行きて帰りし物語 ~ blanc/ west-point(wide)

当店に於けるチノ系パンツの頂点に君臨しているblancのワイドパンツ。

毎回入荷のたびにすぐ姿を消してしまうため、常連様であってもご来店のタイミングによっては幻のパンツと認識されている方がいらっしゃる、そんな逸品です。

完売から入荷をずっと心待ちにしていたのですが、若干の納期遅延を経てようやくここに再登場となりました。


当初からすでに高い完成度を誇りながらも、入荷の度に極細かい点に微調整が施されており、今回は大きな変更点としてフロントのボタンが見えない仕様に戻されました(前回はこちら)。

生地は光沢の強いウェストポイント。

一般的なチノクロスよりも目が細かく、これにアルカリ加工を施して繊維を滑らかに膨潤させることで生まれた艶です。
表面にコーティング等したような処理ではないため、洗濯を繰り返してもそれほどこの質感が損なわれることはありません。

裏の始末の美しさも特筆すべきレベルです。

サイドシームは袋縫いになっており、ロックミシンのステッチが見えません。
ロールアップしたときの見栄えを考慮してこのような手間のかかる仕様となっています。

レディースのフリーサイズ扱いではあるものの、実際はメンズのS~M相当のサイズ感です。
本来はダボッと穿いてロールアップで裾を調整することを想定しており、それもあってウェストは調節可能な仕様となっています。

とはいえ、実際お買い上げいただいた方のほとんどは男性でして、サイズが合う方であれば老若男女問わずお薦めできます。

なお、今回はこの定番のウェストポイントに加え、同型でデニムも登場しました。

ざらみのあるいい生地で、ウェストポイントとはまた違った佳さをお楽しみいただけることと思います。

再入荷日から早速動き出しており、また今回もいつまで店頭に残っているか判りません。

特に本日はdelightful toolセミオーダー会の最終日。
お客様の目に留まる機会も多くなります。

少しでも気になる方は、是非お早めにお越しください。

オンラインストアはこちらです→ ベージュ/ ネイビー/ デニム


delightful tool セミオーダー会開催中!

いよいよ本日、delightful toolさんのセミオーダー会が始まりました。

9/18までの三連休限定のイベントです。

オーダーについての段取りはdelightfulさんのブログに詳細がありますので、こちらもご参照ください。
http://www.delightfultool.com/shoes/order/01.html

台風の動向がやや心配なところではありますが、皆様のお越しをお待ちしております!


やさしさに包まれたなら ~ CURLY/ RAFFY ZIP PARKA & AWSIE ZIP PARKA

少なくともフロントジップ式に限れば、スウェットパーカのファイナルアンサーの一つと断じて過言ではないかも知れません。

今季より展開スタートしている香川発のカットソー専門ブランドCURLY(カーリー)。
その代表作であるスウェットパーカが入荷致しました。

RAFFY(ラフィ)と名づけられたこの前開きタイプのパーカ、見たところそれほど大きな特徴はないようですが、一体どうしてこれが只者ではないわけです。

追って見て参りましょう。

まず素材、カットソー専業工場のブランドなだけあってその生地の品質は折り紙付き。

繊維強度の強いトルファン、艶のあるギザ、柔らかいスーピマの落ち綿のみを混紡した糸で編まれています。

ブランド定番の型ではありますがシーズンによって微調整が施され、秋冬モデルは起毛後に生地を揉み込み起毛を絡める事で、肌当たりと保温性をより高めています。

その肌触り、着心地はまるできめ細やかなクリームのよう。
ふわりとして、のびやかで、体をやさしく包み込んでくれます。

この極上の生地をただオーソドックスな形状に仕立てるだけでもじゅうぶんなはずですが、それでは終わらないのがCURLYです。

体の形状に沿った、余計なゆとりのないすっきりしたシルエットにまとめられ、しっかりと立ち上がったフードがさらに完成度を高めています。

一般的にこうしたパーカのフードは、ファスナーを一番上まで閉めたときはともかく、少し開けばぺちゃっと倒れてしまうものです。
ところがこのパーカ、そう簡単にはフードが寝ません。

前立て裏の見返しを深くとって厚みを出すことで襟元、胸元にハリが生まれ、

通常はフードに隠れて見えませんが、首と背中の間に縦方向のリブをはめ込み、下への力に負けないようフードを支えています。

パターンの工夫とこうした仕様によって、立ち上がったフードから胸元にかけての美しい曲線が生まれました。

なお、前立てのファスナーはYKKのEXCELLAを使用しています。


歯のひとつひとつに磨きをかけることで生まれるラグジュアリーな光沢と、滑らかな開閉感が特徴です。

なお、今季はこのRAFFYをさらに秋冬仕様にバージョンアップさせたAWSIE(オースィ)というモデルも登場しました。

前述の綿素材に最高ランクのオーストラリア産メリノウールをブレンドしたスウェット生地で同じ型に仕立てられており、RAFFYの柔らかさ、保温性がさらに高められた一枚となっています。

