夕暮れ時のさびしさに ~ ASEEDONCLOUD/ knit collarless polo

まだヒグラシの声は聞こえませんが、夕陽の光はすっかり夏色に染まっています。

週末からポロシャツをご覧になる方が増えてきたのも、そうした移ろいと無関係ではないでしょう。

ポロシャツといえば、ASEEDONCLOUDよりこんなちょっと変り種が入ってきました。

ニットポロでありながら襟を省き、かつ台襟のように若干残すことで、ヘンリーネックともまた違う新たな境地に達しています。

そしてこの編地。
やわらかく、艶を湛えて、しかもさらりとした肌離れのよさと適度なハリがある、そんな質感の理由は糸にあります。

マーセライズ加工(絹のような光沢と形状安定性が出ますが、綿本来のふわりとした風合いは失われます)が施された細番手の糸を10本以上まとめてコード状に撚りミドルゲージ番手の糸にすることで断面を丸に近づけ、その光沢を活かしながら、円みを帯びた表情を編地に与えることが可能となります。

とはいえ、そんな理屈よりも、実際に触って、着てみて、その心地よさを体感していただくのが一番です。

そしてこの襟元のアレンジメントにより生まれる表情のやさしさ、これぞASEEDONCLOUDならでは。
他と比べることのできないオリジナルな魅力が、ここにあります。

オンラインストアはこちらです→ ブラウン/ アイボリー


男だったら一つにかける かけてもつれた謎をとく ~ blanc/ Men’s no collar long shirts(WIDE)

至高の名品ウェストポイントのワイドパンツ(通称ブランパンツ)の印象があまりに強すぎて、つい忘れられがちな事実。
blancは基本的にレディースブランドです。

パンツのサイズ感が大きく、当店ではご購入の8割以上が男性ですので、致し方ないところではありますが…

さてそんなパンツの影響力もあって、多くのお客様から漏れ聞くご不満が、「なぜblancにはパンツ以外メンズサイズがないのか」。

先日ご紹介したジャケットに関しても、着てみたいのに小さくて着られないじゃないか、何たることだ、と数名の男性からお叱りを受けました。

blanc側にもこうしたご意見は随時お伝えしているのですが、頑固な九州男児、なかなか首を縦に振ってくれません。

そんなこんなで5年が過ぎ、ここに来てようやく一型だけですがメンズモデルのシャツが登場しました。

定番としてずっと作り続けているno collar long shirtsをベースに、幅にゆとりをもたせ、全体のサイズ感を見直し、また襟をバンドカラーに変更することで、デザイン上も男性に似合うようになりました。
なお、サイズはblancの吉田さん(身長175m・痩せ型)に合わせられています。

素材はしっかりした中厚手の120双コットンサテン。
生機の状態から染められた、blancオリジナルの生地です。

一般的なサテンの印象といえば繊細、艶、そうしたところでしょうが、その先入観を覆すような力強さに惹かれます。
とはいえ、使用している糸自体はかなり細いものですので、肌触りはなめらかでしっとりしています。

背面は立体的なスプリットヨークに、インバーテッド(内向き)プリーツ。

袖は二枚袖。

そう、実はこのシャツ、意外なほどクラシカルなマナーに則って作られています。

blancのサイトやSNSにたびたび登場する梅川さんのころんとした佇まいや、柔和なデザイン、あたたかみのある素材使いゆえ、一般的にはほっこりふんわりした素朴(ナチュラル系?)なイメージを持たれがちなブランドですが、その実はきわめて技巧的で硬質。

そうしたblancの本質がよく表れた一着と言えます。

こんなに佳いのだから、もっともっと男性用モデルも出してくれたらうれしいんですけどね、期待してますよblancさん。

オンラインストアはこちらです→ ディープブラック/ ブラウン


季節がそっぽを向いていないのは 木々のざわめきで判っている ~ HAVERSACK/ コットンシルクカーディガンブルゾン&イージーパンツ

昨晩の轟轟としたお天気に春雷の雅味を噛みしめ悦に入っていましたが、よくよく考えてみると暦の上では一昨日からもう立夏になっていたのでした。
なんということでしょう。
早いものです。

さすがに夏本番の気配すら漂わせたゴールデンウィークの乱も落ち着いたようで、きょうからはまた当面は今時期らしい具合に戻ると聞きます。
ほどほどに暖かく、時折少しひんやりとした風が吹く、これこそまさに初夏。

そんな爽やかな季節、スプリングコートを完全にしまい込むにはまだ早い気もしますが、これから出番が増えるのはより薄く、軽い羽織ものではないでしょうか。

数ある選択肢のなかで、ここ数日店頭でも俄かに注目度が上昇しているのが、このHAVERSACKのブルゾンです。

KIMURAのnarrowing cardiganがカーディガンめいたシャツならば、こちらはカーディガンめいたブルゾン。
単品というよりも、上着としての用途に特化したデザインとなっています。

