戻れないと知ってても 繋がっていたくて ~ CURLY/ ADVANCE WIDE TROUSERS

CURLYのパンツといえば基本的にきりりとした細身のテーパードシルエットで、スマートでありながら素材の伸びやかさやカッティングを活かしたその穿きやすさに定評があります。

一方で、太めのパンツをお求めとなると候補から外れるケースも多く、それは良し悪しではなく指向性の話ではあるのですが、そのためにこの圧倒的な穿き心地をスルーしてしまうというのは惜しい話です。

というところで、出てまいりました。

ワイドテーパードパンツ、ADVANCE WIDE TROUSERSの登場です。

ただでさえ余裕のある形状なうえ、絹よりも細い繊維を用いた糸を高密度に編み立てた肌理細やかなストレッチ素材で仕立てられ、驚くほどストレスのない着用感を生み出しています。

おまけにウェストの背面にはゴムが仕込まれ、とにかく着用者を甘えさせ続けます。

見出し画像にもあるように、フロントにはプリーツでなくダーツがとられ、過剰なゆとりを抑え込みつつ立体的な構造を作り出し、ますます穿き心地は増すばかり。

本体にはナイロン×ポリウレタンの混合素材が用いられていますが、腰裏やポケット内布など、体との密着度の高い部分にはコットンが採用されています。

こうした気遣いもまた心憎いですね。

CURLYのなかではワイドとはいえ、それほどたっぷりはしていませんので、あまり太いパンツは穿かないな…という方にも是非気軽にお試しいただきたいところです。

速乾性にも優れていますから、真夏のみならず雨季にも重宝することでしょう。
どうしてもパンツの幅が広くなれば、雨の際には濡れやすくなりますので。

シックな色目も他の服と合わせやすく、なにかと重宝することは間違いありませんよ。

オンラインストアはこちらです


人間交差点 ~ HAVERSACK ATTIRE/ ブロックチェックオープンカラーシャツ

開店以来最大級に半袖シャツの当たり年となったこの春夏、まだまだ止まりません。

今回ご紹介するHAVERSACK ATTIREの新作は、つい大柄なブロックチェックに目の行くところですが、いえいえ他にも見どころの尽きないシャツとなっています。

素材は再生繊維リヨセル。

ユーカリの木材を原料とし、なめらかな肌触り、しっとりと控えめな艶のある風合い、印象以上の高い強度を備えています。

幅のあるボックスシルエットで、裾は直線的に切られました。

着丈が短く、裾を絞るサイドアジャスタも設けられているため、純粋なシャツと言うよりもシャツジャケットに近い、いえシャツブルゾンとも呼べるような仕上がりとなっています。

碁盤の目を彷彿させるイエローのチェックは一見すると派手なようでいて、着れば不思議と馴染んでしまう、さすがハバーサックと唸らされます。

実際店頭ではとてもご好評いただいており、すでに各色一枚ずつを残すのみとなりました。

比較的湿気に耐え、速乾性に優れているのもこの生地の特徴ですので、まさにこの梅雨の最中から真夏にかけて大活躍するであろうと思われます。

是非今のうちにお手元へ。

オンラインストアはこちらです→ ネイビー/ グレー


ゴールデンボウル ~ EEL Products/ Gold Turkey

おそらく大半の方が一度はボウリングに興じた経験をお持ちでしょう。

複数のピンをボールで倒すこの遊戯の歴史は長く、古代では呪術的な儀式として行われていたようです。
およそ7000年前のエジプトのお墓からも関連品が出土したことがあると聞いています。

このように長らく世界各地さまざまなルールで遊ばれていたのを菱型に配置した9本のピンを倒す方式(ナインピン)に統一したのが、宗教改革でお馴染みマルティン・ルター。
ちょっと意外な人物ですね。

17世紀アメリカ大陸に渡ったピューリタンが持ち込んだことで流行、のちの禁酒法時代、荒くれ者たちの賭博の対象となり法律で禁止されたため、法の網の目を抜けるべくピンを10本に増やし三角形に並べたテンピン、すなわち今とほぼ同様のボウリングが誕生しました。

余談ながら、日本では幕末の文久元年(1861年)6月、長崎居留地にて我が国初のボウリング場”INTERNATIONAL BOWLING SALOON”が社交サロン店主ヘンリー・ギブソン氏によって開かれています。

1950年代初めAMF社が全自動式ピンセッター”Pinspotter”の販売を開始したことで全米で爆発的にに普及、若者文化という共通項があったのか、踊りやすかったのか、経緯は定かでありませんが同時期に若者の間で人気が爆発したロックンロールの愛好者が着始めたことで、ボウリングシャツはその象徴的なアイテムへと変化していきました。

