Believing a sign of Z ~ ZDA/ Marathon 2400SL

春のデビュー以来お陰様でご好評いただいておりますZDAのスニーカー、この秋冬の新作が登場しました。

ZDAの生まれた背景につきましては前回コッテリと述べさせていただきましたが、20世紀にチェコスロバキア(当時)の靴の街パルティザンスケにて存在していたシューズメーカーで、ブランド名は”ZAVODY 29. AUGUSTA(8/29の工場)”の略称です。
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なお、8/29はスロバキア民衆蜂起(SNP)の勃発日で、同国では毎年この日に記念式典が行われるほどスロバキア国民にとっての大切な日となっています。
なお、パルティザンスケから50km程度東に位置するバンスカー・ビストリツァという町にMúzeum SNP=スロバキア民衆蜂起記念館があり、ここでは武装蜂起に関する展示が楽しめるようですので、ご興味あれば是非。

嗚呼また脱線して本題から離れてしまいました。
軌道修正し肝心の靴のディテールを覗いてみましょう。

基本的には前回入荷のものと同じ構造ですが、レザー×スウェード×ナイロンの組み合わせだったところ秋冬モデルらしくレザー×スウェードのコンビになっています。
履き込んだ時に甲のスウェードが一層佳い風合いとなりそうですね。
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このスニーカーの構造的な面白い部分として、中底が挙げられます。
一般的なランニングシューズではライニングから繋がるように縫い上げられているこの部分(画像はLUNGE)。
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ZDAでは圧縮紙の中底が独立した構造になっています。
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これは現代では女性用のパンプスなどに多い構造でして、よく見るとつり込み時に木型と固定するために釘か何かを打ち込んだ痕があります。
まさにセメント製法の革靴のようです。

これが機能的に優れているとかそういうことは一切ないのですが、革靴とスポーツシューズの境が曖昧なころのクラシックなつくりをしている証拠で、この靴の設計の旧さが見て取れます。
刻をこえた浪漫が感じられますね。

こんなカチカチに堅い圧縮紙の中底に素朴なインソールを敷いただけではありますが、
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履き心地は意外となかなか乙なものでして、その秘密はミッドソールとアウトソール。

ミッドソールはEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)の積層で、触った感じだと黒い部分に一番柔らかい素材が使用されているようです。
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このように硬度の異なる素材を組み合わせることで、衝撃吸収性のみならず反発性、沈み込み防止(安定性)を実現した構造となっています。
これは原理的にはLUNGEのa-Mollとほぼ同じです。

また、”マラソンソール”と呼ばれるこの凹凸のはっきりしたアウトソールも履き心地に一役買っています。
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おそらくこの厚みのある部分が適度な反発力を生み出しており、ポヨンポヨンと跳ねるような独特の歩行感を楽しむことができます。

機能的なディテール以外に特筆すべきはつり込みの丁寧さで、とても綺麗に木型に沿った立体的な仕上がりとなっています。
そのため足を入れたときの形が非常に美しく、特に土踏まずあたりの曲線にはうっとりさせられます。
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昨今の大手メーカーのスニーカーは万人が足を入れられるようにするためかボテッとした木型を用いることが多いのですが、旧き良きZDAで使われているそれは昔ながらのシャープな形です(とはいえ細すぎはしませんのでご安心を)。
その美しさをきちんと活かした仕事の現れだと思います。

と、ざっと簡単にご説明しましたが、ただ”Marathon”と書いてあるだけの謎の靴ではないZDAの秘めたる魅力が少しでも伝わるならば幸いです。
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オンラインストアはこちらです→ ブラック/ ブラウン

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