ふりむけば日本海 ~ FACYにて私物公開しました

FACYの人気企画『アパレル業界人の旅行バッグ拝見』に、店主登場しました。

アパレル業界人の旅行バッグ拝見。日本海鈍行一人旅【Euphonicaオーナー/井本征志さん】-FACY MEN

あまり旅行には出ない(嫌いではないのですが)のに何を言えるのかとちょっと気が引けましたが、実際の計画でなくともよいとのことでしたので、完全妄想旅行記となっております。

本文中にもあるように、店主、生まれてこのかた42年、一度も日本海を見たことがありません。
ゆえに想像とあこがれは募るばかりで、今回それを発露させていただく運びとなりました。

実際日本海側の方からすると、異文化扱いするなとお叱りを受けても仕方のない内容となっておりますが、どうぞ生暖かい目でご覧くださいませ。


パイルダー・オン ~ HAVERSACK/ 3wayコート

寒が戻り、たしかに晩秋から次の季節へと移り変わりつつあるのを知らされます。

コートが豊作の今年にあって、この冬の目玉の一つと呼べる逸品を、ようやく紹介できる時候になりました。

これだけですでにこの迫力、ハバーサックの3wayコートです。

コートで3way?どういうこと?
当然そんな疑念も抱かれることでしょう、それはあまりにシンプルな発想ゆえに他ではそうそう見られない手法でした。

百聞は一見に如かず、分離してみます。



大胆にも、ショートパーカとスタンドカラーコートをそのまま重ねたコートというわけです。
パーカ、コート、合体、これで3通りですね。

両者はパーカ前立て裏とコートの胸元をファスナーで接合し、

またうなじのスナップを留めることで、しっかりと固定されます。

それぞれ単品でもじゅうぶん売れるほど作り込まれており、それはパーカの大容量のフラップポケットや

ベルクロつきの袖のタブなどをご覧になればお判りいただけるはずです。

ブラックとブラウン×ブラックのグレンチェック、素材が異なりまして、前者は帝人フロンティアのポリエステル繊維ソロテックスを用いた先染めのオックスフォード、

しっとりした光沢と、すぐれた撥水性を備えています。

ブラウン×ブラックはパンツ別のコートの裏地にも採用されているコットンウール。

どちらも、裏地はソロテックス元来の伸縮性を活かしたストレッチ生地を使用しています。

ショートパーカにも

コートにも。

まったく、どこまでも一切の手抜きのない贅沢な作りです。

これだけのものを重ねているわけですから、当然保温性は抜群。
気になる重さも、(たしかに実重量はそれなりですが)荷重を分散する立体的な構造により、着用時にはあまり感じないよう計算されています。

予報によると、今年の冬は寒いそうです。
とびきりのコートで、素敵な気分に変えてしまいましょう。

オンラインストアはこちらです→ ソロテックス(ブラック)/ グレンチェック(ブラウン×ブラック)


背伸びしたパフューム はずむココロみたい 風のなか踊ってるの ~ handson grip

俄かに訪れた季節外れの暖かさに戸惑いますが、早いもので11月ももう下旬。

マフラーや手袋など、冬小物の準備をはじめる時候となりました。

お馴染みhandson gripからは、人気商品Fam+が補充され、

そして新型Bounceが登場しています。

プロアスリートの特注品も手掛けるメーカーゆえ、機能性に優れたスポーティーな手袋はお手の物。

甲側には防風性、防水性に優れたストレッチソフトソフトシェルを、

掌側には、抜群のストレッチ性と保温性を備えたPOLARTEC POWER STRETCH PROを使用しています。

親指と人差し指の指先にはタッチパネル対応素材に切り替えられ、手袋をはめたままスマートフォンやタブレットを使うことができます。

掌に施されている立体プリントは、マートフォンを握った際に接触する面を重点的にサポートする形状となっています。

真冬の市街地はもちろん、春や秋に自転車に乗る時など、スポーツの場でも活躍しそうです。

手袋の可能性はまだまだ残されているのだと、今年も改めて教えられました。

オンラインストアはこちらです→
Fam+ ブラック/ タン
Bounce ブラック/ モレイ


何でもないようなことが 幸せだったと思う ~ Ithe/ No.14-BB & 07-34-2WP

昨今のトレンドから外れているがゆえに、探してもなかなか見つけづらいのが、ごくふつうのネイビージャケットです。

色気のあるドレッシーなものや、あるいはワークテイストであればまだ選択肢も豊富な一方、日常的に気兼ねなく使え、かつワークに寄らないものをとなると、意外とないもの。

そこで頼りになるのが、日常の制服ことItheですが、ここでひとつ我儘を通し、さらに「ふつう」にしてもらいました。

実は今季のItheの提案するジャケットは、今年の春夏にリリースされ、大好評のうちに完売した14-33-BBと同型を、中厚手のウォッシャブルウールに乗せ換えたものです。

