君に届けてあげたい ~ tilt The authentics/ 2B Tailored Jacket

生活様式の変化に伴い、正直ジャケットの需要は落ちてきています。
が、だからといってジャケットそのものの価値が下がるわけでなし、美しい一着はトレンドや必要性を超越した悦びをもたらしてくれるものです。

あまりに閉塞感が強いこんな状況だからこそ、そうした服の高揚感というものがいま一度見直されるべきなのかも知れません。

tilt The authenticsの新作は、「世の中の空気」を切り裂く力強さを帯びています。

ほどよい薄さのコットンヘンプギャバジンを用いた一枚仕立てで、生地の原反の段階で揉み洗いが施されているため、しっとりとしたソフトな肌触りとなっています。

クラシコイタリアを彷彿させる高めのゴージライン、

前振りの袖や

いまちょっと新鮮なサイドベンツなど

基本設計は本格的なテーラードジャケットと同様でありながら、裏地や前身頃の芯地を抜いた簡素なつくりで構築することで、きりりとした緊張感と軽くやわらかな着心地を両立させました。

なお、こちらのジャケットは、先日ご紹介したパンツと同素材を用いておりまして、

セットアップでお召しいただくことも可能となっています。

肩の力はあまり入れたくない、けれどちょっと気取った春の装いを愉しみたい、なんてときには最高の組み合わせですね。

オンラインストアはこちらです→
2B Tailored Jacket ブラック
1 Tuck Slim Trousers ブラック


新しいStepで ~ Olde H & Daughter/ ANKLE SOCKS

さながらゴールデンウィークのような暖かさに、今が2月ということを忘れてしまいます。

また水曜あたりから寒が戻るとは聞いていますが、春の装いへの気分は加速するばかりです。

足元も、厚手のウールから薄手の明るい靴下へ、少しずつ変えていきたくなりますね。
ちょうどいいタイミングで、Olde H&Daughterの素敵な彩りが届いていますよ。

まず色目から、足取り軽くなるようなものばかり。

春の光を照り返す純白”パール”、

落ち着いた”タバコ”、

フルーティーな朱色”ハンティングピンク”、

鴨の羽色からとった青緑色”ティール”、

夕暮れ時を思わせる”ダスキー”。

どれにしようか迷わせてくれます。

OLDE THINGSが手掛けるブランドですから当然素材、作りは完璧。

化繊を入れずスーピマコットンだけで編み立てられた生地は、Olde Homesteaderの定番と比べると薄手で、さらりとした軽い穿き心地となっています。

全体的にはやや短めの、足首くらいまでの丈で、一般的な靴下よりもリブの割合が多いバランスです。

このリブがまた、締めすぎず緩すぎず、適度なポジションでフィットしてくれるすぐれもの。
着用、洗濯を繰り返してもへたりくい、意外なまでの耐久性も見逃せません。

爪先のリンキングは足に違和感を与えないよう、ごくフラットに仕上げられました。

後部は立体的な構造で、足の踵をやさしくすっぽりと包み込みます。

一足一足専用の紙箱に収められているのも、Olde H&Daughterならではの気遣い。

“FOR HER”(女性向けフリー)、”FOR HIM”(小さめ~普通程度の足の大きさの男性向け)の2サイズ展開です。
Olde Homesteaderが穿けなかった足の小さな女性の方にも、ついにこの魅惑のフィット感を提供できるようになりました。

ブランド立ち上がりからまだ一年も経っていないのが信じ難いほどの、この圧倒的完成度。
Olde H&Daughterの今後に、期待も高まるばかりです。

オンラインストアはこちらです→ パール/ タバコ/ ハンティングピンク/ ティール/ ダスキー


雪が溶けて川になって流れて行きます ~ niuhans/ Organic Cotton Crew Neck LS Sweater

気がつけば2月も残り一週間余り。
おもての空気の匂いや光の強さをみても、だんだんと冬のそれではなくなってきました。

ということで店頭から冬物は引きまして、完全に春仕様へと入れ替えております(冬物や2月までの期間限定セール対象商品は裏にございますので、ご希望の場合はお声がけください)。