そんなボウリングシャツ、シャツだけ見てみればてろんとした艶のある肌触りのよい生地、アロハシャツとはまた違うデザイン、上記の文脈の範疇のみに収めておくには惜しい服です。

EEL Productsから登場したボウリングシャツ”Gold Turkey”は、その美点をしっかりと引き継いだ仕上がりとなっています。

すわヘロインの禁断症状かと一瞬ドキリとしますが、ColdでなくGold。
言うまでもなくボウリングのターキー(三連続ストライク)に由来しており、鳥肌が立つほどの悪寒に震え体中に激痛が駆け抜けるわけではありません。

バイカラーながら刺繍などのないプレーンなデザイン、程よい塩梅に抑えられた光沢、静かな色彩は、ともすればボウリングシャツに伴いがちな不良の匂いを一切漂わせることなく、服そのものをお楽しみいただけます。

ルーツはともあれ、どなたでも気持ち好く着られるはずです。

どうぞご検討ください。

オンラインストアはこちらです→ ネイビー×グリーン/ グリーン×ネイビー


老人と海 ~ Ithe

再来週に開催されるEuphonic LOVEにつきましては想像以上に多くのお客様からご期待いただいているようで、身の引き締まる思いです。

Olde Homesteaderファンの熱量、そしてまだ全貌を見せぬItheへの期待度の高さが窺えます。

そんなIthe、有難いことに初回入荷分は完売、そのタイミングで新商品がやって参りました。

まずはこちら。

80年代にフランスで作られた古着のグランパシャツをトレースしたプルオーバーシャツです。

グランパシャツ(Grand papa shirt)はゆったりした着丈の長いプルオーバーシャツの俗称で、もともとは欧州の農夫が部屋着として着ていたものでした。
その野暮ったくもノスタルジックな佇まいから、いつしか「おじいさんのシャツ」と呼ばれるようになったとか。

しかしそれもItheの手にかかれば、たちまちソリッドな洗練された一着に生まれ変わります。

今回用いられた生地はネイビーブルーのコットンリネンです。

リネンの乾いた質感、清涼感は維持しつつ、ラフになりすぎないギリギリのバランスで構成された素材で、ほどよいハリがあり、そして洗いこむとふわりとした表情とともに柔らかく成熟していきます。

元ネタとなった古着に縫い付けられていたブランドタグなどもシャツの共生地で再現、

前身頃に対しはるかに長い後ろ身頃も、ベースとなった古着のままだそうです。

この、コピー?レプリカ?と思わせながらまったく別物に仕上げてくる技量、小憎いばかりではありませんか。

続いてご覧ください。

ハワイの誇るカメハメハ・ガーメント・カンパニー製のアロハシャツが、濃紺のビスコース生地に置き換えられることでがらりと変貌しました。

南国の海の匂いはどこへやら。

適度な厚みと深い艶、とろんとした肌触りが、その品質の高さを物語ります。
繊細なようで手洗い可能なのもうれしいですね。

先ほどのグランパシャツ同様、カメハメハのタグもシャツ共生地で表現され、

Itheのブランドタグはこんなところに隠されています。

この元ネタとなったシャツと較べていただくと、その同一性と並存する差異が見て取れるはずです。

こうした元ネタ比較も楽しめるEuphonic LOVEに臨み、是非在庫のある今のうちに予習がてら店頭にてお試しください。
きっと、何かしらの発見があるはずですよ。

オンラインストアはこちらです→ No.06-GS-F-CF(グランパシャツ)/ No.21-KMS(アロハシャツ)


1993 恋をした Oh 君に夢中 ~ EEL Products/ ポロクラブマスター

現在40歳の店主と同世代からそれ以上の方であれば、Polo Club(ポロクラブ)の名に覚えがあるのではないでしょうか。

正面を向いたポロ選手のマーク、あるいはPapasを匂わせるふにゃっとした書体のロゴで多くの人から愛されたブランドです。

1971年に発足、洋服のみならず文房具や日用品など、とにかく多岐にわたってロゴ入りアイテムを展開し、90年代前半、小中学生から熟年層に至るまで、老若男女問わず幅広い層に絶大な人気を博しました。

1994年ごろ発行された『’94ブランド&キャラクター調査』(ボイス情報株式会社)ではブランド知名率について「総合的に強いベスト30」で堂々17位をマーク、あのポロ・ラルフローレン(13位)に迫る勢いを見せつけています。