素材はシルク混のコットン。
高密度に織られ、清涼感と適度なハリを備えています。
繊細なようで洗濯可能なのがうれしいですね。

襟から前立ては、しっとりやわらかな肌触りの編み生地に切り替えられています。
このさり気ない気配り。

背中にはアクションプリーツが設けられ、見た目以上の運動性に驚かされます。

ポケットは大き目のフラップポケット+ファスナーつきのハンドポケットという二重構造、ごく自然にここまでやってしまうのがハバーサックの恐ろしさ。

Tシャツはもちろん襟付きのシャツなど、さまざまな服に合わせられますので、これから何かと重宝するはずです。

さてこのコットンシルクの生地、パンツもご用意しています。

ミリタリーのカーゴパンツに着想した膝のプリーツやドローコード使い、そのうえで過剰なマッチョさが削ぎ落されました。

裾のドローコードを使うことで、裾丈を好きなポジションで固定できます。
素足にサンダルなどを合わせた装いなどのときに効果を発揮しそうです。

初夏、梅雨、夏、といよいよ加速する季節に、品よく涼しく装いを愉しんでいきましょう。

オンラインストアはこちらです→
コットンシルクカーディガンブルゾン ブラック
コットンシルクイージーパンツ ブラック/ キャメル


コスモス 宇宙を駆け抜けて ~ smoothday/ 80/-コズモラマハイゲージ天竺 CN半袖T

パンツひと型を紹介したきりブログに登場してこないsmoothdayですが、これは入荷がないからではなく、記事作成を前にどんどん巣立ってしまうから。

それほど、このブランドの肌触りに対する店頭での反応は大きく、新規取り扱いブランドにしてすでに確固たる地位を築きつつあります。

そんなスムースデイの神髄を気軽に楽しめるのが、Tシャツ。

母体が生地メーカーゆえにTシャツと一口に言ってもいろいろな素材を操る同ブランド、なかでももっとも清涼な質感を誇るのが、”コズモラマ”です。

厳選した特級のインド綿を用いた強撚糸を用いて独自の技術で編み立てた薄手の生地で、綿100%とは思えぬほどのシャリッと乾いたような風合い、品位ある艶、しなやかに流れるドレープ性、そして自然な接触冷感性を備えています。

また、吸水速乾性に優れているのも特徴で、吸水させても50分程度で乾いてしまうのだから大したものです(一般的に、60分で残留水分率20%くらいなら速乾を謳えます)。

洗濯強度は意外と高く、実際こちらの商品も洗い加工、かつタンブラー乾燥が施されています。
繊細そうに見えて頼もしいですね。

Tシャツのデザイン自体はごくプレーンですが、パンツ同様脇線が腰に向かって斜めに流れる独自のカッティングが、生地の流動する表情と相乗効果を生み、その効果的な奥ゆかしさに感嘆します。

春からすっかり初夏に移行した感のあるきょうこの頃、夏の風を心地好く受け止めるこうした服を、そろそろ視野に入れてみるのも佳いのではないでしょうか。

オンラインストアはこちらです→ ボルドー/ オレンジ


走れキムラ ~ KIMURA/ 5needles/21pitch shirt

キムラは激怒した。

必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。
キムラにはマスマーケット向けビジネスがわからぬ。
キムラは、フリーランスのデザイナーである。
布を裁ち、ミシンと遊んで暮して来た。
けれども安易な服作りに対しては、人一倍に敏感であった。

きょう未明キムラは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のソドムの市にやって来た。
上等な生地やら柏レイソルのグッズやらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。
先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。

けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。
のんきなキムラも、だんだん不安になって来た。
路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈はずだが、と質問した。
若い衆は、首を振って答えなかった。
しばらく歩いて老爺に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。
老爺は答えなかった。キムラは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。
老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。

「王様は、3本針でワークテイストの服を作ります。」
「おどろいた。国王は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。それで、ワーク調を表現できる、というのです。きょうは、たくさん売れました。」
聞いて、キムラは激怒した。
「呆れた王だ。生かして置けぬ。」

キムラは、単純な男であった。
買い物を、背負ったままで、のそのそ王城にはいって行った。
たちまち彼は、巡邏の警吏に捕縛された。
調べられて、キムラの懐中からは裁ちばさみが出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。
キムラは、王の前に引き出された。