そんな春めき浮かれた店頭のなかでも、お客さまより「オッ、春だね」とダイレクトな反応をいただくことが多いのが、niuhansの新作コットンニットです。

何といっても、この清涼な、澄んだ色。

ほんのり赤みがかったライトベージュ”クリーム”、

青みの強い薄灰色”パールグレー”、

そして不思議と冷たさと暖かさが両立する”プラチナ”。

どれも来たる季節を想起させる美しい調子で、見ているだけでも心躍ります。

さらりとした肌触りとモチモチ感を兼ね備えたニット地は、着心地も抜群。

これだけでもじゅうぶん過ぎるほど魅力的ですが、なんとこのニット、糸に特殊な加工が施されており、撥水性能まで備えています。

しかもかなり強力。

手洗いも可能で、そう簡単には加工が落ちたりはしないとか。
最近の技術の進化には驚かされますね。

まさに才色兼備な一枚です、頼もしき春の相棒として是非お役立てください。

オンラインストアはこちらです→ クリーム/ パールグレー/ プラチナ


ポケットいっぱいの秘密 ~ HAVERSACK/ ダブルポケットシャツジャケット

疫禍にも促されたか、昨年から今年にかけて急速に社会に変化が起きているのは言うまでもなく、たとえば服の選び方ひとつにしてもオンやオフといった概念すら薄れてきているようです。

そしてジャケットとかそういった服のつくりを基にした区分もだんだんと曖昧になってきて、わかりにくくも面白い状況になっています。

少し前なジャンルがはっきりしなくて使いづらいなどと言われがちだったシャツジャケットのような服は、ここに来てその存在感を増し始めました。

米軍M1943フィールドジャケットを再構築したHAVERSACKの新作は、ただジャンルレスであるだけでなく、フレッシュな衝撃も打ち込んでくれる一品です。

本体に使用されているのはコットンヘリンボーン。

しっかりした剛性と意外なほどのしなやかさを併せ持っています。

そこに重ねられた、肩から伸びた謎のマチ…

同じくマチが設けられた胸のポケットと重なっています。

そう、この肩からのパーツそのものが、ポケットになっているというわけです。

つまり胸のポケットは二重。
胸部だけで大容量を実現してしまいました。

なお、この肩からのポケットと胸のフラップ付きポケットのみ、コットンポプリンを使用しています。
控えめながら異素材コンビでもあるということですね。

荷物をあまり持ち運ばないという方はもちろん、春に汎用性の高いライトアウターをお探しの方全般にお薦めできる、ユニークにして完成度の高い逸品です。
ハバーサックにしてはやや肩幅を広く取った形状で、いままで以上にさまざまな体型の方にお楽しみいただけます。

この週末は暖かくなり、春物を探すにはいい気候となるようです。
どうぞ店頭にてお試しを!

オンラインストはこちらです


ユーディーの… ~ EEL Products/ アトリエシャツ

あたたかな週末から一転、急激な爆弾低気圧の誘う篠突く雨に唖然とします。
しかしそれでもそこまで冷え込まなかったのは救いでしたね。

幸い明日からはまた天気も回復するようですから、じたばたせずにそれを待つことにしましょう。
先日の地震の被害を受けた東北への雨の影響が軽微であることを祈りながら…

さて、来たる季節の予感が濃くなるにつれ店頭で動き出しているのが、シャツです。

とりわけEEL Productsの定番であるアトリエシャツは、いまから気軽に取り入れられる春のしるしとして注目を集めています。

今回の素材はインド製のマドラス。

非均一で素朴な風合いは、肌離れのよさとからりとした清涼感をもたらします。
ややゆったりとしたシルエットも風通しがよく、春のみならず夏でも快適にお召しいただけるはずです。

