Body feels EXIT ~ Ithe/ No.42-57-RL & 07-34-3WP

1990年代はトレンドセッターの年齢が下がり、大人や大学生に代わって高校生が文化の中心にシフトした時代でした。

もちろんメディアの力は無視できないほど強く(いまよりずっと!)、その影響も多大ではあったものの、街や学校といったフィジカルな場所に根差した若者発のカルチャーがブクブクと泡立つように次々と生まれたものです。

バブルの崩壊も一因あったかも知れません、大人が反発すべき強者たる存在から、蔑むべき存在になったのもこのころ。

オヤジ狩り、なんてのがありましたね。
無辜の被害者も少なくなく、実に野蛮な流行ではあったものの、一方でセンター街で女子高生に声をかけては「5万でどう?」と生臭い顔つきで援助交際の交渉に励むおじさんとかを見かけると、宜なるかなといった気持ちになったのも確かです。

大人の権威がそうして弱まっていったのがどこまで関係あるのかは専門家のご意見を伺いたいところですが、不良に限らず学校の制服はすべからく着崩すべきものになっていきました。
短ランにボンタンといったオールドスクールな改造服・特注服ではなく、学校指定品をそのまま使いながら、アイテムを足したり着方で見せ方を変えていくやり方です。

店主自身の高校時代で周りを思い返してみると、無印良品のヘアターバン、バーバリーやフェンディのマフラー、G-SHOCKやアヴォセットのVERTECH、ポケベル、ルーズソックス…
そして何といってもラルフ・ローレンのシャツやカーディガンでした(早い子は当時から取り入れていましたが、紺ハイソが大々的に流行ったのはもう少しだけ後の世代です)。

アメリカントラッドともヒップホップとも異なる文脈でのラルフ・ローレン。
そうして当時の若者に愛されたカーディガンをサンプリングし、大幅なアレンジを加えまるっきり別物にしたジャケットがこちらです。


同じサンプリング元を使用し2020年に発表されたNo.42-RLからさらに大胆に手が加えられています。

今回もニットでなく布帛に置き換えられていますが、その生地は薄手のウール。

繊細でなめらかなSuper120’sの羊毛に形態安定性に優れたポリエステル素材ソロテックスを混合した生地で、上品なルックスと肌触りのよさはもちろん、皴になりにくく回復力にも優れているという実用性も備えています。

ボタンはスナップに、それも表から見えない仕様となりました。

両脇のポケットは廃され、代わりとして縦型のシームポケットに。
ミニマルな印象をもたせながらしっかりと機能性は確保されています。

袖口と裾のリブも無くなり、服全体がクリーンで鋭角的な印象にまとめられました。

もはやサンプリング元の面影はほぼ残っていませんが、それもまた面白いところですね。

ところで、このカーディガンジャケットと同素材のパンツもご用意しております。


初期Itheの代表格のひとつでしたので、以前からのファンにはお馴染みの型かも知れません。
フランスのワークパンツをサンプリングしたものです。

とはいえこちらもアレンジが加えられていまして、腰にはドローコード、そして一部にゴムが仕込まれた、隠れイージーパンツとなっています。

ヒップポケットのファスナーはサンプリング元の武骨さを排除し、軽くスポーティーなタイプへ変更されました。

どちらも単体でも使いやすく、もちろんセットアップで合わせるのもよいでしょう。

故きを温ね新しきを知る、懐古主義とはまた一味違う過去の愉しみ方がここにあります。

オンラインストアはこちらです→ No.42-57-RL/ No.07-34-3WP


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