小中学生の時分を思い返してみると、子供だからずっと遊んでよしなんてことはなく、学校に行ったり、帰ってからも宿題などやるべきことはやらねばなりませんでしたよね。
それは時計技師のおじいさんも同じこと。
日々の仕事をちゃんとして、そのうえで遊びに出かけるわけです。
緻密な屋内での仕事に、体をめいっぱい使った屋外での遊び。
当然着る服に求められる要素も異なります、しかしいちいち着替えるというのも面倒…きっとおじいさんはそう考えて、作業場から着たまま遊びに行けるパンツを穿いていたのでした。
クラシカルな2プリーツのテーパードパンツにペインターパンツのディテールを足したデザインですが、ただ足しただけでなく、ちゃんとおじいさんに合わせてカスタムされています。
一般的にペインターパンツは立って作業するときに穿きますから、仕事中邪魔にならぬよう、太腿のやや背面側にハンマーループと段状の小ポケットが設けられています。
が、座って作業することの多いおじいさんにとって、その位置は寧ろ邪魔です。
そのため、パンツのサイドシームそのものを真横から前方にずらし、
ハンマーループとポケットもそれに合わせてスライドさせ、真横に配置しています。
構造もさることながら、生地もユニークです。
野外でのわんぱくな遊び方に耐えるべく、引き裂き強度の高いリップストップ素材を採用。
これだけなら何も不思議はないのですが、おじいさんの遊び心がそれだけで充たされるはずがなく、緑色の生地の上に迷彩柄を顔料プリントし、さらにそのうえにベタッとカーキ色の顔料を重ねました。
染料でなく顔料ですから、穿きこみ、洗うことでだんだんとプリントが剥がれていきます。
遊んでいてどこかに擦ってしまった痕なども含め、年月を重ねるほどに思い出と一緒に服自体が変化しますから、愛着も増す一方でしょう。
亡くなったおばあさんとの大切な日々を胸に、おじいさんはこうして未来へと進んでいきます。
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