春は名のみの風の寒さや ~ EEL/ エンボスパーカー

暖かくなったと思いきやまた寒く、いかにも早春の気候です。

「三寒四温」は中国北東部や朝鮮半島北部の冬の気候を表す言葉で、実は我が国に於いてはほぼ当てはまらないそうですが、
もうこの際この時期の日本の寒暖の変化を指す言い回しとして正式に認定してしまえばいいのにと思います。

さて、そんな由無しごとを考えているうちに2月もそろそろ終わりを迎えつつあり、3月の姿が見えてきました。

3月になれば気分は春、自然と分厚いニットや暖かな質感の外套の出番は少なくなります。

ところが実際は下旬ごろまでしっかりと寒いんですよね。
そうなると代わりに何かが必要となってきます。

その選択肢のひとつとして、スウェットパーカは欠かせません。
スプリングコートの下にも、もちろんアウターとしても使える便利なアイテムです。

とはいえ当店のお客様には本格ゴリゴリアメカジは、その高い品質はさて置き少しばかりキャラクターが濃すぎるかも知れません。
ご安心を、今季もこの子たちがいます。
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お馴染みEELのエンボスパーカーは、2016SSの新柄としてヘリンボーン編み柄がエンボス加工されています。
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ストレッチの効いたやわらかな着心地、すっきりとしたシルエットは前回通りです。

15AWのケーブル編み柄もまだ多少在庫がありますので、今ならお好みでお選びいただけます。
生地の厚さは同じです。
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女性サイズからメンズのMまで揃えています。
是非ご検討ください。

オンラインストアはこちらです→ グレー/ ネイビー

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ラシドの歌 ~ LUNGE/ a-Moll

スニーカーとしてはなかなかの価格であるにも拘らず、
LUNGE(ルンゲ)のシューズがご好評いただいております。

なかでも想定以上に女性からの反応が好く、
「レディースはないの?」と訊ねられることもしばしば。

そこで登場したるは2種類の女性用LUNGE、
内ひとつがランニングシューズ”C-Dur”(当店未展開)の女性版、”a-Moll”です。
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ちなみに前者はCメジャー、後者はAマイナーのドイツ語表記となります。

店主は音楽理論はサッパリなのですが、
Cメジャー(ドレミファソラシ)とAマイナー(ラシドレミファソ)は
構成音が同じなので、きっとそこが由来なのでしょう。

あ、今更気づきましたが前回入荷した“Adagio“は「くつろぎ」というよりも
音楽のアダージョ、「ゆっくりした楽曲」から名付けられたのかも知れないですね。
ランニング用でなくてウォーキングシューズですし。

さてそんなAマイナーもといa-Moll、
どこかうら寂しいフォーキーな名でありながら
それを覆すように徹底してスパルタンな本格派です。

まずAdagio同様、この靴もミッドソールの素材に大きな特徴があります。

一般的なスポーツシューズのミッドソールには
約20%のEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)が含まれているそうですが、
LUNGEのシューズに使用されているのは
そのEVAの含有量を4倍にすることによって高い衝撃吸収性と耐久性を備えた素材で、
これが高額になってしまう理由の一つとなっています。

ポリウレタン主体のミッドソールを使用しているKARHUのアリアと並べると
その違いがよく判るのではないでしょうか。
向かって右がLUNGEで、このスポンジっぽい質感がEVAの特徴です。
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そのタフさを表す例として、2000km走った後でも
クッション性能が劣化しないほど強靭であると謳われているほど。
フルマラソン47回分ですよ…

この素材を部位によって硬さを変えて配分し、クッション性だけでなく
安定性、反発性も確保し、より走行に最適化されました。
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たとえば踵積層箇所のグレーの部分は特に柔らかく、ここで衝撃を和らげます。
一方で土踏まずの辺りは硬めの素材に切り替えて安定性を高め、走行時のブレを防ぐわけです。

アウトソールもシンプルですがしっかりとグリップの効く仕様です。
溝部分が大きすぎず、泥や異物が詰まりにくくなっています。
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アッパーはスウェード調のマイクロファイバーとメッシュのコンビ使いで、
軽量化を図りながらもしっかりと強度を確保しました。
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ちなみに、画像では判りづらいのですがメッシュの下にところどころ
リフレクターが仕込まれています。

