エターナル・チャンピオン ~ blanc/ west-pont(wide)

昔からのお客様であれば、すでに持っているか、そうでなくともその存在をどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

2015年…まだ当店がオープンして間もないころから数年にわたってパンツの絶対王者として君臨し続けた名品中の名品、blancのwest-point(wide)。

“ブランパンツ”の愛称で多くの方々から親しまれ、一時期は常連様の制服のようになっていたほどでしたが、作りがなかなか厄介なため生産できる工場が限られ、数度の休止・工場変更を経て、2019年を最後に生産中止となっていました。

あまりの人気の高さゆえ、生産休止のたびに当店にクレームが入るほど。
その声はもちろんblancデザイナー両氏にも届いていたものの、このご時世、スケジュールの空いている腕のいい工場なんてなかなか見つからないものですから、そう簡単には応えられません。

そうして幾星霜、ついに解決策が見出されました。
デザイナー両氏による、アトリエ生産です。


生地から構造まで、基本的には従来通りではありますが、4年近くご無沙汰となるとはじめましての方も少なくないでしょうから、いったい如何なるものなのか、あらためて説明していきます。

まず、品名の由来となった生地について。

一般的なチノクロスよりも目の細かいウェストポイント、これにアルカリ加工を施して繊維を滑らかに膨潤させることでこの艶が生まれています。
表面にコーティングをしているわけではないんですね。

また生地の目が詰まっていることから、洗濯を繰り返してもパッカリングが強調されず、質感は柔らかくなっても外見上はいかにも着古したようになりづらいのも特徴です。

店主が4~5年ほど穿きこんだもの(左)と新品(右)を並べてみると、その経年変化の緩やかさがお判りになるかと思います。

この素晴らしい生地を活かすべく、余計な意匠を足さず、またステッチを極力表に出さず、ごくミニマムなデザインにまとめられています。

昨今のトレンドとしてはプリーツの入ったパンツが主流ですが、それはそれとしてノープリーツだって決して悪くないものです。

もともとフリーサイズのパンツだったのもあって、腰のアジャスタでサイズ感を軽く調整することができます。

裏面を見てもとても綺麗です。

一切の手抜かりがありません。

そしてこのパンツの大きな特徴がサイドシームの裏面。
通常は生地の端をロックミシンで処理したり、丁寧なものではパイピングを施したりするところ、袋縫いとなっています。

ゆえにロールアップしても裏が裏として強く主張せず、ダブルの仕上げの如く自然に落ち着きます。

こうした細やかなデザインワークがこのパンツを名品たらしめているわけです。

と、ここまではおさらい。

実は今回の復活にあたり、大きな変更点があります。

先述したように最初はフリーサイズ展開、その後ひとつ上のサイズと、女性向けのアレンジ版が出ましたが、これらが統合され、さらに上と下のサイズも加わって5サイズ展開となりました。

サイズ表記は00と0が女性向け、1がユニセックス対応で、2と3が男性用として想定されています。

00はレディースのXS~S (身長148cmの女性で裾ひと折サイズ程度)、0がM~L (以前、womenʼs wide freeサイズとして展開していたものと同じです)に相当します。
また、これより上のサイズに較べ、腰から腿にかけてやや円みのあるシルエットを描きます。

オリジナルのサイズ感が1です。2サイズ展開時代に0と表記されていたのがこの1で、メンズのSくらいのイメージですね。
1~3はテーパードが弱いワイド気味の形状です。
登場当時と違ってビッグシルエットに慣れたいまの目で見ると、名前ほどにはワイドには感じないかも知れません。

2がメンズのM (以前、unisexの1として展開)、そして3がLに当たります。

過去、穿きたいけども穿けない、というお声をいただくことが多かったため、今回のサイズ拡張はまさに朗報です。

さてこうして見事復活を遂げたブランパンツ、アトリエ生産に変わったことで継続展開は実現したものの、量産はしづらくなってしまいました。
今回は当店も気合を入れてかなり大量に仕入れましたが、欠品してしまったらすぐ在庫を引けるような状態ではなさそうです。

いままで首を長くしてお待ちいただいていた方々も、拙ブログをきっかけに興味をお持ちいただいた方も、どうぞご決断はお早めに。

オンラインストアはこちらです


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