なんとこのウールには防縮加工が施されており、家庭で洗濯を繰り返しても質感が損なわれません。
あれこれ気にせずどんどん楽しめますね。

ちょうどこの連休から気温も下がるようで、こんな気軽で暖かなスウェットパーカはたいへん重宝します。

どちらも男女サイズをご用意しました。
是非店頭にてその衝撃的な着心地をお試しください。

オンラインストアはこちらです→ RAFFY/ AWSIE


華やぐ街を 背中に感じ ~ HAVERSACK ATTIRE/ ボーダータートルネックニット

狂おしく濃厚な服作りで、当店でも着々と支持者を増やしているハバーサック。

メインラインのHAVERSACK、以前ご紹介したh.s.Equipmentに続く別ラインATTIRE(アタイア)よりタートルネックニットのご紹介です。


ずばり”装い(attire)”を名に冠したこのブランドは、いかに日常をエレガントに振舞うか、10年20年と変わらぬ価値観を身に纏えるかをコンセプトに、往年の洒落者から連なる美意識を現代に提示しています。

その趣向はHAVERSACKに輪をかけて欧州クラシックの匂いが強く、このブランドで全身を統一してしまうと映画の登場人物になりかねない危うさすら内包するほどです。

とはいえこのニットなどはその中でも抑制が利いており、装いに程よい塩梅のバタ臭さを与えてくれます。

ご覧の通りの品の佳い変則ボーダーの色調は、これから訪れる秋の気分を駆り立てて止みません。

見た目よりもさらりとした肌触りでやや薄めに設定されたウールのニット生地、ややコンパクトなサイズ感は、単体では勿論のことジャケットの内側などへ挿し込むことに適しており、こうして組み合わせることでより一層の男の色気を醸し出します。

ジェンダーフリーの世ではありますが、だからこそ大人の男の装いとは何ぞやと考えてみるのも一興ではないでしょうか。

多様性を認めることは何かが何かにとって代わる事ではなく平和的に共存へ至る道であり、また社会的男女同権は即ち性差の否定ではないはずです。

オンラインストアはこちらです→ ボルドー/ グリーン


二人の夢 ヘチマの花 ~ niuhans/ Melton Wool Shawl Collar Jacket

ただただ秋冬が待ち遠しくなるジャケットです。

nihnans(ニュアンス)から届いたこの優しげなこの服の佳さをご理解いただくには、こんなブログでなく袖を通していただくに尽きます。
体が悦びに溢れることでしょう。

上質なウールジャージーの圧縮生地で仕立てられており、軽く、暖かく、そしてとても伸びやかであるのが特徴です。

その素材の良さを最大限に活かしたデザインは、シンプルにして細部まで気が行き届いています。

ショールカラーから前身頃裏にかけては二枚の生地が重ねられ、


防風性とふんわりとした立体感を生み出しています。

パッチポケットをはじめとして一部補強を除いてステッチが表に出ていません。


この生地の角の円さ、柔和な風合いと抜群の相性をもった仕様です。

背面にはセンターベントが切られています。

ボタンの素材選びにも手抜かりはありません。
複雑なブラウンが生地と調和する角ボタンを採用しています。

そのやわらかさだけでなく、肩のラインからすとんと流れるシルエットも極めて美しく、どこをとっても申し分のない一着に仕上がっています。

上記の通りマッチョさがまったくないうえに、niuhansの他のアイテムに較べ若干小さめ(ただ、のびが良いので同じサイズ表記でも問題なく着られますが)のため、サイズ1は女性にもお薦めです。

まだ日中は暖かい時期であるにもかかわらず、実物をご覧になった多くの方がご検討の段階に入っていらっしゃるようです。
実際すでに店頭でも巣立ち始めており、秋本番を迎えるころには残っていない可能性も考えられます。

是非ともお早めに。

オンラインストアはこちらです→ Melton Wool Shawl Collar Jacket


潮の流れのぬくもりがたち ~ Jens/ 圧縮天竺フラノカーディガン

今年はほんとうに秋の始まりが早く、すでに朝晩はだいぶ涼しさを覚えるようになってきました。

ただ、そうはいっても昼間はまだ残暑の余韻も漂い、秋らしい装いに切り替えるのは尚早というもの。

そこで嬉しいのがこんな羽織りものです。


以前ご紹介したメンズのプルオーバーと同じくウールの圧縮天竺素材を用いたロングカーディガン、こちらは女性向けとなっています。

全体的にJensらしく削ぎ落としたデザインとなっており、前立てのボタン等は省略されました。

裁断面がほつれにくいという圧縮記事の特性を活かし、袖口と裾は裁ちっぱなしにされ、これらが物理的な軽さだけでなく鋭角的な印象を生み出しています。

脇にはポケットが設けられていますので、薄手の外套としても機能します。

全体のテイストを合わせてエッジィな装いにまとめるもよし、或いは古着のTシャツやジーンズなど真逆のベクトルのアイテムと組み合わせても化学反応を起こして面白いと思います。

