夏でも着用が可能で、ほどよい冷房除けとしても活躍してくれそうですよ。

オンラインストアはこちらです


メン・イン・ブラック ~ Ithe/ No.28-HTO

先日入荷した長袖バージョンもご好評いただいておりますItheの定番TシャツNo.28-HTO。

少し遅れて、基本形である半袖が到着しました。

パックのデザインがリニューアルした以外に変更点はありませんが、

ここにくわえて、新色であり今季限定色のブラックが登場。

ホワイト同様に、ワンピースにも用いられる高密度の生地を採用しています。
ここまで深い黒だと、素材の艶が引き立ちますね。

これと共生地を用いたバインダーネックに

1980年代のヘインズをサンプリングした、袖と裾の縫製、

脇腹にチクチクと当たらないよう低い位置につけられた洗濯表示タグ、

どれも仕様の変更は一切していないのにも拘わらず、全体を見れば色ひとつでがらりと印象が異なるのだから、面白いものですね。

リピーター様の多いモデルです、すでにこのブラックのサイズ3はメーカーストックも完売しているようで、現状当店のみの取扱いとなっています。
そんな当店でも、ホワイト、ブラック、長袖と、次々と巣立っておりまして、在庫は積んだもののサイズ欠けは時間の問題かもしれません。

当店とItheの共同企画につき手前味噌にはなりますが、日常使いのTシャツのファイナルアンサーと言いきれる出来栄えです。
是非一度体感してみてください。

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ ブラック