背中のロッカーループがどことなくアイビーを匂わせ、ともすればシャビーな印象に陥りがちなバンドカラーシャツをリアリティのある服として整えてくれています。

どう合わせるとかは語るだけ野暮なシャツゆえ、お好きなように、気持ちよく楽しんでください。

オンラインストアはこちらです→ サックスマドラス/ グリーンマドラス


あんたのバラード ~ niuhans/ Compact High Twisted Cotton Linen 3B Jacket & Atelier Jacket

麗らかな陽気です、きょうは冬物の外套も一休みといったところでしょうか。

まだ完全に油断はならないとしても、こうした日はこれから少しずつ増えていきそうです。

となれば、春の上着の出番もそれに伴うはず。

たとえばniuhansから届いた新作ジャケットなんて、まさにこれからの季節にぴったりですね。

コットンとリネンを用いて高密度に織り上げたツイル地は、剛性と柔らかさの絶妙な調和、そして適度に粗野な風合いによって、何とも軽やかな気持ちを引き出してくれます。

いわゆる一般的な3つボタンのテーラードジャケットを下敷きにしてはいますが、よく見るとパッチポケットはワークウェアさながら。

横一文字のステッチは表面的な意匠ではなく、ポケット内側下部の補強布を固定する実用的ディテールです。

この武骨な素材、仕様をもってしても、niuhansの柔和な特徴は損なわれることなく、まろやかな肩の曲線などによって、着たときにはむしろ繊細な印象すら与えます。

なお、今季はこの同じ素材を用いて定番のアトリエジャケットも展開しています。

こちらも肩が実に優しく、さらに比翼仕立てになっていることもあって、ワークウェアの野性味のようなものはまったく感じられません。

この型でなおかつエルボーパッチまでついているのに、ここまで男臭さを消せるというのは見事なものです。

どちらの型にもそれぞれの魅力があり、甲乙つけ難い出来栄えですから、あとはもうお好みや用途にあわせてお選びいただくしかないでしょう。

あまりに控えめであるがゆえ単品では伝わりにくいその実力、是非一度袖を通して体感してみてください。

オンラインストアはこちらです→
Compact High Twisted Cotton Linen 3B Jacket キャメル
Compact High Twisted Cotton Linen Atelier Jacket オフホワイト/ ネイビー


昭和50年男の春 ~ K.ITO/ ミニ裏毛スウェットカーディガン

昨日2/10発売の『昭和50年男』誌にて、2か所にわたり店主が登場しています。

今回の特集は<好敵手>。
個人的には『きまぐれオレンジ☆ロード』の<まどかさんvsひかるちゃん>、『お笑い マンガ道場』の<富永一朗vs鈴木義司>が最大の目玉でしたが、店主自身は『キムタクvs藤原ヒロシ』の頁にて、当時の一般高校生からの視座からみた景色について語っています。


(誌面転載許可はいただいております)

なお、「アンチ藤原ヒロシファン」はライターの方で考案された表現ですが、「藤原ヒロシファン」に対するアンチではなく、アンチにしてファンだったのでは、という内容ですので、誤解なきよう。

そして後半のファッションスナップ特集。

かのFACYの90年代座談会の面々が並ぶという、なかなか面白いことになっています。

ほかの特集記事も充実し、たいへん読み応えのある一冊となっていますので、是非皆さま書店にてお買い求めください。

さて、先述のファッションスナップで店主が着ている羽織りものにご注目。

こちらはK.ITOの新作、ミニ裏毛スウェットのカーディガンです。

おなじみのウール天竺カーディガンをベースに、スウェット素材の特性を活かしたアレンジが加えられています。

首回りの立ち上がりと前立てが抑えられ、

ラグランスリーブは背面で接合。

左右の脇には内ポケットが設けられました。

素材自体は密度が高く立体感がありますが、バイオ加工によって柔らかくほぐれ、硬さのとれた快適な着心地となっています。

また、この生地の立体感も相まって、着用時には(店主着用画像をご覧の通り)円みを帯びた独特のラインを描くのも大きな特徴です。
この控えめにして服にたしかな力強さを与える絶妙なデザインワークに、さすがK.ITOと唸らされますね。