Adagio同様ラテックス一体成型の肉厚なインソールは
より柔らかな履き心地を生み出す名脇役です。
この美味しそうなモッチリ感!
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上記の如く生粋のハイテク指向靴でありながら
どこか落ち着いた風貌は色使いの為せる業なのか、
或いはスポーツシューズ特有のサイドラインがない所為なのか。
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本格的なランニングでの使用は勿論のこと、
大人の街での装いにも程よいスポーツのエッセンスを加え、
実際に至極の快適も提供してくれる、そんな特上の一足です。

今まで女性にはお伝えしきれなかったこの圧倒的クオリティ、
是非店頭にてお試しください。

オンラインストアはこちらです→ a-Moll


カウボーイビバップ  ~ EEL/ Cowboy Slacks

Gaucho。
元々はペルー方面からラプラタ地域に開拓を行いに来たスペイン人の農業移民だったのが、
先住民族との抗争のなかで農業から離れ
次第に野生の牛や馬を追って生計を立てるようになった、
いわば南米版のカウボーイです。
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先住民たちとの混血を繰り返しながらおよそ200年ほど活躍していましたが、
政策の変化、度重なる戦乱に加え、ヨーロッパ移民の増加に伴う牧畜業の発展や
土地の所有権の明確化により自由な活動ができなくなったことで
19世紀には実質的に消滅したと伝えられています。

スティーリー・ダンの名盤のタイトルとしても知られていますが、
近年その知名度を飛躍的に押し上げたのがガウチョパンツの流行でしょう。

その”ガウチョ””パンツ”の言葉を置き換えたのかは存じ上げませんが”Cowboy Slacks”、
これが結果的にEELならではの独自性に富んだ一枚に仕上がっています。
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生地はインディゴのデニムのように見えますが、
表裏同じ色の平織りですので厚手のシャンブレーかと思われます。
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いずれにせよ、綿麻混紡の清涼感溢れる素材です。

ベルトループはおろかウェストバンドも廃した構造で、
両サイドのアジャスターボタンによってフィット感を調整します。
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結果見た目上も非常にすっきりとした腰回りとなり、
ワイドなシルエットのパンツでありながらも
厚ぼったさのない軽快な印象となっています。
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上の全体画像の通り、裾はいわゆるガウチョパンツのような7~8分丈ではありません。
素材の特性上洗濯により縮みが出ますが、それでも9~10分丈くらいと考えていいくらいです。

ところで、ガウチョパンツのルーツであることから
ガウチョたちが穿いたパンツはおしなべて短いものと思われがちですが、
調べてみると意外なほど時代によって裾の長さに違いが見られます。
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(http://www.revistaidentidad.com.ar/より転載しました)

しかしながら時代や個々人によって当然違いはあるものの、
ゆったりめであるという特徴はあまり変わらなかったようです。

一方で(時代背景の違いはあるにせよ)、
北米のカウボーイが履くジーンズは、当初太めストレートだったのものから、
太腿にはあまりゆとりを持たせずに膝から裾にかけて
ウェスタンブーツをしっかり綺麗に覆うよう拡がっていく設計に進化していきました。
これが”ブーツカット”の由来です。
以上、余談でした。

このCowboy Slacksは勿論ブーツカットではありませんが、
前述の通り裾丈が短すぎないため
ガウチョパンツのトレンド盛衰に左右されることなく永く履いていただけます。

生地も穿き込み洗いこむことで、きっと次第に柔らかくこなれた風合いになることでしょう。
これから何年もの間、愛すべき春夏の相棒となること間違いなしの逸品です。

オンラインストアはこちらです→ Cowboy Slacks


オンラインストアリニューアルしました!