サンプリング元であるブルックスブラザーズの80年代のブレザーの直線的な魅力を再現しつつも、パッチポケットや裏地を省きミニマルなデザインに仕上げ、その匙加減にItheならではの技巧が光ります。

しかし、当店のお客様からはビジネスの場でも使えるジャケットが欲しいというお声が多く、そこで昨年展開した14-BB(つまり、元ネタにより近いデザイン)を、今回用いているウォッシャブルウールで仕立ててみてはと考え、今回の別注に至りました。

スポーティーなパッチポケットに、主張を控えたナットボタン。

背面にはセンターベント。

基本的に夏を除いてほぼ通年での使用を想定したキュプラの総裏地、これにより着心地と防風性が高められています。
ただこの仕様のため、表地がウォッシャブルウールでありながら、ドライクリーニング推奨となってしまいましたが…

さて、このブレザーと対になるのが、フレンチワークパンツをベースとしたイージーパンツNo.07-34-2WP。

春夏に14-33-BBとセットアップ提案された07-34-WPと同型です。

ウェスト内側にはドローコードが通され、

また背面の腰部分のみゴムが入れられています。

ゆったりとした快適な穿き心地を実現しながらも、表(とくに正面)からはそう見えづらい、ひそやかな小技です。

そこに、ワークパンツならではの、武骨さが身上のWALDESファスナーがついたヒップポケット。

なお、今季からはジッパープルが鉤状ストッパーフックつきのヴィンテージ仕様ではなく、雰囲気はそのままに安全性の高いものへと変更されました。

セットアップ着用はもちろん、どちらも単体でも実に使いやすい、汎用性に秀でた仕上がりとなっています。

ご紹介を前に巣立ち始めているうえ、とくにブレザーは別注商品の特性上在庫限りとなります。
気になる方はお早めにどうぞ。

オンラインストアはこちらです→ 14-BB(Euphonica別注)/ 07-34-2WP


アニメじゃない 本当のことさ ~ FACYにて私的プレイリストを公開致しました

FACYの人気企画『あのお店のプレイリスト』。

まったくそれぞれの個性がよく出るもので、店主も毎回楽しく拝見しております。

10月には当店が登場、そこでインドネシアンポップスのリストを提供したところ、これが意外なほどご好評いただいたようで、有難くも第2回のオファーを頂戴しました。

インドネシア音楽はまだまだネタが尽きないとはいえ、さすがに連続でというのも芸がありません。
ちょっと褒められるとすぐ調子に乗るのは子供のときからの悪癖で、「であるなら、こんなのどうですかね」と冗談半分で提案したテーマがまさかの採用。

それが本日公開されました。

あのお店のプレイリスト|仲町台Euphonica vol.2「素晴らしきアニメソングの世界」-FACY MEN

ファッションメディアに服屋の名義で出すプレイリストとしてはかなり危険な内容ですが、出しちゃいましたからね。もう知りませんよ。

FACYのアートワーク現担当の方はほんとうに優秀で、何も指定していないのに、サムネイルをわざわざアニメイト配色にまでしてくれました。
どうやら先方もヤル気のようです。

それでは、どうぞたっぷりとご堪能ください!


きらめく二人の時 ~ EEL Products/ キルトウォーマー2 & サザンカコート

秋の深まりとともに、いよいよ眼前に迫る冬の気配。

あたたかな衣料のうれしさが身に沁みます。

とはいえ、日によってはまだ昼は暖かったりして、本格的な防寒服を手に取るにはまだ早いというのも確かです。

そんな過渡期から厳冬期まで、八面六臂の活躍を約束するのが、EEL Productsのキルトウォーマー2。


以前ご紹介したビークルベスト同様、撥水ポリエステル生地に東レの人口羽毛Sunstate(サンステート)Ⅱをキルティングした、保温性の高いカーディガン型ジャケットです。

サンステートⅡは薄さ、軽さからは想像もできないほどの保温性を備え、なおかつ虫害や黴に強く、そして洗濯も可能で形状回復力にも優れています。
一般的な中綿素材にくらべ繊維が細く、繊維缶の空気の層を細かく区分、暖かさを閉じ込めます。
同じ重さならばダウンの二倍の保温性と云われるほど。

