たとえるなら 空をかける ひとすじの流れ星 ~ ヒラキヒミ。/ P-38

絶賛開催中の男祭り『男には自分の世界があるPt.3』の会期と合わせてきたかのように、薩摩の地からあの怪盗ブーツが届きました。

今年始めに初登場、ご好評につき完売していたヒラキヒミ。の”P-38″です。

ヒラキヒミ。独自の木型”LUPIN”ならではのぐっと反った特徴的な爪先のラインなど、基本的には前回入荷時の路線を踏襲しながら、アッパーの革がイタリア製タンニン鞣し革からホーウィン社のクロムエクセルに、そして底付けの製法も変更されました。

以前は靴の内側から底を縫合するマッケイ製法を採用しており、すっきりしたシルエットでしたが、

今回からは底のコバを張り出し、甲の外側から縫合するステッチダウン製法へ。
靴底上部の縁に縫い目が見えますね。

これにより、構造的な軽さや屈曲性を維持しつつ、より木型に備わるボリュームが強調され、アニメ感が増しました。

ステッチダウン式の靴では比較的珍しいのですが、靴底はレザーです。

ヒールのトップリフトには耐久性の高いフランスTOPY製ラバーを用いています。

この生まれ変わったP-38、実は今回特別版も一足だけ作っていただきました。

それがこちら。

ほとんど変わらないように見えるかも知れませんが、底付けはdelightful toolの靴でもお馴染み、九分仕立てのハンドソーンウェルテッド製法で行われています。

ハンドソーンはその名の通り手縫いでアッパーとウェルトと呼ばれる甲の周囲に縁取りのように配置される部材を縫い合わせ、その次にウェルトとソールを接合する製法で、雑誌などでよく取り上げられるグッドイヤーウェルテッド製法の原型です。

頑強かつ靴底の交換によるダメージが少なく、グッドイヤーの靴よりも柔らかく足馴染みがよいという特徴を備えています。

靴底はビブラム社のラバーソール#2055を採用。

近似した意匠の所謂ダイナイトソールよりも地が肉厚で、重厚感に富みまた実際耐久性にも優れています。

この剛健なソールをミシンでしっかり縫合(この工程が手縫いでなくミシン縫いのものが九分仕立てと呼ばれます)、予期せぬ場所でインターポールに追われることになっても足元を気にせず切り抜けられることでしょう。

ちなみに、マッケイ式の旧タイプながら店主私物も履きこみ開始から早一年が経過しまして、足にだいぶ馴染み、そして渋い年輪が刻まれて参りました。

革や製法が異なるのですが、アッパーの表情の変化を感じていただければ幸いです。

delightful toolとはまた異なる革靴の世界、その魅力を是非お楽しみください。

オンラインストアはこちら→ P-38 ステッチダウン/ ハンドソーンウェルテッド


冬の男祭りが始まりました!

澄み切った快晴の中、HAVERSACKとOlde Homesteader合同ポップアップイベント『男には自分の世界があるPt.3』が始まりました。

HAVERSACKからは普段取扱いのないXLサイズのコートもイベント限定で登場、背の高い方は必見ですよ。

Olde Homesteaderはいつものトランクスなどに加えてアンダーシャツの新型モックネックに新色オールドワーカーズブラック、

そして昨日少量工場から上がってきたばかりの出来立てホヤホヤ、極上の履き心地を誇るソックスが到着しました。

とくに本日と明日はHAVERSACKの村松さんとOlde Homesteaderの福原さんも在店(村松さんは終日、福原さんは夕方ごろまで)、たっぷりと濃厚なお話を楽しめる2日となっています。

一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます!