「このはさみで何をするつもりであったか。言え!」王様は静かに、けれども威厳を以て問いつめた。
「もっと凄い服を作るのだ。」とキムラは悪びれずに答えた。
「おまえがか?」王は、憫笑した。
「仕方の無いやつじゃ。おまえには、効率的なアパレルビジネスがわからぬ。」
「言うな!」とキムラは、いきり立って反駁した。
「何が3本針だ。私は、そんなものでは満足しない。」
「だまれ、下賤の者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。
「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、新作を思いつかなくなってから、泣いて詫びたって聞かぬぞ。」
「ああ、王は悧巧だ。自惚れているがよい。私は、命乞いなど決してしない。ただ、――」
と言いかけて、キムラは足もとに視線を落し瞬時ためらい、
「ただ、私に情をかけたいつもりなら、三日間の日限を与えて下さい。今から作ってきますので。三日のうちに仕上げて、必ず、ここへ帰って来ます。」
「ばかな。」と暴君は、嗄れた声で低く笑った。
「とんでもない嘘を言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」
「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。よろしい、この市にユーフォニカという服屋がいます。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あのおじさんを絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」
それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑んだ。

ユーフォニカは、深夜、王城に召された。
ユーフォニカは、縄打たれた。
キムラは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。

キムラはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、自宅に着くや否やシャツを作り始めた。

眼が覚めたのは翌る日の薄明の頃である。
キムラは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。
身仕度は出来た。
さて、キムラは、ニットキャップを目深に被って、矢の如く走り出た。

ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼり、のぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊の山賊が躍り出た。
「待て。」
「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」
「どっこい放さぬ。」
「私にはシャツの他には何も無い。」
「そのシャツを、見せて欲しいのだ。」
「さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」

キムラはシャツの説明を始めた。

「このシャツは、140双のブロードで仕立てられている。」

なめらかな肌触り、しっとりとしたやわらかさが何とも魅力的で、いつまでも触っていたくなる生地である。

「見よ。」

「王が3本針なら、私は5本針だ。脇と、二枚袖の縫製が5列になっている。しかし、5本針のミシンなど存在しない。なので私は5回ずつ縫った。」

山賊たちは、ものも言わず一斉に棍棒を振り挙げた。
キムラはひょいと、からだを折り曲げ、飛鳥の如く身近かの一人に襲いかかり、その棍棒を奪い取って、
「気の毒だが、もう少し説明を聞いてもらおう!」と猛然一撃、たちまち殴り倒し、
「そのステッチも、3cm間隔の中に21発打ち込んでいる。」

「ドレスシャツでは、極力肌に触れる部分を少なくするため、縫い代を3mm幅くらいに抑えるのだ。」
キムラは続ける。
「私はその3mm幅の中に5列のステッチを入れた。繰り返すが、1列ずつ縫って、5列だ。」

残る者のひるむ隙に、さっさと走って峠を下った。

私を、待っている人があるのだ。
少しも疑わず、静かに期待してくれている多くのキムラファンがあるのだ。
私は、信じられている。
走れ!キムラ。

路行く人を押しのけ、跳ねとばし、キムラは狂犬のように走った。
キムラは、いまは、ほとんど全裸体であった。

キムラは走った。
キムラの頭は、からっぽだ。
何一つ考えていない。
ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。

陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、キムラは疾風の如く刑場に突入した。間に合った。

「私だ、刑吏!キムラだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆくユーフォニカの両足に、齧りついた。

群衆は、どよめいた。ユーフォニカの縄は、ほどかれたのである。

「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。

群衆の中からも、歔欷の声が聞えた。
暴君は、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。
「おまえらの望みは叶ったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」

どっと群衆の間に、歓声が起った。
「万歳、王様万歳。」

ひとりの少女が、シャツのようなカーディガンのような、なんとも素敵な服をキムラに捧げた。
キムラは、まごついた。
服屋は、気をきかせて教えてやった。
「キムラ、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのシャツカーディガンを着るがいい。この可愛い娘さんは、キムラの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」