長らくお待たせ致しましたが、
ようやく当店オンラインストアがリニューアル完了しました。

ブログやInstagram等との連動などの新機能に加え
レイアウトも変更しています。

ひとまずはPCブラウザ版のみ新しくなっており、
スマホ版も近日新装となる予定です。
 

是非ご覧ください!

http://euphonica.yokohama/


<重要>オンラインストアのリニューアル作業について

昨日お報せしたサイトリニューアルに伴う
オンラインストアの一時ご利用停止についてですが、
作業難航のためまだご利用できない状況が続く見込みです。

現在明日の開設に向けて取り組んでおりますので、もう暫しお待ちくださいませ。

ご迷惑をお掛け致しますが、宜しくお願い致します。


希望のブルーがよみがえるでしょう ~ EEL/ 陶器釦のシャツ

横浜および周辺地域の陶器釦シャツ愛好家の皆様、朗報です。
EELより今季分が入荷致しました。
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コットンボディの本体に手練りの陶器製ボタンを配しており
豊かなニュアンスを醸し出すこのシャツは、
開店当初から毎シーズン扱わせていただいている人気商品です
(前回入荷の記事はこちら→http://euphonica.yokohama/blog/archives/2508)。

ただ普通のシャツに陶器釦を乗せただけでなく、
台襟やカフのくるみボタン使い、舟形の胸ポケットなど
ボタンの魅力に依存しない丁寧なデザインがなされており、
それがこのシャツが何年も愛されている理由のひとつではないでしょうか。
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もともとあったホワイト、グレーギンガム、ブルーギンガムに加え、
今シーズンはサックスブルーのシャンブレーが登場しています。
生地の霜降り感が春夏の陽射しと好相性で、まさにこれからの服です。
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もちろん秋冬にニット等と合わせても好いですね。

陶器とはいえ強い土を用いていますので、
家庭での洗濯も可能(裏返してネットを使うとベターです)なのも嬉しいところ。
日常生活の中で気負いなくこのボタンの澄んだ艶を楽しむことができます。

色によって内訳は若干異なりますが、XSからLサイズまで取り揃えていますので
どうぞじっくりとお選びください。

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ サックス/ グレーギンガム/ ブルーギンガム

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no no darlin’ 雨の向こうに広がる空を ~ blanc/ no collar long shirts

何かの冗談じゃないかと勘ぐってしまうような、
食洗器の中のような春の嵐のあとに初夏の陽気が唐突に訪れた日曜日でした。
その直後にバランスを取ろうと云わんばかりの冬日が、今週いっぱい続くそうです。

今朝は事前に脅されたほどでもないなと思っていましたが、
耐えず吹く北風に冷やされて昼にはすっかり寒くなりました。
小雨も混じってきたようで、ますます陰気な様相を呈しています。
インフルエンザも流行っているらしいですし、
体調管理にはより一層の留意を要しますね。

とはいえ2月はもう折り返し。
あと数週間すれば気温は低くとも気分は冬から抜け出すころ。
今月はまだまだ需要もありコートやニットも陳列していますが、
店頭は少しずつ春仕様に切り替わっています。

もうすでに何枚かご紹介済みの新型のシャツは
基本的にはオールシーズン対応ものが多かったのですが、
このblancのロングシャツは素材、デザインともに春爛漫な一品と言えます。
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当店では珍しいノーカラー仕様で、
すっきりした首回りとなっています。
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また着丈の絶妙な長さはリラックス感を演出しながらもだらしなくなることはありません。
シャツワンピースと呼ぶには短く、シャツにしては長い、そんな丈です。

元来シャツは肌着で、とても着丈が長い形状でした。
一般的なシャツの前後が長くて脇が短いというのはその名残です
(前後をボタンで留めてオールインワン下着として使っていました)。
そんな往時の意匠である途中で切れた前立ての仕様を遊びとして取り入れることで、
仄かなアンティーク感が生まれました。
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blancのスタンスとして、ブランド単体で確固たる世界観を示すというよりも
使用者それぞれのワードローブの中身と自由に組み合わせて楽しんでいただくことが
重視されています。

このシャツもたとえば合わせるボトムスひとつで様々な表情となり、
着る方の個性、スタイルでどうとでも変わる面白さがあります。
そういう楽しみ方ができるのは”白いオックスフォードのボタンダウン”に代表される
所謂永世定番的なアイテムに限らないということを教えてくれているようです。

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ ストライプ

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春雨じゃ 濡れて参ろう ~ alk phenix/ ame coat EPIC