大地の詩 ~ EEL Products/ オーロラマンコート4.0

EEL Productsのラインナップのなかで、一寸特別な位置に立つのがオーロラマンコートです。

不変の定番として作り続けるのではなく、デザインの基礎は残しつつも、そのときEELが作り得る最高峰の防寒アウターとして送り出すコートに、この名が授けられています。

度重なる改良を経て今年いよいよバージョン4.0、その経験の蓄積は素晴らしい完成度を築き上げました。

今回の素材は強撚ウールを用いた肉厚なヘビーツイル。

厚いだけでなく高密度に織り上げられ、吹き荒ぶ北風も通しません。
それでいて綾目の間隔を適度に空けることで、生地が硬くなりすぎず、しなやかさを維持しています。
今までオーロラマンコートに採用した中で、最も暖かく軽く柔らかい、理想的な生地です。

ラグランスリーブ+袖下から脇へ至る接ぎのお陰で、厚手のコートでありながら腕は動かしやすくなっています。

すっぽりと被らずとも、首のみならず耳の辺りまで立体的に包み込む大振りのフードはオーロラマンコート特有のディテール。

前立ては手袋を嵌めたままでも開閉しやすいようにスナップボタンの比翼、

その下には排気の容易なダブルジップが隠されています。

フードから身頃全体に至るまで裏面を占めるふわふわのボアからも、その温もりが感じられますね。

今まで運動性を重視し袖裏には敢えて中綿を入れていませんでしたが、前述の軽く柔らかい生地のおかげもあり、今回はここにも動きを損なわない程度のキルティングが仕込まれています。

その袖口はリブ仕様。わずかな隙間からも冷気の浸入を許さないという強い意志を感じます。

でも指先は冷える?それならハンドウォーマーポケットに手を入れてください。
内袋は起毛素材で、じんわりと暖めてくれますよ。

このポケットとは別に収納ニーズに応えるマチ付きのフロントポケット、右側内部にはスマートフォン用の小ポケットが内蔵されています。
実に心憎い。

そもそもが「オーロラを見に行けるくらい暖かい」ゆえ命名されたわけですが、EELパタンナー氏が凍てつくアイスランドの地にて実際に身に纏い、オーロラを満喫したとの報告も受けています。

ここ数日急激に寒くなり、この週末もますます冷え込むと予報が出ているなか、確実な暖かさを求めるならばまずはこのコートでしょう。

是非一度、店頭にてお試しください。

オンラインストアはこちら→ ブラウン/ ネイビー


男には自分の世界がある Pt.3

早いもので2018年もあと3週間ばかり。
そんななか、今年最後となるイベント開催のおしらせです。

来たる12/15~24の期間、その圧倒的に濃厚なものづくりでお馴染みのHAVERSACKとOlde Homesteader共催による男祭りを開催します。

HAVERSACKからは今の時期に最適なアウター、ジャケットのみならず、最近世界的に評価の高まっているシャツやパンツなどフルアイテムをご用意し、Olde Homesteaderも負けじと極上のトランクス、アンダーシャツを全品番全色展開(ブランド創設以来ポップアップイベントとして最大級のボリュームで!)致します。

なお、アンダーシャツは新色ブラックのお披露目も兼ねていますので、ご期待ください。

さらに、15日16日はHAVERSACKでデザインアシスタントや生産管理などを務めるアトリエスタッフ村松さん、Olde Homesteaderディレクターの福原さんのご両名も終日店頭に立ち、各商品の詳細についてたっぷりと語っていただけることとなりました。

今年を締めくくるに相応しい、魅力ムンムンのお祭りです。

是非その世界観をお楽しみください!


