郵便配達は二度ベルを鳴らす ~ KIMURA/ hook front shirt & White Lane Down shirt

全国の熱きKIMURAファンの皆様、たいへん長らくお待たせ致しました。

ここ数ヶ月のあいだ、何名ものお客様に幾度となく店頭まで「KIMURAの新作、そろそろですかね?」とお越しいただき、そのたびに冷や汗を垂れ流しながら「もうしばしお待ちを…!」とお答えしていたのですが、それほど待ち望まれた新型が、ようやく届いています。

二型ともに、ベルギー産ブラックリネン(品種ではなく、諸条件によって黒味がかった色調をもつリネンをこう称します)と滑らかなギザコットンを混紡した糸で織った、やや肉厚の綾織生地で仕立てられています。

リネンらしい素朴な表情に、しっとりとした光沢となめらかな肌触りが加わったその贅沢な味わい。心躍ります。
なお、数年にわたりKIMURAデザイナーの木村さんの自宅に眠り続けていた、いわばキムラデッドストックにつき、必然的に製作可能枚数が限られる稀少な生地でもあります。

さて、肝心のシャツを見ていきましょう。

まずはこちら、hook front shirt。

旧いフランスのワークパンツなどでは、前開きの一部に金属製のフックを用いていました。
このシャツではそのフックをシャツに取り入れています。

第一ボタンと第二ボタンのあいだに、ほら。

リネン混の生地、艶を抑えたナットボタンとともに、この金具も使い込んでいけばどんどん顔つきが渋く変化してくことでしょう。

特徴はこのフックのみに非ず、よく見ていくと身頃部分の両脇に接ぎ目がありません。

一枚が繋がっているのに、さも普通の構造のシャツの如く裾はカーブし、そして三角ガセットまで設けられています。
この外連味こそKIMURAですね。

もう一型もユニークです。

一見するとボタンダウン…と思わせて、近づいてみればどうも様子がおかしい。
そして何か見覚えがあります。

そう、封筒の留め具(玉紐)です。

この留め具を本革と真鍮を用いて再現し、ボタンダウンのボタンの代わりに採用しました。
ちなみに、このシャツの名称はWhite Lane Down shirt。
White Laneというのはここで使われている紐に使われているリネン50%ラミー50%の糸を指します。
留め具でなく糸にフォーカスするその視点もまたKIMURAらしさと言えます。

こちらのモデルも胴は一枚繋がりですが、ガセットはhook front shirtのそれと異なりだいぶ控えめで、しっかりと補強の役割を果たしながらも、極力表から見えないよう隠されています。

かくの如く似て非なる両モデル、ともに目の肥えた往年のKIMURAフリークも唸らせるに違いない傑作です。

オンラインストアはこちらです→ hook front shirt/ White Lane Down shirt


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