極限まで洗練された服だからこそそれぞれご自由にお楽しみいただきたい、そんな一枚です。

オンラインストアはこちらです→ ブルー/ ワイン


モリッシーの話で 時間も忘れるほど ~ Millican/ SMITH THE ROLL PACK 25L

イングランド北西部の湖水地方にて、地元の伝説的な奇人の名を冠してバッグ作りを行うMillican(ミリカン)。
創業者夫妻を中心に小規模ながらユニークな製品を続々と世に送り出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=uuTG4McLHgY

昨年秋以来、一年振りの入荷です。

今回はその中より当店では初めての登場となる”SMITH”をご紹介します。


過去にご紹介したモデル同様、創業者夫妻の友人Andy Smith氏をイメージしてデザインされ、そしてその名を受けたバッグです。

一般的にバックパックの開閉には大きく分けて2パターンがあります。
バッグを囲うファスナーを開閉するパネルローディング方式(例:BACHのBIKE2B)、主として筒状の本体の上を紐で縛った上で雨蓋を被せるトップローディング方式(例:MillicanのFRASER)です。

このSMITHはその後者に該当しますが、紐と雨蓋が存在せず、本体の開け口自体をクルクルっと巻くロールトップ型となっています。
拡張性に秀で、荷物の出し入れが容易な上に雨などにも強い形状でもあります。

丸めてアルミニウム製のフックで留めるのですが、そのフックにハンドルが繋がっており、床などに置いたバッグをちょっと動かしたりするのに重宝します。

本体内部には数多くのポケットが仕込まれており、最上段のポケットはタブレット等を入れたときにタッチパネルを保護するため黒い起毛素材が内側に張られています。
地味ながら気が利いていますね。

保存

本体側面の背面パネル脇にはキーフック内蔵中型ポケットとPC用スリーブが設けられています。

このPC用ポケットはファスナーに加えてマグネットが仕込まれ、開口部をしっかり塞いで雨などの浸入を防ぎます。

本体両サイドのポケットは深く、折り畳み傘や少し大きめの水筒なども容易に収容できます。

右側にはトレッキングポール用アタッチメントが装備されていますが、


下部のループは非使用時にポケットの中に引っ込められる仕様です。

フロントポケットは二重構造です。

ポケット内部にも本体同様細かなポケットが多数隠され、そのうち一つはスマートフォン用として起毛素材の裏地が仕込まれています。

ちなみに、店主のスマートフォンはXperia XZという大きめのモデルですが、これも難なく収められました。

ポケットのリフレクターは不要であれば内側に折り畳むことで隠すこともできます。

本体同様アルミニウム金具が使用されているチェストストラップとウェストハーネスは、これ自体取り外すことも可能です。


背面のパッドとショルダーハーネスはそれほど凝ったつくりでないように見えて、想像以上の背負い心地をもたらしてくれます。

店頭で試しに背負った方の多くがその快適さに驚かれるほどです。

生地はBionic Canvasと呼ばれる、高粘度ポリエステルの芯に再生ポリエステルを巻き、さらに重ねてコットンを巻いた糸で織った上にパラフィンコーティングしたものが採用されています。
耐久性と撥水性に優れていることに加え、使い込むことで柔らかくなり(薄くなったりくたびれるのではなく、こなれていきます)風合いが増すのも特筆すべき特長です。

ちなみに、店主もこのモデルを現在主力として愛用しています。
先日も雨の中展示会を回りましたが、どんどん資料が増えてもストレスなく頼もしい相棒っぷりを発揮してくれました。

いちユーザーとしても自信を持ってお薦めできる逸品です。

オンラインストアはこちらです→ ストーン(ライトグレー)/ グラファイト(チャコールグレー)/ モス(オリーブグリーン)


メディア掲載のお報せ ~ 繊研新聞にてインタビューが載りました

8/31付の繊研新聞にて、僭越ながら店主のインタビューが掲載されました。
有難うございます!

アパレル業界紙という猛者だらけの場に於いて「服が大好きな井本代表」という畏れ多い形容がなされているえ、色々とえらそうなことを喋っています。

その特性上なかなか一般的に流通はしていませんが、機会があれば是非ご笑覧ください。


Show me the way to you ~ niuhans/ Heavyweight Cotton Fleece One-piece

初夏の当店デビューから、その素材の品質と柔和な形状の親和性の高さでたちまちお客様からのご支持を得たniuhans(ニュアンス)。

基本的にはユニセックスブランドですが、レディースアイテムも少数作っています。

今回はその中からシンプルな長袖ワンピースのご紹介です。

Heavyweightと名乗るだけあってもっちりとしたスウェット素材で仕立てられ、生地のハリ、コシが円みのある優しい雰囲気を生み出しています。

肉厚でありながら柔らくて伸びがよいのがこの生地の特徴で、アメリカものにあるようなごわつき、硬さはありません。

身長167cmで膝丈くらいのサイズ感です。

両サイドにはスリットが入れられ、運動性が確保されました。

ぱっと見では判りづらいのですが、両脇にポケットが設けられています。

スウェットというとどうしてもカジュアルな印象を受けますが、品質の高さとデザインの力で都会的な大人の女性のための服に昇華されています。

洗練と気楽さを兼ね備えた一枚、是非ご検討ください。

オンラインストアはこちらです→ Heavyweight Cotton Fleece One-piece