初めて会ったとき感じてた 君は特別だって知ってたよ ~ EEL Products/ 冬物語

128年ぶりだとかの12月の夏日、それが続いてグエッと呻いた直後に急転この寒さ。
グエッ。

ええ、でもこれが本来あるべき姿なんです。

寒くなれば、あたたかい服を着ればいいじゃないですか。

その名前からして心まであたためてくれそうなEEL Productsの新作『冬物語』。

直線的に肌を刺す冬の凍てつきを掻き乱しほぐすような編み目、モックネックに近い詰まった襟元から、そのぬくもりが感じられます。

編み目といえば裾と袖口のリブの畦の間にはそれぞれ別の色が挟み込まれ、明るい印象を生み出しました。

肉厚ながらやわらかく伸びやかで、意外なほどに軽い着心地に、ホホと笑みがこぼれます。

このセーターを着てシェイクスピアを観劇し、そのあと暖房の効いた室内でビールでも飲みたくなる、そんな一枚です。

オンラインストアはこちらです→ オフホワイト/ ブラウン


放たれる矢のように ~ BORELIO/ VAN 細畝コーデュロイスリムトラウザーズ

先日のNIKKEI STYLEの記事でも含ませている通り、当店のパンツのラインナップは現在やや太めが主流です。
それは時代がどうこうというより、穿き心地を重視した結果でもあります。

ワイド、または腰や腿回りにゆとりあるテーパードパンツ、あるいは細身でもCURLYのように素材や構造で気楽な着用感となっているもの、など。
やはり着ていて楽というのは素晴らしいことだと思います。

とはいえきゅっとした細身のパンツをお探しの方も決して少なくないゆえ、ちょっと楽な方向に偏り過ぎていたかな…と反省しておりました。

そんな次第で、久しぶりの細身パンツの登場です。

ベルギーにて1930年に創業した老舗トラウザーズ工場のファクトリーブランドBORELIO。
アントワープの高名なデザイナーの服の生産も請け負うその技術、そして欧州ならではの色気のある感覚は、やはり日本の服とは(どちらがいい悪いといった話でなくとも)ひと味違います。

素材は引き締まった質感の、上等なコーデュロイ。

今は太畝がトレンドではありますが、ここは敢えて細畝で。

このブランドは膨大な生地台帳から店舗が選んでオーダーするという生産方式をとっているため、おそらく当店以外ではこのモデルの細畝コーデュロイは取り扱っていないと思われます。

作りは基本的にはクラシカル。

腰にはコインポケットが設けられました。

ただ、ダブル裾の折り返しは5.5cmとかなり広く、これによりモダンな印象を生み出しています。

ちなみに、腿や裾だけでなく腰回りも股上の浅さが相まってきわめて小振りです。

サイズ表記上は44、46、48となっているものの、実質的には40、42、44くらいの感覚となっています。
たとえば他のブランドでXS~Sの方であれば、46をお選びください。

かなり癖の強いサイズ感ではありますが、背がそこそこあり、ごく細身で、いつもパンツの腰がガバガバになってしまう、あるいは腰に合わせれば裾丈が足りなくなってしまう方には福音のような形でもあります。
おそらく44、目安として身長175cm体重42~3kg程度の体型が適正かと。

店主が若かりし頃そうであったように、細ければ何でも着られるというわけではないことを日々痛感されている方、是非一度お試しください。

オンラインストアはこちらです→ オリーブグレー/ チョコレートブラウン


赤く咲いても 冬の花 ~ EEL Products/ サザンカコート

EEL Productsの服の魅力は、何といっても表情の優しさです。

甘すぎず、渋すぎず、やわらかでちょっとユーモアを含んだその雰囲気は、他と替えが利きません。

そんなEELらしさが一際よく表れたこのコートが、晩秋から冬にかけて気持ちを豊かにしてくれることでしょう。

晩秋の花といえば山茶花、その名を冠したサザンカコートは、いわば名品サクラコートの冬バージョンです。

ウールのニット組織を縮絨したニットメルトンを用いており、柔らかさと程よい剛性感、そして高い保温性を備えています。

襟はピーコートのようにやや大振りに設計されました。
美しい曲線を描き、落ち着きがよく、そして立ち上げてチンストラップで留めれば首全体をしっかりと包み込んでくれます。

癖のないサイズ感とラグランスリーブのおかげで、薄着の上でも厚手のニットやジャケットの上でも羽織れますし、先述の通り保温性は高いため厳冬期に限らず活躍してくれるはずです。