裏地にはふわりとした質感で、目にも肌にもあたたかいコットンフランネルを採用。

いや、語弊がありました。
裏地というのは正確ではございません。

つまりはこちら、リバーシブルとなっています。


コットンフランネルの面にも、ちゃんとポケットが設けられています。

ブランドのタグや洗濯表示も、ポリエステル面のポケットの中に隠されていますので、実質表裏はないと考えてもよいでしょう。

この袖口のスナップが気になりますが、ひとまず置いておいて次の商品紹介へと進みます。

一昨年、そして昨年も大好評いただきました、冬の新定番サザンカコート。
今年もやって参りました。

今年は襟が若干小ぶりに変更され、ニットメルトンもやや柔らかい質感となっています。

とはいえ、チンストラップを用いればスタンドカラーとしてしっかり機能しますし、防寒性もそのままです。

裏地にはすべりのよい生地が使用されています。

全体的に優しく上品な佇まいですので、オンオフ問わず役立ってくれることでしょう。

ところでこの前立ての裏のスナップ。

先述のキルトウォーマーの前立てと同じ規格でつけられておりまして、両者は合体可能です。

先ほどの袖の謎スナップは、サザンカコートの袖口裏と合致します。

なおこのサザンカコート袖口スナップ、以前はそのまま露出していたため、場合によっては若干手に当たることもありました。
今季はそこが改善され、より安全な仕様となっています。

サザンカコートは単品でもじゅうぶんに暖かく、南関東の冬程度なら(例年通りであれば)それだけで通用します。
そしてキルトウォーマー2も、スナップを使わなくともさまざまなコートのライナーとして、冬から初春にかけて大いに役立ってくれるはずです。

セットとして考えるもよし、別々のものとして考えるもよし、どうであってもきっとそのご要望にしかと応えてくれることでしょう。

どちらも男女サイズを揃えてご用意しています。
是非晩秋から冬の備えとしてご検討ください。

オンラインストアはこちらです→
キルトウォーマー2 ベージュ/ ネイビー/ ブラック
サザンカコート ダークグレー/ ネイビー


スニーカーぶる〜す ~ FACYにて私物スニーカー紹介されました

本日、FACYにて店主の私物スニーカーが紹介されました。

【今年履いているスニーカー教えてください!】vol.5 Euphonica 井本征志

各ショップのスタッフが私物を公開する人気企画。

忖度も斟酌もない、言いたい放題の店主コメントつきです。

どうぞお楽しみください!


やさしい風があつまって 空のブルーになるんです ~ SEIL MARSCHALL/ Mini Reporter Bag

必然的に装いの重くなるこれからの季節、携える鞄の選択に悩む方はどうやら少なくないようです。

その重さに波長を合わせるのか、それとも軽さを出すのか、どちらが正解ということもありませんが、ただ、同じ形でも色を変えるだけで着地点は全く異なります。

落ち栗を思わせる、穏やかなブラウン。

抜けるような蒼穹の澄んだブルー。

店主も愛用しその使い勝手に唸るばかり、SEIL MARSCHALのMini Reporter Bag、新色登場です。

素朴な風合いのコットンキャンバスに、

色止め加工を抑え本来の質感をじゅうぶんに味わえる牛革の組み合わせ。

ギボシで留めるフラップと

ドローコードの二重構造です。

なお、今回も本来フラップの表側につくブランドのタグを隠れるように配置指示したプチ別注を行っています。

ショルダーストラップはしっかりと厚みのあるコットン。

中は2気質に分けられ、それぞれにまた細かいポケットが配置されています。

コンパクトなサイズながら意外なほど収容力に優れ、A4の書類や缶ビールなどもすっと入ってしまいます。

耐久性はひじょうに高く、そして使い込むと表情もより豊かに変化していきますので、日々の御伴として、より魅力的に育ててあげてください。

オンラインストアはこちらです→ ブラウン/ シエル(スカイブルー)


コバルトの季節の中で ~ ASEEDONCLOUD/ Kobold P-coat

ASSEDONCOUDの今季のテーマ”最眩組(moguragumi)”は、ちょっと不思議な、少女と4人の老坑夫たちの物語です。

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ある日のことです、亡くなった仲間を埋葬するため坑夫たちがお墓を掘っていたその時を同じくして、町にひとりの女の子が誕生しました。
彼ら-4人の坑夫たち-はその子を仲間の生まれ変わりとして大切に育て、自分たちの仕事場に日々連れ出すようになります。