まだ寒い今の時期にもウールのカーディガン同様上にコートを纏えば問題なく使えますし、春や秋にはこれ自体を軽快な羽織ものとして活用することもできます。

すでに店頭では人気でサイズ欠けなども出ていましたが、メーカー在庫を取り寄せて補充致しました。
とはいえそれでも在庫僅少です。
この機会をお見逃しなく。

オンラインストアはこちらです→ ブラック/ ネイビー


Lemonの勇気 ~ comm. arch./ Silk Cotton PO

ぽかぽか陽気の週末から一転して、きょうはきゅっと冷え、表を見やれば粉雪がちらつきはじめたようです。

そんなせわしなさにさえ、ほんの少し先にまで迫った春の気配を感じられるようになりました。

店頭でも肉厚なセーターをお探しの方は日に日に少なくなり、一方で春らしい色や素材の服をご覧になる方が増えてきています。

今季も素敵なコムアーチの女性用ニット。

最高品質のシルクとスーピマコットンを使用し編み立てられ、上品な艶、美麗な発色、さらりとしながらも潤いを感じる肌触りを備えています。

裾は背面側を長く取り、両脇には適度なスリットが入れられました。
着用時に優美なシルエットを描き、女性のからだをより美しく見せてくれます。

ごくごくシンプルで上質、だけでなく、控えめながらしっかりとデザイナーの仕事が利いた、コムアーチらしい一枚です。

こんな世だからこそ、春をより春らしく、装いの力で楽しんでいきましょう。

オンラインストアはこちらです→ ブラッドオレンジ/ レモン/ スキンズ


いつまでも 変わらぬ愛を ~ tilt The authentics/ 1 Tuck Slim Trousers

毎シーズン、新しい素材や意匠で衣替えしながら作り続けられているtilt The authenticsのテーパードパンツ。

6期目を迎え、いよいよ円熟味を帯びてきました。

すっきりした美麗なシルエットと快適な穿き心地の両立はいつも通りですが、今回の素材はコットンにヘンプを混ぜて織り上げた高密度ギャバジン。

そのままだと艶っぽくなり、また硬さが出るところ、原反の段階で揉み洗いが施されることで、マットな風合いととろけるような柔らかさへと変貌しています。
耐久性、吸湿性、速乾性に優れており、家庭で洗濯が可能なのも、汗ばむ春夏にはうれしいですね。

この生地のしっとりとしたまろやかさによってパンツの腰回りがよれたりするのを防ぐため、腰の裏には柔らかめの芯が入れられています。
丁寧なパイピングなど、見えないところまでほんとうに綺麗なパンツです。

見えないところがこのレベルなら、見えるところは言わずもがな。
ごくオーソドックスなデザインのようで細部にニヤリとさせられる、その匙加減もまたtiltの特徴です。

たとえば段付きのコインポケットだったり、

生地に切れ目を入れて両玉縁仕上げにしたハンドポケットだったり。

毎シーズン人気のシリーズゆえ、コロナ禍の真っ只中といえど、いつまでも在庫が残っているとは限りません。
気になる方は、どうぞお早めに。

オンラインストアはこちらです→ ブラック/ ダークネイビー


水を得た魚 ~ HAVERSACK ATTIRE/ ミノテックスフィッシュテールコート

瞬く間に1月が過ぎ、寒さの中にも少しずつ春の気配が色濃くなってまいりました。

今すぐ必要という方を除けば店頭でも冬物より春物をお探しの方がほとんどとなっていて、店主の気分も自然と春めいてしまいます。

春といえばスプリングコート、今季は例年ほど種類は多くないにしても素晴らしいものばかりが届いており、たとえばこのHAVERACK ATTIREのコートも店頭で熱い注目を浴びている一枚です。

ちなみにレディースサイズもご用意していまして、なぜかこちらはブランド名がHAVERSACK名義なのですが、仕様はまったく同じですのでまとめて解説致します。

軽くしなやかで、わずかながらストレッチ性も備えているこの生地はミノテックス。

帝人フロンティアの誇る高機能ポリエステルSOLOTEXを用いたこの生地は、表面に目に見えぬ細かい溝が設けられていて、雨など水をその溝に流し、内部への侵入を防ぎます。

ためしに水滴を落としてみましたが、生地の上をただぷるぷると転がるばかりです。
驚きます。

ウレタンコーティングを施しているわけではありませんから、加水分解も剥離も心配なく、のびやかな生地の特性も損ねません。

この素晴らしい素材を使って、HAVERSACKならではの作り込みにより生まれたコートです。
その完成度には唸らされます。

バルマカーンタイプにM51フィールドパーカのディテールを掛け合わせた、そんな珍しいハイブリッド型となっています。

フィッシュテールと呼ばれる背面が燕尾状となった裾は、前後の紐を左右の脚に固定することで裾がバタつくのを防ぐ、軍物ならではの仕様です。
使わないときは内側に折りスナップで留め、すっきりさせて運動性を高めることも可能となっています。

袖も、M51を踏襲しています。

肘にはアクションプリーツが入り、

カフスの中に伸縮性のある素材が仕込まれ、その先にあるボタンホールに2つ並んだボタンのいずれかを留めることで、袖口を絞ったり緩めたりすることができます。

撥水性を大きな売りにするコートならではの細かいディテール、ポケットのフラップが袋状になっていて、フラップ脇からの浸水を防いでくれます。

襟にはチンストラップがついていますので、少し肌寒い日などスタンドカラーとしてお使いください。

なお、このミノテックスを使用したスカートもご用意しました。

色の薄いスカートは汚れが心配という方も少なくありませんが、水を弾き洗濯も可能なこの素材ならご安心いただけるのではないでしょうか。

こちろんコート同様、スカートも細部に至るまできっちりとデザインされており、両脇にはハンドポケットが設けられ、

またウェスト背面側にはゴムが仕込まれています。

澄んだベージュも目にうれしい、春の到来への期待高まるコートとスカート、どうぞ一度ご検討ください。

オンラインストアはこちらです→
ミノテックスフィッシュテールコート Men’s/ Ladies’
ミノテックススカート