くわえて、こちらをご覧ください。

前立ての裏面に謎のスナップボタンが設けられていますね。

こちら、昨年展開したコンフォートIDと同一規格となっておりまして、なんと両者は合体可能となっています。

現在コンフォートIDはキャメル、ネイビーともにM一枚ずつのみの在庫となっていますので、Mが適正サイズで、かつセットでのご着用をお考えの方は、どうぞお早めに。

オンラインストアはこちらです→
サザンカコート グレー/ ネイビー
コンフォートID キャメル/ ネイビー


魔法使いの丘 ~ JENNIFER KENT/ SHETLAND SWEATER

先日のスコットランドフェアのときにちらっとご紹介しましたが、マフラーでお馴染みJENNIFER KENTより、今季はセーターも登場致しました。

これがまた実に素晴らしい出来ばえでして、イベント終了後も3色を継続して展開させていただいています。

寡黙なマスタードカラー”クミン”、

落ち着きと明るさを兼ね備えたオレンジ”スパイス”、

そして紫に近いバーガンディ、なぜかその名は”ウィザード(魔術師)”、

それぞれ単色に見えて、複数種類の糸が混ぜ込まれています。

この絶妙な配合によって、奥行きのある色調が生まれました。

素材は当然地元スコットランドより、シェトランドシープの毛を。
高級ニットの産地として名高い、同じくスコットランドはホーウィックの工場にて編み立てられています。

パーツごとではなく一着丸ごとで編まれ、縫製/接合箇所がない構造です。

その着心地は軽く、のびやか。

SとMの2サイズ展開でして、S表記で一般的なS~Mの間くらい、M表記でM~Lの間くらいの大きさとなっています。

主役としても脇役としても、この晩秋から真冬にかけて大活躍してくれることでしょう。

マフラーと合わせ、是非一度お試しを。

オンラインストアはこちらです→ クミン/ スパイス/ ウィザード


メディア掲載のお報せ ~ NIKKEI STYLEにて店主登場しています

畏れ多くも、NIKKEI STYLEにてえらそうに講釈を垂れ流すさまが公開されました。

大人は「小技」に走らない 余裕のジャケパンスタイル – NIKKEI STYLE

ここで着用しているKESTIN HAREのSTAC BLAZERとcomm. arch.のニットについて、もう少し詳細を。

肉厚でしなやかなコットンモールスキン(だと思います…)を用いた、一枚仕立てのジャケットです。

ワークジャケットをベースにしてあるだけあって合理的な設計となっており、ポケットは、手を入れやすい角度に設定されています。

袖は若干長めに設定されていますが、折り返すこともできるようになっています。

記事本文中でも店主は折って着用しました。

今の時期は勿論、春先まで長く着られる一枚です。

なお、店主の伝え方がまずく本文中で
「コットンのジャケットにハイゲージを合わせてしまうと、どうしても寂しい印象になってしまう」
とありますが、これは公開時期(12月中旬になる可能性がありました)を想定して喋ったもので、少し寒々しいのでは、ということを言いたかったのですが、言葉不足でした…
相性自体はまったく悪くありません。
秋や春であれば、むしろハイゲージニットとの組み合わせはお薦めです。

本文中で着用したモックネックセーターはまさにこれからの時期に最適。

南豪ビクトリア州ジロン地方で採れるジロンラムの細い羊毛のみを用いて、カシミア用の紡績を行うことで繊細な肌触りを実現しました。

ゆったりしすぎずタイトすぎず、実に使い勝手のよいバランスで、ついつい出番も増えることでしょう。

delightful tooでオーダーした靴を除き、現段階で着用商品はすべてまだ購入可能です。

オンラインストアはこちら。
KESTIN HARE/ STAC BLAZER(色違いはこちら
comm. arch./ Hand Framed Mock B.B.(色違いはこちら
blanc/ west-point(wide)(色違いはこちら