同書によれば当時(1993年度?)売上280億円を叩き出したとか。
ちなみに、かのコムデギャルソン社が現在400億と云いますから、なんとも凄い数字です。

いろいろあって現在はブランドは存続していないようです(1982年にビバリーヒルズで生まれたという触れ込みの”BEVERLY HILLS POLO CLUB“や、繋がりは不明ながらケンブリッジ大学の名を戴いた”CAMBRIDGE UNIVERSITY POLO CLUB”、コネチカット州に実在するポロ団体に由来する”GREENWICH POLO CLUB”などは現存しています)が、創業者はPolo Clubの経験を活かし眼鏡店ガリレオクラブを立ち上げ、これがのちのZoffとなりました。

さて、この懐かしきPolo Clubをどこまで意識したのか、EEL Productsがこの夏提案する新型ポロが、”ポロクラブマスター”です。

素材は鹿の子ではなく、モチモチした編地で、肌触りもよく、幅広のボキシーシルエットと相まって崩れすぎずリラックスした着心地を生み出しています。

そうそう、ひとつ忘れてはならないユニークな仕様がありまして、それがこちら。

前立ての底の部分に、何やら細長いポケットが仕込まれていますね。

これは、こう使います。

上の画像で使っているのは店主私物のオリバーピープルズですが、レイバンにCLUBMASTER(クラブマスター)という定番サングラスが存在していますので、このポロシャツの名の由来はPolo Clubではなくこちらかも知れません。

夏の必需品であるサングラス、あるとないとでは疲労度がまったく違います。
梅雨が明け灼熱の季節がやってくるその前に、サングラスとともに揃えておいてください。

オンラインストアはこちらです→ ピンク/ オリーブ


君の名は ~ BRAASI INDUSTRY/ GEORGINA

大好評につき、在庫も一型、かつ一点のみを残すところとなった(2016/6/3時点)BRAASI INDUSTRYのGEORGINA当店別注配色モデル

調子に乗って夏の新配色を作っちゃいました。

今回はネイビーボディにサルヴィアブルーのウェビングテープ、

そしてプラハの壁紙ブランドPaper Joeの”Neukoln(ノイケルン)”柄を組み合わせました。

ノイケルンといえばベルリン南東部の一区、

18世紀にツィンツェンドルフ伯爵がボヘミアで迫害を受けていたモラヴィア兄弟団(メソジスト運動の指導者ジョン・ウェスレーにも影響を与えたフス派系共同体)をこの地で保護した経緯もあって、BRAASIが拠点とするチェコと縁が深いようです。

が、どうもPaper Joeの意図はそこにはないようで、「あなたが聴き終えたその歌から名付けるような卑怯な行為は認めないが、実際はやったのだ(店主意訳)」と煙に巻いてきます。

つまりはこれ一体何をモチーフにした柄なのかよくわかりません。
しかしながら、なぜかしらどことなく冷たさを感じさせ、想像を喚起する素敵な意匠です。

青系のグラデーションでまとめた本体と好相性ではないでしょうか。

きっと今年の夏も暑くなります。
せめてバッグも涼を感じるものを使っていたいものですね。

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愛knowマジック ~ Euphonic LOVE

この愛の物語について、いったいどこから話せばよいのでしょう。

まずはそう、Olde Homesteaderの新しい舞台について…

先日、祐天寺-目黒-不動前-武蔵小山の中間くらいの場所、油面地蔵通り沿い(〒153-0063 東京都目黒区目黒4-24-10)に、Olde Homesteaderのアトリエ兼ギャラリーである”OLDE THINGS“が開かれました。

ある日ブランドディレクターの福原さんから、ここでユーフォニカならではの催しをしてみないか、Olde Homesteader云々ではなく、ユーフォニカとして、と懐の深い打診が。

それならばと、単純に好きな人、今気になる人を、ファッションの括りに縛られず、いつもの居場所である仲町台ではないこの地で紹介し、今まで届けられなかった範囲にわたって有機的にその愛の環を拡げていければとの思いを胸に、OLDE THINGS限定企画”Euphonic LOVE”が発足しました。

その第一弾のゲストとしてお声がけしたのが、Ithe。

過去のアーカイブをトレースしまったく別なものへ昇華するそのスタイルと、ヴィンテージのものづくりをふまえた上で異質なものを生み出すOlde Homesteaderのスタイルに、本質的な近似性を感じたのが理由です。

今回は、ふだん渋谷のショールームで活動するItheをOLDE THINGSに招聘し、ここで受注会を行います(出来上がった商品のお渡しはEuphonica店頭にて)。

Itheのラインナップはもちろんのこと、元となった服も並べて陳列することで、構造上同じでありながらもアウトプットとして生まれたものがコピーとは違う、という面白さをじっくりとお楽しみいただけます。