月日が流れ女の子は成長。
いつものように老坑夫たちとともに採掘作業中に勤しんでいると、たまたま古いお墓に当たり、ボロボロになった遺品を掘り返してしまいます。

女の子はそれを見て大変悲しみましたが、その様子を見た坑夫たちが遺品を綺麗に戻すと、とても喜び彼らを褒め讃えました。

それからというもの、彼らは地下で遺品を元に戻す作業に没頭するようになります。
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この老坑夫のなかでもっとも曲者なのが、Kobold(コボルド)翁。

勤労意欲が低く、そして強欲なおじいさんです。
怠惰きわまる態度ゆえ仲間からも半ば見限られているのか、ほかのメンバーの予定表を持つのがほぼメインの仕事と化しているご様子。

そんな彼が着用しているのが、このKobold P-coatとなります。

滑らかな肌触りの上質なウールを使用、ナイロンで補強を入れて織り上げた肉厚なメルトンで仕立てられています。

太った翁の体形に合わせた形状で、ゆったりとしたサイズ感、大ぶりの襟、低い重心が特徴です。

手癖の悪さが翁の困ったところで、彼は仲間が綺麗に戻そうとしている遺品を、こっそりとくすねてしまう(そしてすぐバレて怒られる)とのこと。

そのため、このコートは大きなポケットのみならず

ボタンを閉めたままでも手の入れやすい内ポケット、そして上前裡にも小さなポケットが設けられています。

こんな愛嬌に富んだコートですが、その仕立ての美しさや着心地の良さ、シルエットの美しさは見事なもの。
さすがアシードンクラウドと、舌を巻くのみです。

余談ですが、彼の名はドイツなどの民間伝承で語られる意地悪な妖精コボルトと同じです。
そして、金属元素コバルト(原子番号27)の名も、同じくコボルトに由来します。

コバルト鉱物は冶金が困難なため、コボルトが坑夫を困らせるために魔法をかけて作った鉱物と信じられていました。

そんな妖精同様ちょっと厄介なところのある、でもなんだか憎みきれないおじいさんに思いを馳せながら、冬の装いを愉しんでみては如何でしょうか。

オンラインストアはこちらです


つつみ込むように… ~ Olde Homesteader/ EXTRA COTTON FLEECE CREW NECK LONG SLEEVE

究極の肌着作りからはじまり、すっかりその枠に収まらなくなったOLDE THINGS。

代表ブランドであるOlde Homesteaderがトランクス専業だったのも今は昔、しかし、手掛けるアイテムの種類や規模が拡張しただけで、その本質はまったくブレることなく、自らに課すあまりに高いハードルを越えて初めて新作を世に出すというスタイルは一向に変わりません。

ブランドが発足し数年経った今ようやく発表されたこの裏起毛スウェットのプルオーバーから、それが伝わるはずです。

「吊り編み機使えばいいってもんじゃないんですよ」
ディレクターの福原さんは言いきります。

彼の視線の先には、ヴィンテージの再現だとか忠実な復刻だとかは見えていません。
そもそもヴィンテージと呼ばれる服の佳さとは何なのか、これをまず徹底的に分析し、そのうえで迸る熱き情熱を注ぎ込み、次の時代のヴィンテージたるものを新たに創り出す男です。

肌着作りで培った感覚や知識、そしてその厳しい眼差しをもって選ばれた工場の持つ高いスウェット生産技術。
これが合わさって初めて生まれた、この肉厚で、ふんわりとした、極上のスウェット生地をご覧ください。

伸びやかさにくわえ、このふわふわした裏起毛の心地好さたるや。

やわらかく暖かいだけでなく、耐久性も格別で、型崩れが起こりにくいのもうれしいですね。

襟元は一般的なリブ使いではなく、ボートネックのような形状となっています。

これにより、スウェットのプルオーバー特有の運動着らしさが抑制され、大人の街着としての性質が色濃くなりました。

リブはリブで、こちらも一切の手抜きのない作り込みです。

どの点を見ても圧倒的。
展示会で初めてサンプルを見たとき、ただただ脱帽するしかありませんでした。

そして、何より特筆すべきは袖を通したときの意外なほどの品の佳さ。
ここはもうお客様ご自身で体感されるのみです。

元来あまりクルーネックのスウェットを着ない店主が感動し、自らも欲しいと思わせられたこの逸品。
男性女性どちらもご堪能いただくべく幅広くサイズ展開しております。
是非一度お試しを。

オンラインストアはこちらです→ エクリュ/ トップグレー/ トップチャコール