コートにまつわる特別寄稿 ~ Pt.3 吉﨑結一氏(Itheデザイナー)

来たる外套フェアに向け、当店でお世話になっているブランドの方々に、それぞれの視点、感覚での、コートにまつわるミニコラム的な文章を書いていただく短期連載企画。

第三回は、前回の広報の松尾さんに続き、Itheのデザイナーである吉﨑さん。

デザイナーとしては正直珍しいタイプで、なかなか弁の立つ人物です。

服を創る人が、コートのどこを見ているのか、何を大事に考えているのか。
その片鱗を窺い知ることのできる、興味深い文章ですね。

『10cmと上質』

コートの着丈は一般的にメンズだと100cm位だろうか。
衣服の中では最長の部類になる。

使用量が多いということは自ずと生地に目がいくことになるだろう。
上質な生地の物を選ぶということはコートにこそ生きてくる。

なぜ上質な生地が良いのかと考えると「冬の装いを簡単にする」ことが出来るからだ。
ある程度の年齢になると程よい品や清潔感が必要だと感じる。
しかし日常に品だけを求めるのも疲れるので、リラックスしながらも品が保てることが大切だ。
リラックスできるゆとりのあるサイズ感でも、素材を上質な物を選ぶことで凛とした品や雰囲気は保てる。

着こなしにしてもインナーはざっくりとしたニット、ラフなスウェットパーカーや機能性重視のインナーなんかでもコートを上質な生地の物でおさえればまとまるし、結果としてコーディネートが安易になる。
上質な生地のコートを取り入れることは冬の日常を楽にし、そして品良く端正にまとめるコツなんじゃないかと。

ちなみに個人的には通常より長めの着丈110cm位のコートが一番セクシーだなと感じる。
歩くとふくらはぎに軽くあたり舞う裾が優雅だ。
その10cmの違いにこそ生地の質が一番出やすいのではないかなと思う。

Ithe 吉﨑 結一


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