過去の商品から秋冬向けアイテム、そしてこのイベントが初披露となる最新企画、Tシャツも受注可能です。
こちらは過去のトレースではなく、まったくのオリジナル企画となっています。

僭越ながら当店店主の意見も若干採り入れていただいており、最適解が簡単に見つかりそうで見つからないこのジャンルに一石を投じる完成度となりそうです。

気になる期間ですが、
6/18(火) 13:00-21:00
6/19(水) 13:00-21:00
6/20(木) 13:00-20:00
の3日間。

6/19は終日、6/18と20は夕方から店主在店(開始時間からはItheさんが在店されています)します。
これに伴い、6/18、20は仲町台の店舗は16:00までの営業となりますので、ご注意ください。

なお、初日である6/18は、夜より飲み物、軽食などをご提供致します。

是非、軽く遊びに行くような感覚でお越しください。


Long road this long road ~ HAVERSACK/ ドビーチェックリネンプルオーバーセミロングシャツ

気温が上がれば半袖、もちろんそれが自然な流れでしょうけれど、いえいえ長袖だって捨てたものではありません。

今の時期のように朝晩まだそれほど気温が高くならないとき、そして真夏の炎天下でも日射しを遮る長袖のほうがむしろ涼しかったりします。

このシャツも、初夏から真夏、そして秋に向かう晩夏に至るまで、きっとさまざまな状況で助けになってくれるはずです。

夏物にしてはやや珍しい落ち着いた配色ではありますが、触れてみればシャリっとした乾いた肌触りのリネン。

変形スタンドカラーで首元がすっきりしていますので、より涼しげな印象となります。

背面のスプリットヨークとたっぷりとられたギャザーは、色気と運動性を生み出しています。

長めの着丈によって、シャツのリラックス感がより引き立ちました。

やや印象の強い服と思われるかも知れませんが、着こなしといった事柄についてはとくに留意せず、ばさっと身に纏ってしまうのが一番です。

高等遊民の如く装い、その思索はほかのことに向けていきましょう。

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いつも君に ずっと君に 笑っていてほしくて ~ EEL Products/ ヒマワリシャツ

EEL Productsの隠れた名品、3年ぶりの復活です。

強い陽光の下ひまわりの咲く夏の景色を聯想させるプルオーバーシャツ、その名も”ヒマワリシャツ”。



背中のハンガーループや

ボタンダウンの襟といった基本的なデザインはそのままに

前回から若干の仕様変更が行われ、よりシンプルでオーソドックスな方向へリニューアルしました。

生地は色によって異なり、レッドチェックとブルーチェックがややシャリっと乾いた質感で、

ブラウンチェックはしなやかで柔らかい素材が用いられています。

シルエットに大きな癖はありません。
年齢やスタイルを問わず、とても使いやすいシャツに仕上がっています。

さすがにきょうは少し落ち着きましたが、確実に夏の気配は色濃くなってきました。
真夏を待たずとも、今すぐ活躍してくれること間違いありませんよ。

オンラインストアはこちらです→ レッドチェック/ ブルーチェック/ ブラウンチェック


ちはやぶる神も見まさば立ちさわぎ 天の戸川の樋口あけたまへ ~ comm. arch./ Knitted Seersucker Trousers

いやはや暑い日が続きますね。

そんななかでしたが、週末のKIMURAオーダー会はお陰様で盛況のうちに幕を閉じました。
とても有難いことです。

県外からのお客様が思いの外多く、KIMURAの注目度がじわじわと確実に高まっているのを感じた2日間でした。

さて、この暑さですから、装いもなるべく軽く、涼しいものに切り替えたくなりますね。

ショートパンツにサンダルでもちょうどよさそうですが、短パンはちょっと…という方も少なくありません。
ということで、こちらは如何でしょう。

ニットの可能性を拡げ続けるコムアーチの技術が光る、ニットシアサッカー素材で仕立てられたイージーパンツです。

昨年登場したショートパンツと同じシリーズで、シアサッカーのポコポコした質感をトリコットで表現し、肌に触れる面積を抑え、さらりとした着用感を生み出しました。
かつ、ポリウレタンを使っていないにもかかわらず驚くほど伸縮性に富んでいます。

幅はそれほど太くなく、やや細身のストレートタイプ。
このすっきりしたシルエットでここまで気楽なパンツはそうそうありません。

店頭で脚を通されたお客様がみな驚かれる極上の穿き心地、未体験の方は是非お試しください。

軽く、柔らかく、のびやかで、さらりとしている、心なしか年々非道なほどに暑さを増す日本の夏にうれしい一本です。

オンラインストアはこちらです→ ナイトオーシャン/ ブラックアウト