幸い天気予報がずれて本日は快晴ぽかぽか陽気となりましたが、
それでも明日は暖かくてぐずつくという見込みは変わらないようです。

さて、そんな週末を見越したかのようなタイミングで、
昨年のブランドデビュー時に発表され、早くも名品の佇まいを見せる
入魂のレインコートが再入荷しました。

alk phenixの”ame coat”です。
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詳しい説明は前回もさせていただきましたが、
約一年ぶりの登場ですので、改めて解説といきましょう。

レインウェアに於いてまず重要な点、それは生地です。
たとえばMONTANEのAtomic JacketはPERTEX SHEELDという
高強度の防水透湿生地を使用しており、こうした素材とそのスペックが
ウェア自体の評価を大きく左右するわけです。

このame coatにはEPICという技術が用いられています。
これは繊維そのものを防水カプセルで包み、さらに糸同士の間にも
防水ポリマーを埋め込むことで高い撥水性能を保持しつつも、
ミクロの隙間を残すことで透湿性も残した素材です。
ComparativeCrossSection
(EPICの開発メーカーNEXTEC社のサイトより画像を拝借しました)

つまり糸及び布そのものが水を弾くため、
剥離のリスクを伴う防水ラミネートを施す必要がありません。
結果軽く、柔らかく、撥水性能の耐久性も高いという多くのメリットが生まれています。

さらにこのコートで使用されている生地はストレッチ性能も備えており、
軽く雨に強いだけでなく、のびやかな極上の使用感を実現した雨具となりました。

なお、家庭での洗濯可能な素材ではありますが、
すすぎが不十分で洗剤が残留すると撥水性能が落ちてしまいますので、
その点はご注意ください。
これはEPICのみならず他の防水透湿素材も共通ですから、
是非覚えていただきたい点です。

さて、勿論語りどころは素材のみではありません。

4枚ハギ+バイザーの立体的なフードは
突っ張り感のない着用感を実現しています。
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また、各部に散りばめられた全方位再帰反射のリフレクタープリントによって
夜間の歩行時の安全性を高めています。
カンヌキ縫いに被せてプリントすることで防水性を高めているところが憎いですね。
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さらに付け加えれば付属の巾着袋に収納して携行することが可能でして、
この袋に消臭加工が施されていて、濡れたコートを入れてもだいじょうぶ、
雑巾のようなにおいの発生を防ぎます。
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これだけ至れり尽くせりな機能を盛り込みつつも
都市生活での日常的な使用に適したデザイン、
まさにalk phenixを象徴するような一着と言えます。

薄手ですので蒸し暑い梅雨時や台風の時期にも使え、
たいへん便利な一枚です。
去年見逃してしまった方は特に是非一度ご覧ください。

オンラインストアはこちらです→ ame coat

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小さな 小さな 春ひとつ ~ Waltz for rolca/ GIZAコットンミニ襟シャツ

当店の女性用シャツ、ブラウスに於ける重要な一角を担うブランドといえば
Waltz for rolcaです。

凛とした表情と肩の力の入りすぎないリラックス感の同居したバランスが秀逸で、
オープン時から店頭に欠かせない存在となっています。

さて、そんなWaltzから人気の丸襟ブラウスの新柄である
黒ギンガムが入荷していますが、
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それと共に素敵な新型も登場しました。

ブラウスと同じギザコットンを使用した、
とても小さな襟と胸ポケットが特徴的なシャツです。
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特にその襟はスタンドカラーと見紛うばかりの小ささ、
これにより首回りがすっきりし、清廉で瀟洒な印象を与えます。
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逆に襟が大きいシャツは肉感的且つ豪儀な雰囲気となり、
こんな首元のパーツひとつの大きさでも全体の方向性が左右される、
それもまた服の面白さと云えます。

この襟と歩調を合わせるような小ぶりの胸ポケットも可愛いですね。
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それらを除くと意外なほど正統派なつくりをしており、
裾脇の三角ガセットなどはメンズのシャツさながらです。
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まだとてもとても一枚では着られませんが、ニットやアウターの下など
活躍の機会をいつでもいくらでも設けられるのは
シャツならではの強みではないでしょうか。

そして何といっても来たるべき春はシャツの気持ち好い季節、
この機会に是非新しい一枚をお試しください。

オンラインストアはこちらです→
GIZAコットン丸襟ブラウス ホワイト/ ブラックギンガム
GIZAコットンミニ襟シャツ ホワイト/ ブルー/ ストライプ