勇者は、ひどく赤面した。

オンラインストアはこちらです→ ホワイト/ ライトブルー/ ブルー


受け取って My Song ~ EEL Products/ 少年パンツ

長らく定番として作り続けられている、EEL Productsの少年パンツ。

過去いろいろな素材に乗せ換えられ、そのどれもがなるほどと唸る選定だったのですが、意外となかったのが春夏向けのバリエーションでした。

暖かい時期の少年パンツといえばリネン混サマーウールのドビーストライプ、当店のお客様のなかにもご愛用者は少なくありません。

それはそれとして、店主はずっと思っていました。
「春夏、清涼なコットンやリネンの生地で作ってもいいのに…」

その声が届いたのか、ついに登場です。

採用されたのはサクラコートでお馴染みの馬布。
とはいえ、コートで使われているものよりも薄手ゆえ、初夏のみならず真夏でも快適にお召しいただけるはずです。

コットンの少年パンツは初めて作ったとのことですが、前からずっとあったようにしっくりと馴染んでいますね。

これらにくわえて、リネン版も参戦となりました。

こちらはコットンの馬布にくらべ肉厚な迫力に溢れた生地で、どっしりした奥行と、とろみのあるドレープが特徴となります。

デザインの完成度が高い証拠でもありますが、素材を変えるごとに新たな魅力が次々と発見され、まったく飽きません。

お好みに合わせ、どうぞ今季の一本をお選びください。

オンラインストアはこちらです→ ネイビー/ オリーブ/ ネイビーリネン


北から南から いろんな人が ~ TRIOP/ SLIPPER ZENI

忘れていましたが、もうゴールデンウィークが始まっていました。

今年の4月は肌寒かったものの、予報によると例年通り今時期を境に急激に暖かかくなるようで、実際本日の仲町台はぽかぽかです。

初夏の匂い。

そんな気配をいち早く感じたのでしょうか、サンダルをお探しの方がちらほらと見え始めました。

先日ご紹介したISHMMはもちろん、当店でサンダルといえばのTRIOPからも、素敵な子たちが届いています。

いっぷう変わった鼻緒が目を惹く新作、その名は”ZENI”。

上から見ると、甲というより爪先と足首周辺で足を押さえる構造なのがより判りますね。

この形状、ホールド感があまりなさそうに感じる方も多いかと思いますが、さにあらず。

ベルクロでフィット感が調節できることもあって、

つっかけタイプでありながら想像以上に足に吸い付きます。

鼻緒の素材が柔らかく足なじみが良いこともあり、履き始めからすぐ快適な歩行を楽しめるはずです。

足裏に直接触れる面は、黒のみシンセティックスウェード、

ほかの色が本革スウェードを用いています。

前者がさらさらした触感、後者はしっかりとした摩擦を感じさせます。
どちらがよいというよりは、お好みですね。

その筋では本格クライミングシューズとして有名なブランドゆえ、当然自社開発のソールの品質は高く、

歴代モデル同様、ほどよいグリップにすぐれた耐摩耗性、沈み込み過ぎない適度なクッション性能を兼ね備えています。

さすがTRIOP、2015年からずっと当店でサンダルの代名詞的存在として君臨し続けているのは伊達ではありません。
最高に心地好い一足です。

なお、気になるサイズ感ですが、表示に比べ小ぶりにできています。
状況的になかなかご来店も促せないところです、もしそうした点などご不安であればお気軽にご質問ください。

当店は変わらずに店を開けています。

オンラインストアはこちらです→ ムスク/ タバコ/ ジェリーフィッシュ/ ブラック


サマーヌード ~ Ithe/ No.14-33-BB & No.07-34-WP

毎度入荷してもすぐに完売してしまうため、多くのお客様からは正体不明の謎ブランドとして認識され、ブランド側からでさえも「いつも何もないから取扱店として案内できず、困る」とまで言われてしまっているIthe。

長らくお待たせしました、およそ半年ぶりの登場です。

今回は初夏~真夏に向けた、軽快至極なジャケットとパンツをご紹介します。

まずはジャケット、No.14-33-BB。

リネン、綿、ポリエステル混合の、シアサッカーのような縮緬のような、細かな皴が入った不思議な生地で仕立てられています。

この素材の軽さといったら、衝撃的の一言です。
袖を通しても、まるで何も身に纏っていないような感覚に陥ります。

乾くのも比較的早く、心地好く清涼な状態を維持できますので、まさに蒸し暑くなるこれからの時期に最適です。

そんな素材の特性を活かすべく、ブルックスブラザーズのブレザー(厳密にいえばそれを下敷きにしたItheの定番ジャケットNo.14-BB)をサンプリングし、再構築されています。

段返りの三つボタンはラペルのロールをそのままに二つボタンへ変更。

袖口のボタンは省略されました。

裏地もついていません。

胸と両脇のパッチポケットも廃止され、諸要素を削ぎ落したデザインとなりました。

とはいえ外側にポケットがないわけではなく、両脇の縫い目に沿って目立たぬよう縦型に入れられています。

ジャケットでありなつつも、さながらカーディガンのような、徹底的にライトな羽織ものとして、新たな境地に達しました。

一方のパンツNo.07-34-WPはといえば、1980年代にフランスで用いられていたワークパンツをベースに再構築。

片側に設けられたファスナー付きのヒップポケットがその名残を見せます。

腰の裏にはゴムが仕込まれ、

くわえてドローコードが通されました。
つまりこのパンツ、こう見えてイージーパンツです。

このパンツもジャケット同様すさまじい軽さを誇り、穿いていても、ふと何か大事なものを忘れてしまったかも知れないと不安がよぎるほどです。

セットアップでありながら裸さながらの開放感、そんな体験はなかなかできません。

今回も入荷早々にサイズ欠けを起こしてしまいました。
来たる太陽の季節に向け、是非今のうちにお手元へ。

オンラインストアはこちらです→ 14-33-BB/ 07-34-WP