昨年突如として獲物を狙う野生の獣の如く現れ、老いも若きも問わず構わずその喉笛に食らいついたFAUVES。
濃厚な作り込みと、着用時の意外なほど上品な佇まいのギャップに、目の確かなお客様たちが次々と仕留められていきました。
詳しいブランドの背景やその名の由来は以前の弊ブログをご参照いただくとして、いまは先日届いた今季の新作の話をせねばなりません。
ぱっと見はいわゆるカバーオールジャケットのようで、しっかりと立ったホワイトステッチなのもあって当店にしては珍しくアメリカンワークテイストだなと感じる方もいらっしゃることでしょう。
しかし一度袖を通してみれば、当初の予想とはまるで違う姿となるはずです。
目の細かい表面と目の荒い裏面で構成した二重織キャンバスは、耐久性が高いだけでなく比較的軽く、ごわつきは感じられません。
欧米のクラシカルなワークウェア特有の平面的な袖付けではなく、曲線を描きながら腕に沿う立体的な袖。
こうしたワークウェア離れした仕立てのよさと、Aラインの長い着丈が、身に纏ったとき実に優美なシルエットを生み出します。
美術に於ける「野獣派」が獣じみた荒々しい作風を指すのではないのと同様に、「獣」を意味するFAUVESの服もまた、その獣性は表面的なところには現出していないというわけです。
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