寒さはいよいよピークを迎えつつあり(先日の雪も思ったより降りましたね)、忌々しいコロナも第6波襲来と、まだなかなか春気分とはなりませんが、春物の新型はじめ入荷はまた再開してきていますので、また少しずつ新作を紹介してきたいと思います。
ここ数年、春らしい気温、秋らしい気温の時期が妙に短く、1年がだいたい暑いか寒いかで分かれてしまう(ように感じる)傾向があるため、スプリングコートはじめ比較的軽快な外套は「着る時期が短すぎる」とやや敬遠されるようになりました。
が、それはちょっとした誤解と言えまして、中綿などのミッドレイヤーが発達した現在に於いては、中に仕込むもの次第でかなり着用期間が長くなります。
このItheのトレンチコートも同様で、秋から真冬、春と、年間の約半分を通して楽しめる一枚です。
今回は1960年代に米軍で用いられていたコートをトレース。
当然のことながら基本構造はトレンチらしいものでありながらも、エポレットやガンフラップなどの構造を複雑化するディテールがばっさりと省かれているのが、実にアメリカらしく合理主義的です。
簡素といえば簡素なのですが、戦場でなく平時の市街地で着用するならば、むしろこのくらいすっきりしていたほうが使いやすいもので、また、マッチョさが抑えられていますから着る人も選びません。
素材はしっとりとした綿の生地で、なめらかな肌触りと上品な光沢に唸らされます。
ちなみに、キュプラの総裏が張られていますので、軽やかな見た目に対して防風性能はそれなりに備えています。
また、着てみると判るポイントとして、肩のラインは元ネタよりコンパクトでなだらかなものに変更され、いかつさが消されました。
コートについては一家言あるデザイナーの吉﨑氏ならではの細やかな仕事が堪能できる、完成度の高い一着です。
店頭やオンラインストアでのお客様からの反応は好く、もう在庫も僅かとなりました。
気になる方は、お早めにどうぞ。
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